私たちの日常生活を支える鉄─、 現代の鉄は高炉法という製鉄法で作られます。この鉄はコークスを熱源として2000度以上の高温で作られますが、高い炭素量と多くの不純物を含んでいま す。通常は二次精錬をおこなって不純物を除去しますが、これらを完全に除去することはできません。 　これに対し我が国古来の製鉄法をたたら製鉄と呼びます。たたら製鉄は1500度以下の低温度でおこなう製鉄法で、その熱源には木炭が使用されます。現代の高炉鉄(洋鋼)に対し、たたら製鉄で産み出される鉄をケラと言います。ケラは不純物が極めて少なく、その清浄性は現代の技術を結集しても作り出すことのできないものです。そして熱処理後の研摩面の美しさは他に類がなく、我が国が世界に誇る日本刀等もこの製鉄法なくしてはありえないのです。
	たたら炉 炉内から排出されるノロ
	現代鋼(洋鋼)は、材料として流通する段階で既に完成した性質を有しており、その後の鍛造段階を経ても、特別性質がよくなることはありません。 　一方、たたら炉の内部で生まれたばかりのケラは、これが鉄かと思われるほど見た目が悪く汚らしいものですが、折り返し鍛練等の行程を経ることによってそ の素顔は一変します。ケラはこの行程を経ることによって初めて材料としての価値が生まれるのですが、これを個性を持った作品にまで仕上げるためには、それ なりの鍛冶技術が必要となります。こうしたケラとのつき合い方を私達は古式鍛造と呼んでいます。
	ケ　ラ 鍛造 古式鍛造による刃紋
	たたら製鉄と古式鍛造─。 私たち日本人が1000年という長い歴史の中で培ってきたこれらの技─。しかし、いつしか押し寄せる産業の波に埋没し、今や跡形もなく消え去ろうとしています・・・。
	自らの手で薪を割り、炭を切り、たたらを吹き─、そして灼熱の炎の中から幻のケラ(玉鋼)を生み出してみませんか？古式鍛造法でケラを鍛え上げ、世界に一つしかない自分だけの作品を造ってみませんか？ 　たたら製鉄・古式鍛造工房くろがねでは、この幻の技を基本から段階を追って易しく指導します。体験実習を中心として、初歩の技術から自らの手で作品を造りあげるまで、秘伝の技を伝授します。
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たたら製鐵・古式鍛造工房　くろがね 高知高知県四万十市西土佐口屋内天王山94494 TEL/FAX : 0880-54-1811 E-mail : kurogane@mx8.tiki.ne.jp