FRP胴の製作方法 |
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いろいろ便利な物が世の中に氾濫しており、RCの世界も例外ではなくお金を出せば何でも手に入ります。 便利な世の中になりました。 機体等についても同じで、私も最近は特にその傾向です。まぁ、時間を金で買うと言うやつですよね? ホビーとしてのRC模型はこんなもんじゃなかったと思います。 木工・電気・電子・塗装・樹脂加工・板金・力学・デザイン・・等、総合的な趣味ですので出来ればこの精神で行きたいですね。 また、市販されている機体等はFRP等の型物で翼はスチロールバルサブランクだったりして、製作も簡単で精度は良く、修理も簡単で性能も良い。 でもこんな機体は少々高かったりして自分で作りたいな〜と思いました。 (私は新しい物が好きです) でも昔は自作などはとんでもない、これはほんの一部の専門家・エキスパートの世界だとおもっていました。 しかしどうでしょう、見て色々聞いてみるとそんなには難しくなくFRP(ポリエステル樹脂)はホームセンターで売っているし、離型剤は塗料店・模型店に行けば売っています。 クロスについてもメス型用ならホームセンターの物で充分だし、製品用は少々高いですが、模型店でも通販でも入手出来ます。オス型はバルサかブルーフォームが使えます。 環境はそろっています。 さあ、どうしましょう昔の記憶と現実が一体化しつつあります小さな夢の具体化の計画を立てましょう。 ポイントさえ押さえたら製作上の致命的なミスはありません。 今回は誰でも出来るFRP胴の作り方と銘打ってUPしてみます。 機体選択としては当然BD−5になりますね。 (実はオス型がBD−5しか残っていないのでこれしかレポートが出来なかった) |
材料と道具の入手 |
・FRP(ポリエステル樹脂) ・硬化剤 ・アセトン(写真なし) |
塗料店・ホームセンター等にあります。(1Kが使いやすいと思います) 硬化剤はカヤメックの名で売っています。 アセトンは刷毛洗い用に使用し、紙コップFRP樹脂調合用、スポイドは硬化剤の混合用です。 |
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・ハカリ (できればデジタルスケールが良い) ・オス型切り出し用の手引きのこ ・スポイド ・紙コップ |
ハカリは混合比算出の計量用ですが、硬化剤の量はめやす。 背の無いステンレスの薄手の物が使いやすい |
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・離型剤 | ワックスタイプのボンリースです。 1Kタイプしかなかったのですが、これは毎月作っても一生分ですね 液体タイプのボパール ほかにも良いのがあるみたいですが、私はこれしか知らない。 |
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・製品用ガラスクロス ・カーボンロービング (別に無くても良い) ・メス型用ガラスクロス ・ガラスマット(写っていない) |
模型店等で現物を見て購入 ロービングは製品の補強用 プライ数とか製品の大きさにより変わります ガラスマット(300円くらい) |
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・刷毛(普通のものと長めのもの) ・良く切れるステンレスのハサミ (実は私のは切れないので子供 のハサミを使っています) ・カッターナイフ ・両面テープ(極薄の事務用) |
型作成時の刷け塗り用と長いのは製品の左右接合用に使用します。 ガラスクロス・マットの切断用 Lタイプの丈夫なもの オス型の左右借り接合用 |
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☆FRP入門編です。他にもいろんな手法がありますが、実際に私がやった方法で書かさせていたたきます。
@ 全てに共通する離型処理方法です。 ボンリースを車のワックス掛けと同じ手順で5〜8回塗っては拭いてを繰り返します。そして完全に拭き取ってから柔らかい布などでボパールをむらなく塗り、完全に乾かします。 これで型とポリエステル樹脂はボパールで分離されます。 ここで失敗すると後で泣きます。 |
A 全てに共通するポリエステル樹脂と硬化剤の混合です。 硬化剤が入ると、10分から15分でゲル化を始めるので樹脂は作業直前で作るのが基本です。 硬化剤の量ですが、経験によると、夏は1%〜2%、冬で3〜4%です。 微調整は適当にしてください。微量でも硬化剤が入るとエポキシ樹脂と違い、ポリエステル樹脂は必ず硬化します、1%でも安心してください。 ただし、完全に底まで攪拌してください。 それと、鉄則ですが厚塗りする場合も少量で樹脂を作り積層して下さい、一度に樹脂を作ると強烈な化学反応で60度以上の高熱を発し一瞬で硬化します。 メス型の場合はせっかくの型が変形します。 容器は洗うアセトンの方が高いので紙コップで使い捨てが良い。 コップは紙ですよ!ビール用のプラスチック製コップは消えて無くなります。 内面処理しているものも避けてください、場合によっては溶け出します。 作業中は刷毛を付けておくアセトン入り紙コップを用意し刷毛をコップに入れ、刷毛の樹脂を溶かしておいてください、そうしないと刷毛が一本の棒になります。 刷毛は使用前にアセトンを良くティッシュ等で拭き取ってから使ってください。 |
