「セルフヘルプ(自助)グループとしてのパーキンソン病友の会」


全国パーキンソン病友の会 徳島県支部 打樋茂之


■パーキンソン病って?
1.症状
次の症状が4大症状といわれています。安静時振戦(意識して動作すると消える手の震え)、筋固縮、寡動・無動(動作が非常に遅くなる、動かない)、姿勢保持障害。

2.患者数
日本では人口10万人あたり約100人の患者がいます。

3.年齢・性別による特徴
50歳代後半から60歳代にかけて発症年齢のピークがありますが20歳代から発症する若年性のタイプもあります。性別による発症頻度の差はないとされています。

4.原因
脳の中の黒質という部分の神経細胞が減少し、そこに含まれているドーパミンという脳内物質が減少することが原因と考えられていますが、黒質の細胞がなぜ減るのかはまだよくわかっていません。

5.治療
内科的な治療法としてはL-DOPAやドーパミンアゴニストといわれる製剤を中心とした薬物治療が行われています。他に外科的治療として定位脳手術といわれる方法があります。

6.日常生活
日常生活をできるだけ自力ですることがリハビリになるといわれています。適度な運動やリハビリ、趣味や人との交流など、社会参加も積極的に行い、家でひきこもらないようにしていくことが大切です。転倒などのおそれがある場合は福祉用具の活用や住環境整備なども必要ですが、個別性を重視したキメの細かい検討が必要です。

我が家の在宅療養そして「友の会」発足
患者本人は私の母親です。58歳頃に発症。現在76才。
パーキンソン病(以下PD)と診断され、告知を受けた当初は10年で寝たきりと言われていました。歩行や家事、衣服の着脱、寝返り、食事など、日常生活動作に支障をきたすようになってきたのは8年ほど前からですが、父親の介助で18年を経過した現在も何とか自宅での生活を続けています。

在宅療養の中で一つの転機となったのは、今から5年ほど前。病気の進行と加齢で常時介護者である父親の介護負担が増大してきた時期です。師走の日の早朝、父親が外出中に本人がベッドサイドのポータブルトイレごと転倒し、そのまま3時間半余りの間、起きあがれずにいたことがありました。(我が家もご多聞に漏れず当世ありきたりの核家族・老老介護世帯なのですが、その日の朝は私がたまたま実家に立ち寄ったところだったのです。)

身内だけの在宅療養に限界を感じたのはこのことがきっかけでした。
「この際、本人のQOL向上や常時介護者の負担軽減策も考えていかなければならない。」「率直なところこのままでは私自身にも問題が及んでくる。まずいぞ。」事実、素直にそう思いました。
「同じ地域で共通の問題を抱えている当事者はどんなふうに生活しているのだろう。」「様々な療養生活上の問題をどう克服しているのだろう。」そんな思いから「友の会」の徳島版を思い立ったのでした。また、それまで本人が頑なに拒否しつづけていた「訪問看護」や「デイケア」などの在宅医療福祉サービスの利用を始めました。それまでの閉鎖的な身内だけの介護から「外部エネルギーの注入」による在宅療養への転換は思惑通り功を奏しました。

現在は介護保険制度での要介護認定を受け、週3回のデイケアと週1回のホームヘルプサービスの他、特定疾患治療研究事業による医療費の公費負担制度や身体障害者福祉制度による訪問看護サービスと訪問歯科診療といった公的制度での医療福祉サービスの利用と近隣の友人・知人らとのコミュニティによって支えられながら在宅療養を続けています。

不安といえば、主たる介護者である父親も78才を迎え、不整脈などの健康上の問題も出てきており、これから加齢と介護負担の増大は避けられないので、この先どこまでやっていけるのだろうといったことでしょうか。
本人も家族もできる限り、否、できることなら最期まで住み慣れた自宅での生活を強く希望していますので、何とか実現させてやりたいものですが、これには数多くの課題があります。
本人にも家族にも相当な「覚悟」が必要となるでしょうし、地域での在宅ケアのためのチームアプローチを可能とするマンパワーの育成や体制の整備、コーディネータの存在、レスパイトケアなど。これから多方面の分野の人々との協働で取り組んでいかなければならないと感じています。

■パーキンソン病友の会

徳島県支部は、1998年11月結成。現在の会員数は90名。
当事者である患者とその家族が運営する「セルフヘルプグループ」です。
基本的なスタンスは、自らのQOL向上を自らが果たしていくために。
パーキンソン病を必要以上に怖れず、侮らず、病気について正しい知識を得ること、上手な付き合い方、生活面での工夫などについて多くの人々との交流で学び合うこと、情報や経験を共有すること、視点や考え方を変えてみること、仲間や相談相手・支援者を得ること、そして住み慣れた地域の中でよりよい療養生活の環境を創りながら、パーキンソン病と共に「自分らしく自立していくこと」を目的に活動しています。

☆具体的な活動は・・・
・定例会の開催(毎月1回)
・機関紙(会報)の発行、情報誌の発送
・医療講演会・各種相談会の開催
・医療・福祉・保健・福祉住環境などの専門職やボランティアの方々との相互理解とネットワークづくりの推進
などをメインに行っています。

定例会ではグループワーク形式(参加体験型)を取り入れ、自らの療養生活上の問題点を整理し、可能な限り解決、または改善していく方策を見出すようにしています。

セルフヘルプ(自助)グループって?
難病や心身に障害を持つ人のグループ、身近な人を亡くした人のグループ、吃音の人のグループなど共通の問題を抱え、生きづらさを感じる人たちが自主的・自発的に運営するグループ。
お互いの悩みや体験を分かち合い、知識や情報を共有していくとともに他の当事者の考え方や生き方と接することで自分自身を見つめ直す機会となります。ありのままの自分を受け入れ、自分らしく自立していくことを目指していく場です。

☆専門職の方の支援との違いには主に次のような特徴があります。

・孤独感の緩和(自分だけではない...)
・自己の再発見(いろんな当事者の考え方・生き方を知り、自分を見つめ直す)
・相互援助(自分自身を助けることが他の当事者を助けることになっている)
・精神的な支え合い(共感と理解)
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