コンセントつくり 

ソース本来の持つ素晴らしさを体感できる

電源タップづく

 

1 .取り組んだ動機

 電源コンセントにより、音が変わるとの雑誌の記事を目にして、実際に確認するとともに、CD がやせた音しか出ないので、電源周りからの改善をめざした。

2 .出来上がった電源タップの特徴

 低音の力強さと高音の切れを兼ね備えており、全体に爽やかさと透明感がある。ジャズ・ロックからバロックまで幅広く効果がある。ただし、イコライズするものではないので、FM 放送のような帯域の狭いソースでは効果は小さい。映像では、モニタが少し明るくなる。ノイズ感がやや減少。

3 .コストパフォーマンス

 部分的に安価な材料を使用しているが性能は高い。

4 .工夫点(2 つのコンセントを組合わせる)


コンセント1

(1 )コンセントボックス

 ホームセンターにある塩ビのコンセントボックスであるが、東京防音の鉛のシートで内部を補強している。また、紙ヤスリ(炭化珪素)で、電磁波対策を施している。ネジ類はステンレスを使い、全体的に非磁性体としている。コンセント台は、響きの良い木材に取り付けた。あえて、全ての響きは押さえていないが、期待する音質によっては、ボックス内部に玉砂利やジルコン砂等の充填も考えられる。

(2 )コンセント本体は明工の3P だが医療用ではない。側面の平たい部分に鉛のシートを張り共振を防止している。また、ボックスへの取り付けは、制振効果のある合成ゴムをカットしボッシュにして取り付けている。ネジはあまり締め付けないようにしている。

(3 )コンセントパネル

 松下のステンレスとし、裏面を部分的に鉛のシートで共振を押さえた。ステンレスは響きが良いので、固定するネジを締めすぎないようにした。

(4 )ケーブル

 力強さを確保するため、単線の屋内配線用のKYOWA のVVP1 .6 の2m とし、方向性は、字の流れる方向を電気の流れる方向とした。あえて6N としている。

(5 )プラグ

 フルテックの3P のロジウムメッキのプラグ(高価)を使用した。真鍮の明工の2P で端子の厚いものでも良い。クロムメッキは避けたい。


コンセント2

(1 )コンセントボックス

コンセント1 と同じ仕様

(2 )コンセント本体

 フルテックの3P ロジウム(高価)、取付ネジには合成ゴムをカットしボッシュにして取り付けている。ネジはあまり締め付けないようにしている。

(3 )コンセントパネル

 フルテックの付属のステンレスとし、固定するネジを締めすぎないようにした。

(4 )ケーブル

 繊細さ、切れ味を保持するため、タイムアンドスペースの8N のスピーカーコードを流用した。長さは2 メートルとした。方向性は、字の流れる方向を電気の流れる方向とした。(火災の危険あり、自己責任)

(5 )プラグ

 明工の真鍮2P で端子の厚いものとした。端子の間に合成ゴムを貼り付け、プラグがコンセントに直接当たらないようにした。

5 .使用方法

 使用方法は、機器をコンセント2 に差し、コンセント2 をコンセント1 に差し、コンセント1 を壁コンセント(3P )に指す。いずれもアースは取らない。しかし、極性は、テスター等できちんと取りたい。組み立てたら、ある程度エージングが必要である。

 一つのコンセントに全てを託さず、2 つのコンセントで分担している。フルテックは、ロジウムのため切れが鋭いが、低音が不足する。逆に明工では、低音は十分であるが、真鍮で高音に切れがない。両者の長所を組み合わせた。他の工夫のない電源タップで音を聞くと、全体に音がやせてしまい、身を乗り出すような生な感じは出ない。壁コンセント直結もしてみたが、共振モードがコントロールできないため、あまり良くなかった。

6 .結論

○クロムメッキは音を悪くするが、ロジウムは切れが良い、ただし、低音は絞り込まれる。

○真鍮の端子は、自然で低音が豊かであるが、切れは良くない

○コンセントの共振モードを整えるのであって、共振を完全に止めると、伸びのない音になる。

○機器にとって、直接につながれるコンセントの品質が一番の影響がある。離れれば離れるほど影響は小さくなる。

○ケーブルは、純度よりはエージングの影響が多い。長年使われているものは、電子が走りやすいのか?伸びやかである。

○炭化珪素は、音の純度を高める。多用しても弊害はないようだ。しかし、今まで低音だと思っていたのが、ただの低域のノイズだということ判明する。

○プラグとコンセントは直接触れない方が音の明瞭性が向上する。

○ケーブルには、適当な長さがあり、短ければ良いということでもない。カットアンドトライ。

○壁のコンセントも3P の医療用が望ましい。ただし、明瞭で聴いてて疲れるかもしれない。