ニッカド直付けパックの製作方法 |
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ニッカド直付けパックの製作方法です。 F5B−600・F5B、または過激電動グライダー等に使用出来る直付けニッカドパックの製作方法を記載いたします。 まず、なぜ直付けかと言いますと通常市販されているニッカドパックは薄板(0.2〜0.5mm)を使用して2〜4点のスポット溶接して各セル間を接続しています。 電動プレーン、特に電動グライダーを飛行させて回収後ニッカドが異常に熱く、またニッカドパックのセル間が溶けて穴が空いた経験はありませんか? これはもうかなりの方が経験されていると思います。(内部抵抗の高くなった古いセルの場合も同じですが・・)スポット溶接は同じ面積なら半田に比べで低抵抗ですが、2〜4個所のスポット溶接では抵抗値が高くその部分で貴重な電力が消費され(接続部分の両端にに電圧が生ずる)熱に換わってしまいます。 ノーマルパックは通常の使用方法では35Aから40Aが限界と思ってください。 つまり540・550クラスのダイレクト・ギャダウン機が限界です。希土類マグネットを使ったあちら製のグライダー用モータではまず例外(KE22−12等)を除き使用しない方が無難です。 もっと解かりやすく言いますと540クラスのギヤード電動スポーツプレーンはOKですが、同じ540以上のモータを使った競技用過激電動グライダーはNGと思って下さい。 電動グライダー屋はほとんど過激指向です。極端なこと言うと競技会の最終ラウンドはモータを焼いても良いから短時間での上昇を採ったりします。(私の場合、国産モータの場合に限りますが・・・・。) 直付けパックでないと駄目なものとして小セル過激電動プレーン(F5Dのパイロン機等)やモータランによる上昇を重視した競技機(F5B等)などがあります。 ただ、直付けパックの非常に恐い盲点もあります。 問題は信頼性です。製作者によりばらつきがあり製作過程でミスがあると半田の熱でセルの内部が破壊され数回の使用で液漏れ・電圧降下を起こし使用不能になります。(共通電源で使用している場合は最悪ノーコンになります) また、セル間の接合が不十分な場合、着陸などのショックで折れ(半田が外れる)同じく共通電源で使用している場合はノーコンになります。 まずは、このあたりを念頭に入れ製作してください。 私は5〜6年間こんな事はほとんど無かったのですが、最近1セル液漏れしているのを発見しました。 原因は不明ですが、多分セルのパンクです。 経験によると1700mAhSCR系(SCRC)では、STW85Aでパワーセーブがかかるくらいの電流でも一切問題ありませんでした。(静止時の電流で80A)使用後の熱はほとんどの場合、セル自身の内部抵抗の上昇によるものです。 これだけは製作される方、製作を依頼する方の責任でもって使用してください。 |
【事前準備】 製作前に必ず事前準備(下ごしらえ)してください。 @同時期に買ったニッカドを用意する。 (メーカ・製造時期・容量は最低合わして下さい) 何回か使用したパックは各パック・セルにばらつきがあるのであまりお薦めいたしません。 ただ、私はやっておりますが・・・。 新品も同じですが、何回か使用したパックの場合は特にニッカド(各セル)の残量を合わせる必要があります。 BX202・212等で単セル充電後、全てのセルを同じ放電機で一定電圧まで(0.9〜1V)放電させて残量を合わせます。 もっと簡単な方法もあります。 まず、市販ニッカドは6セル・7セル・10セルパックされている場合が多いのでそのまま一度満充電を行います。 次に放電機に接続してデジタル電圧計で7セルなら7V、10セルなら10Vになるまで放電させ手動でカットします。その後、セルをバラして単セル放電を行い残量を合わせます。 これで準備完了です。 A直付け用半田ごて これは最低80Wは必要です。それ以下だと半田付けで半田が溶けるまでに時間がかかり、結果的にセルを破壊する確率が高くなります。 Bごて先クリーナー ホームセンター等でその名前で売っています。1000円くらいと思います。 C半田ごての温度コントローラ ホームセンター等でその名前で売っています。2〜4000円くらいと思います。 半田ごての温度コントロールが成功の鍵といっても過言ではありません。 Dモータクリーナ 直付け直後のセルを冷却するのに使用します。コンプレッサー等でもOKです。 