決して表に出ない地味な存在の菓子木型だが,和菓子づくりにはなくてはならないものです。 |
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古くから海上交通の要所として開けたここ香川県には、豊かな風土の中で育まれ、人々の手から手へと受け継がれてきた伝統的工芸品が沢山あります。その中でも技術者の減少が顕著ながらも次代に残していくべき価値のある工芸品に対し、伝統的工芸品として指定して保護育成すべき施策が実施されております。 これらはまず指定の条件の一つに、使われる材料が天然の素材である事。木、竹、土、紙そして布等がそうです。次にその主たる工程が昔ながらの技法技術にて作られていること。そして3番目にその技術が江戸時代に完成されていて、見た目美しい工芸品である事。そして二十年以上の経験を持ち、製作に当たっては高度の技術を要する事。このような条件に括られたのが伝統工芸です。香川県の指定としては菓子木型の他にも合計32品目(平成13年6月1日現在)が指定を受けています。 伝統工芸のなかには、上記の県の指定の伝統工芸以外に通産大臣の指定する国の伝統工芸が有ります。この認定を受けるには上記の条件以外に、さらに同一地域に同業者三十事業所以上の存在が必要になっております。香川県では香川漆器と丸亀団扇が国の指定を受けています。 いわば時代劇の中にそっと置いても違和感の無いような物が対象品ですが、今日でも日常の生活の中で愛用され、人々に安らぎと潤いをもたらしています。 時代の変化の激しい時代に一つの伝統を守って行くということは大変難しい事ですが、これからも長い間に培ってきた伝統の技は守り、なおかつ現在のニーズに合った新しい物作りも視野に入れ励んでいかなければなりません。そのような中でなおかつ後継者の育成の必要性も考えながら、製作に思いをはせる毎日です。 (2001.07.01) |
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