B オス型の製作です。(工数1〜2人日、費用約2000円) まず、作りたいサイズのバルサブロックを用意します。 厚みは胴体の幅が60mmなら30mmのバルサブロックを2枚用意しオス型整形後に外すためずれない程度で仮止めします。 その後、3図面のコピーをそれぞれのバルサの上下左右に貼り、鋸で荒くカットします。 その後は完成後を頭に描いてひたすら細部を削り、バルサの最終仕上は100〜 300番くらいまでのサンドペーパーで整形します。 左右の調整は厚紙等でゲージを作り微調整します。(私はやらなかった) ここで一旦左右を分割し、左右のバルサの間に離型処理をしたマイラーフィルムをはさみ、ポリエステル樹脂で左右がくっつかないように処理します。(忘れたら大変!) その後、オス型の表面仕上はポリエステル樹脂を塗り、硬化後また何層も積層してバルサの表面を隠します。 そして600〜800番の耐水ペーパーで根気よく磨き鏡面し上げにします。(バルサが表面に出ないように)最後はコンバウンドをかけて完了です。 |
C メス型の製作です。(工数:夏1人日、冬2人日、費用約1000円) 前記Bで作成したオス型を分割し、オス型より5cm以上大きいプラ板の上に左右別々に伏せて両面テープを使って隙間がないように貼り、完全にプラ板も含めて離型処理をします。 次は樹脂を塗るわけですが、本当はここで製品の気泡がわかるよう濃い目の型用ゲルコートを塗ります。 しかし、私は本業ではないので通常のポリエステル樹脂でガラスクロスを積層しました。 ここで気になるメス型の厚みですが、3〜5mmくらいで充分です。 何回も積層しますが、一度にしないで下さい。 ここまできて焦りは禁物です、高熱を発しメス型が変形してしまいます。 |
D メス型の離型です。(工数0.01人日、費用0円) もっとも緊張する時が来ました。過去に失敗した人はこの工程と思います。 離型に失敗するとオス型とメス型が一体化してなんとも言えない悲しいオブジェの出来上がりです。 全ての基本はオス型の表面仕上と離型処理です。 成功しますと、古いゆで玉子を割ったときのように離型します。 離型しにくい場合もありますが、はしっこから手で少しずつ剥がしていくとメス型の内側の色が変わっていき、部分的に離型しているのが解かります。 実は本当の離型は後者です。ボパールがはがれにくく部分的に剥がれていきます。 |
E メス型の補修と離型処理です。(工数0.3人日、費用約500円) メス型の内側を補修します。 まず、内側にボパールがついていますので中性洗剤で油脂分も合わせて良く洗います。 ポリエステル樹脂がバラフィン入りなら表面にバラフィンが出ていますのでアルコール等を使って取り除き完全に乾燥させます。 ここでほとんどの場合(私だけかもしれない)、型の内側に小さな気泡の穴があいています。 これをポリパテを使って整形(穴埋め)します。 その後、コンパウンドを使って全体を鏡面仕上にします。 ここはあまり削り過ぎないように全体を均等に研磨します。 そして完全な離型処理をします。 |
F 製品の製作です。(工数0.5〜1人日、費用約500円) ミディアムガラスクロス等を型に沈め、縁より2cmくらいはみ出るくらいでカットします。 また、強度が必要な部分はプライ数を増やしたりカーボンクロスとか、カーボンロービング等を用意します。 全ての準備できましたら、ここでポリエステル樹脂を塗るわけですが、樹脂は極力少なくするために柔らかなヘラとか刷毛で薄く延ばしていきます。ミニローラーでもOKです。 クロス目が浮き出るくらい薄く塗りますがどうしてもフィレット等の部分等はクロスが浮き、気泡ができます。 我慢してください、後でゲル化始めた時点で押さえましょう。 樹脂が多いとどうしても隅っこにたまりやすくなりますので気を付けて下さい。 この工程は人が横に付いて作業をします。 ほとんど硬化したらカッターナイフを使い、型の縁から出たクロスを型のエッジに合わして左右それぞれ切り取ります。 その状態で半日以上放置して型から別々に取り外します。薄いので割らないように慎重にやります。 左右の製品を手で持って正確に合わせてセロハンテープを使い、外から止めていきます。 これで胴体の形になりました。後はノーズとかキャノピーの開口部、翼の取付部をカットします。 (それぞれの型の中でやっていても良い) あとはガラスクロスのテープ等を使って内側から長い刷毛を使って樹脂を塗り、完成です。 垂直尾翼など狭いところは樹脂を流すだけで接着できます。 |
G 仕上と塗装です。(工数1人日、費用約1000円) パテとサフェーサを使って通常のキットと同じ手法で仕上ます。 一機分作ったらそれ毎にメス型を掃除してきれいに離型処理します。 万が一型をかじったら脱脂してポリパテを使って整形(穴埋め)します。 一つのメス型でホビー用なら手入れ次第で10機以上は製作できます。 友人・知人に配って型代を回収しましょう。一機あたり程度にもよりますが?円くらいになりますね。 |