スポーツなどで筋肉に急に強い収縮力がはたらいた時、自分の筋力に耐えきれなくなって筋組織が断裂することがあります。この病態を筋断裂といいますが、通称、肉離れと呼ばれています。
大腿屈筋(太ももの裏側の筋肉)、大腿直筋(太ももの前側の筋肉)、大腿内転筋(太ももの内側の筋肉)など大腿部の筋と腓腹筋(ふくらはぎの筋)によく発生します。大腿部の肉離れは、20代前後の若年層に多く発生するのに対し、ふくらはぎの肉離れは、各年齢層にまんべんなく発生します。
筋断裂の程度は、さまざまです。筋断裂の部位に内出血を伴います。
短距離走など瞬発的なランニングの時に、急に強い痛みが生じ、走れなくなります。損傷部に腫れが生じ、痛みのため隣接関節の運動が障害されます。損傷の程度によって、歩行が可能な場合と困難な場合があります。
肉ばなれの特徴は再発が多いことです。治療期間の無理な短縮は再発を招くので、リハビリテーションの期間を十分にとりましょう。
肉ばなれの治療は骨折と違ってギプスを巻いたりしないため、重度のケガではないような感覚をもつかもしれませんが、スポーツマンにとって重傷度の高い傷害ですので注意してください。