電動カー等のエンドベル等の清掃に使うエアーの出るスプレータイプのクリーナが割安です。 けっして半導体冷却スプレー・筋肉冷却スプレーは使用しないで下さい。急激に冷えて凍結しその後結露してセルが錆びます。当然霧吹きもNGです。 Eリューター(荒めの砥石付き) セルの接合部分を荒らします。無ければ100〜200番のサンドペーパーでもOKです。 接合面の脱脂と半田の食いつきを良くします。 Fセルの接合用のレール 直付けする場合のセルを置く台です。必需品です。 ホームセンター等に売っているL型のアングルで良いのですが、絶対プラスチック系の絶縁材にしてください。 裸セルを直付けする時にショートしますので・・・・。 また、レールの角度は60〜70度くらいが半田ごてを使った作業で使いやすいと思います。 20mm×20mmで厚みが2〜3mmくらいあればokです。 G銅板 ホームセンター等に売っている0.5〜1mm程度の銅板です。セルの接合に使います。 使い方は、たとえば10セルストレートパックを作る場合、5セル二本を作り、その片側+−を銅板で直列に接合します。 市販品では電動カーを取り扱っている店なら?ゴールドバー?などの商品名でヨコモなどから出ています。 それを使ってもいいのですが、7セルパックとか変形パック等を作るときには銅板が必要になりますのでそれならと最初から買って使用しています。 銅板は7〜8mm幅で長さ30mm程度(並べてセルの+−中央で接続できる長さ)に切り、半田をのせる部分は1〜2mmの穴を空けると半田が一発で付きます。)また、セルと銅板は接合する部分に必ず薄く半田メッキをしてから半田付けしてください。 H収縮チューブ セルをパックするのに使用します。セルの銘柄と液漏れが見えるのでクリア系を使用してください。。 電動カーを取り扱っている模型店なら大(2セル用)小(単セル用)それぞれ400円前後で売っています。 Iヤニ入り半田 融点の高い半田は溶けにくく熱でセルを破壊する可能性が高くなりますので出来るだけ低温の物を使ってください。 市販のものはほとんど後者ですので問題ないと思います。 |
@製作に必要な物 左奥からパック用収縮チューブ(単セル用)、その手前が半田ごて温度コントローラその右が製作途中のセル、中央奥がセルの接合用のレールその右が半田ごて台付き鏝先クリーナー、手前が半田(直径1.6mm)と80Wの半田ごてです。 温度コントローラの設定方法ですが、私の半田ごては80〜85%で設定して10分以上放置して温度が安定してから使用しています。 80Wの80%なら60W程度の半田ごてで良いかといいますと、難しいと思います。要はこて先の容量が重要です。 容量(容積)が小さいとセルに当てたときの温度変化(低下)が大きく時間がかかりそれによるセルの破壊が心配です。 不安な要素は出来るだけ取り除いて作業したいものです。 |
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A単セルの準備 単セルは接合面をリュータ等で荒らし、事前に薄く半田メッキをします各面(+−)に使用する半田の量ですが、直径1.6mmの半田でそれぞれ2〜3mmくらいです。 メッキの面積は+−とも直径10mm(+電極くらい)になります。 この量が多いとやけどとかショートの原因になります。 ニッカドは半田メッキした分で接合することになりますが、少ないと思うかもしれませんがセルを合わせる時にほとんど飛び散り、接合に使用する半田の量はほんのわずかですので問題はありません。 また、半田ごては温度が安定してから使用してください。 半田の成分が分離したり酸化するような温度では使用しないで下さい。 また、半田ごての先端は常に奇麗にしておいて下さい。 直付け用のこて先は銅と半田が反応して少しずつ溶けますので使用前に(熱いうちに)ヤスリで平坦に削って下さい。 |
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Bニッカドの接合 準備の終わったセルを台に置き下から一段ずつ半田づけしていきます。 すぐ下側になるのニッカドはテープ等でレールに固定してください。 心の準備が出来ましたらセルとセルの間にT字型半田ごてを入れ上からセルで押さえて両面を暖め半田を溶かします。 暖める時間は絶対3秒以内にしてください。それ以上だとセルを破壊する確率が高くなります。 3秒たったら素早く半田ごてを抜き上のセルと下のセルを合わせます。 0.5〜1秒の世界です。それ以上だと半田が少し冷えて付きが悪くなります。あまり早いと半田が全て飛び散りショートとやけどと接合不良を起こします。 注意!接合するセルは何段になったか確認してください。 私は二度ばかし余計にくっ付け、後で外すのに苦労しました。 |
