四季折々の産物を使って、手がけているが、昨年5月から試作した数種の加工品を紹介する。試作品は我が家を訪れた人に手土産代わりにお渡ししているが、品目、使用原材料、製造年月日、などと共に説明ラベルを添付してある

 詳細は小生が書いた「ペクチン−その科学と食品のテクスチャー−」(幸書房)の利用編に記してあるが、一般の市販リンゴジャムとは違ってリンゴの組織(細胞)を製品まで残し、皮の赤い色素を抽出してジャムに添加している。そのために、製品の色が赤く、口にするとリンゴの味と香りが生きていることが分かる。
 リンゴジャム(プリザーブ型)

○ ジャムの赤い色はリンゴの皮から 抽出した色素を使っています。
○ リンゴの風味を残すために、すりつぶさないで、組織を残してジャムにしました。
◎ 人工の添加物はいっさい使っていませんので、色と風味を楽しみなが ら、安心してお召し上がり下さい。

一般にイチジクジャムは、皮を使うことはないが、リンゴジャムの場合と同様に、皮(収穫適期を過ぎて皮の紫色が強くなったもの)から色素を抽出して、鮮やかな赤色をした製品としている。この製法も詳細は小生が書いた「ペクチン−その科学と食品のテクスチャー−」(幸書房)の利用編に記してある。
イチジクジャム (桝井ドーフィン)

○ジャムの色はイチジクの皮から抽出した色素を使 いました。
◎このジャムには人工の添加物はいっさい使って おりませんので、安心してお召し上がり下さい。

クリの渋皮煮は一般の料理の書物に書いてあるように、クリの鬼皮を渋皮に傷が付かないように丁寧に剥いたのち、強いアルカリで処理して渋皮の組織を柔らかくすると同時に渋味も除く。よく洗った後に、水煮を十分してから砂糖煮をして渋皮煮とするが、その状態では、そのまま手でつまんで食べると手が汚れるので、チョコレートで被覆した。この製品は十分柔らかく煮てチョコレートをなじむ食感にする必要がある。なお、このチョコレート被覆前の「クリ渋皮煮」の製法については、小生が書いた「クリ果実 その性質と利用」(農文協)に詳しく書いてある。

気候、土質や水に恵まれて、当地の休耕田にはセリ(芹)が自生している。このセリを育成してふりかけに利用することにした。勿論、無農薬、無肥料で手作業によってセイタカアワダチソウなどの雑草を除く以外に、特別の手入れも行わないでもよく生育する。セリ科植物はガン予防食品(デザイナーズフード)として知られている。
  原料:大根葉、人参葉、セリ、食塩、卵黄、海藻、グルタミン酸ソーダ(化学調味料)

水を使わないで「もち米」、「ミカンの果汁」と「ミカンの皮の乾燥粉末」を使って、ミカン餅を試作した。ついた餅は半切した孟宗竹に入れて成形してから、5ミリ程度の厚さにに輪切りしてラミネートフィルムに入れて冷凍保存している。加熱すると柔らかくなり鮮やかな黄色とミカンの風味が口一杯に広がる。本来、お餅は炭火で焼いて食べるのが一番おいしいが、最近は手間をかけないで食べられる物でないと広く受け入れられにくい。そこで電子レンジでふっくらと食べられる条件を(お召し上がり方)に記した。
○ 餅の黄色は温州ミカンの皮と果肉の色素によるものです。
○ 材料はもち米、ミカンのジュース、ミカン果皮粉末と少量の砂糖です。
◎ 人工の添加物はいっさい使っていませんので、色と風味を楽しみながら、安心してお召し上がり下さい。
(お召し上がり方) 餅をポリ袋から取り出し、容器に入れて電子レンジ(強)で15-20秒加熱してから、お召し上がり下さい。

当地はタケノコの産地である。タケノコというと孟宗竹のタケノコを、一般に思い浮かべるが、食用にされるタケノコは「はちく」、「まだけ」、「かんざんちく」、「ねまがりたけ」など多数存在する。特に、竹籠、ざる籠、木樽の輪などの竹細工に欠かせなかった真竹の竹細工用の需要がプラスチックの出現でなくなり、真竹は古き良き時代の面影はないが、そのタケノコはあくがなく美味である。孟宗竹が 18 世紀に日本に伝来するまでは、日本で食用にしたたけのこは、専ら、「はちく(淡竹)」「まだけ(真竹)」であった。はちくの筍は旬の時期に店頭に出回るが、まだけのの筍は店頭でお目にかかることが殆どない。
 この「まだけ」の筍の保存を検討してみた。「もうそうちく」と同様に缶詰にすると肉質や味で「まだけ」は劣った。保存には古くから、乾燥や塩漬けがあるので、そのうち乾燥についての条件などを検討した。その結果、比較的小さて柔らい筍を選び、剥皮した後、沸騰水中で 15〜20分間加熱した。これを水切りしてから、送風乾燥機で乾燥した。乾燥は 10cm程度に切断した後、縦に二つ割りして、50〜60℃で乾燥するのが、水戻しやその後のテクスチャーなどの点からよかった。 

安政柑は果皮が厚く、その利用が望まれるが、ほとんど活用されていない。そこで、お年寄りから子供まで幅広く口にしやすい形態の試作品を作った。果皮を適当な大きさと形に切ってから、熱湯で苦味抜きをした後、砂糖液に浸ける。段階的に砂糖の濃度を徐々に高めた糖液に毎日入れ替えて6日かけて糖果にする。その時、表面の粘りを除くために、熱湯処理と乾燥を行って製品とした。

御質問その他はひでくんまで御連絡ください、真部先生に転送致します。

かえる