胃カメラの怪・・・  の巻

現代の医学は進化し続ける。
誰が何と言おうと、進化しているのである。

  

 カメラ・・・胃内腔に挿入し、体外から操作して胃壁を撮影する小型装置。

あくまで、小型装置である。


とうとう、この時が来た。
ちょっとした背中の痛み、胃の痛みが、胃カメラ検診への道しるべだった。

整体師「ぺりさん。これは筋肉の腫れじゃなくて、内臓が腫れてますよ。
     一度、内科で見てもらった方がいいですよ。」



内科医「あ〜 腫れてますねぇ  じゃぁ、内視鏡検査しましょうか。」


『福原 愛』のような顔をした内科医が、意図も簡単に、内視鏡検査を決定しやがった。

福原「大きくなってるかもしれないし、治りかけてるかもしれないけど。」
ぺり「それは、胃潰瘍って事でしょうか?」

福原「はい。」

あー あっさり言っちゃった。


そして、3日後・・・・


胃カメラの刑に処される私がここにいる。


とは、言え、現代科学、現代医学において、ナノテクノロジーは進化し
ミクロの世界をひた走ってる今日この頃である。
ヒトゲノム・遺伝子操作・ナノマシン・・・・・

現代医学において、胃カメラも同じく進化してないはずがない。


1950年  宇治 達郎が胃カメラを発明して以来、半世紀が過ぎた。
それまで、どのくらいの医学が進歩したことか・・・・


だ・だいじょうぶさ・・・  ちょっと、飲み込むだけさ。

自らを落ち着かそうとするが、それはもはや悪あがきの何者でもないのもかもしれない。


看護婦1「まずは、この胃の泡を消すお薬を飲んでください。」
ぺり「はい。」

コップに入った、少々薬の匂いのする液体を飲まされる。
まぁ、昨日の夜から、何も口にしてないし、ちょうど良い生飲料水だ。

看1「次に、喉を麻痺させるお薬を飲みます。少し飲んで、あとは5分間
   のどのところで溜めて置いてください。」
ぺり「は・はい。」

この喉を麻痺させるシロップ状の、かなり飲みにくい液体。
飲み込めるが、喉の奥になんて溜めることなんて出来ない。
一体、誰がこんなことを出来ると言うのだ??

ぺり「うげ〜〜〜」
看1「あー ダメですかぁ かなり反射がきつそうでねぇ」

こうなれば、ここは、ひとつ男らしく鎮静剤でも、所望しようではないか。

ぺり「あのー ダメな人は、鎮静剤を打ってもらえると聞いたんですけど」
看1「そうでねぇ〜 でも、初めてなので、取りあえずナシで。」


はやっ


あっさり却下されてしまったではないか。(T-T)

仕方なく、さきほどのシロップを5分かけて、飲んでいくことに方針変更。
その後、胃の動きを抑える注射を打たれる。

そして、いよいよ、真打登場。『福原 愛』だ。


福原「はい。じゃぁ、今から胃カメラをしますからねー」
看1「だいぶ、反射がきついようです。」

ぺり「先生、ここはひとつ、鎮静剤をお願いします。」
福原「基本的にしない事にしてるんですよ。」


ぐはっ !Σ( ̄□ ̄|||)


速攻で、切りやがった。切り捨てやがった。


福原「じゃぁ、横になって。」

マウスピースのようなものを口に咥えさせられる。
福原はなにやら、長いホースを持ってきた。

あのー 意外と大きいのねぇ( ̄□ ̄|||)

ぺり「うげ〜〜〜〜」

福原、看1「・・・・」

ここで、一言言っておくが、私はシュノーケルがダメな人だ。
歯医者のレントゲンも吐きそうになる人種だ。

慌てたように、看護婦が増えていく。。。。

看2「手持ちましょうか?」
ぺり「いいです。」

こっちは、君に手を握ってもらっても(押さえつけられても)、嬉しくないんだよー
どうせ、握られるなら、もっと若い子にしてくれ。(T-T)

福原「じゃぁ、今度こそ行きますね。」

ぺり「うげーーーー」

福原「はい。今から喉ですよ」

ぺり「うげ〜〜〜〜〜 げ〜〜〜〜〜」

福原「胃に入りました。ちょっと押しますよ〜」

ぺり「うげ〜〜〜(押すんじゃねー)  
    うげ〜〜〜〜〜 (てめー)
    げぇ〜〜〜〜〜〜〜 (あぁ〜〜)」


精神が崩壊した瞬間だった。


もう、よだれ垂れ流し放題。涙も流し放題である。
哀れな姿だ・・・・
絶対、他人には見られたくない姿であろう。


いつの間にか、看護婦2,看護婦3は、手を押さえ、マウスピースを押さえている。


きっと、ここは現代の医学を拒絶してしまった、鎖国しいる病院なんだ。
現代医学で、こんなに苦しくなるなんてありえないもん。
無茶だもん。



検査が終わり、写真と共に結果を聞かされる。
こんな拷問の後に、何かを言われても反応のしようがない。

ただ、「はい。」の2文字しか出てこないのである。


福原「だいぶ、涙が出てましたね。」
ぺり「・・・(ほっといてくれ)」


これで、涙の出ない奴をの方が、絶対に少ないに違いない。