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C完成した直付けニッカドパック 上からF5B−600用1700SCRC−SP10セル、電動カー・電動カー・ボート用1700SCRC−SP6セル、電動サーマルグライダー用1700SCRC−SP7セル、ただいま準備中の電動カー用2000mAh(6本しかないので・・)、左が製作中の1700SCRC−SP10セルパックです。 充電を行ったらまず、その時のカット電圧を確認して下さい。 いつもより少し低い(1V単位で)ようでしたら不良セルがあります。 虫ピンを被覆の上から刺してテスターで単セルの電圧を測って確認してください。 また、異常に発熱しているセル・冷たいセルがある場合も同様です。 ショートしているセルがあれば充電時はそのセルは全く充電されず、最初の使用時に大電流でショートしている半田が溶け転極を起こし最悪液漏れなどを起こしダメになります。 |
注意事項 過激仕様+7セルBECの場合、大電流による電圧降下で受信機に十分な電力が供給されず、PCMでは時々ロックしたりします。 また、7セル等の低電圧でオートカットアンプを使用するとモータオンでの極端な電圧降下で一瞬オートカットが働き、その後すぐに回り始め、またカットとこれが連続します。 これがBECの場合、もっと最悪です。オン・オフの連続動作にノーコンorロックが加わります。 S400+500〜600mAh7セルで10Aを超える使い方で、6〜10セル用のオートカットアンプ(SW)を使用するときは少々問題が有ります。 オートカット電圧がほとんどの場合、高めにセットされているためしばらく飛ばしているとモータオンの時に息付きを起こします。 また、BECの場合も少し恐いものが有ります。 6〜10セルでオートカット仕様のアンプの場合、出来るだけ上限に近いセル数で使用して下さい。 過激仕様とは1000mAhSCRで40A〜60A、1700mAhSCRで70A〜80A以上でしようか。 ニッカドがモータオンで瞬間的に1セルあたり0.8〜0.9V以下にまで電圧降下しますので7セルの場合、1セル0.8Vになれば5.6Vにまで下がり瞬間的にオートカットされます。 これは、電動プレーンではまず起こり得ないことですが、電動グライダーではよく起こる現象です。 アンプ(SW)が悪いのではなく使い方が悪いために起こることです。 また、スロットルチャンネルでスティックによるオンオフでは起動が瞬時に出来ないので問題はほとんど無いのですが、電動グライダーの様に送信機のギャSWで使用するとよく起こります。 その場合は送信機のディレイ機能を使用すれば解決します。 アンプにスロースタート機能があれば問題ないのですが、GGG社のHHHのスロースタートは全く使い物にならず電動グライダー屋は嫌います。これならエンジンの方がもっと吹き上がりは良い! なんだかんだ言っていますが、私はS400以外は全て受信機は別電源にしています。(リスクは最小に!) |
おまけ 直付けパックは軽量化と冷却を目的として裸セルにしてパックしてもいいですが、ショート防止等の取り扱いが面倒なので慣れてから競技用としてトライしてくみてださい、液漏れも早くわかります。 また、パックは単セル一列でパックして二列に合わす時は幅30mm程度の収縮チューブの帯で2個所程度固定すればokですし、そこに固定用のマジックテープが貼れます。 冷却と軽量化を目的にパックを行う場合は瞬間接着剤で二列に貼り合わせて下さい。 製作にあたっては、不要になったセル等で充分練習をして、半田づけしたセルを手で折ってみると強度もわかりますのでお験し下さい、どの方法が強力に付いているかがよく解かると思います。 手では中々折れないのですが、折れては困る本番用がハードランディング等で折れることがありますので、時々は確認してください。 市販のままクリアチューブでバックするときはラベルを奇麗に合わせると見栄えがしますが放熱と重量の点からみると不利ですね。 数本製作して使用する場合、上りの悪いパックがあれば不良セルが出来ていますので、また単セル毎に虫ピン等を差して測って下さい。 |