エンジンオイルを適切に交換しないと…    ホームに戻る

ワゴンR MH21S エンジンはK6A
平成18年式で走行45,000㎞ 通勤距離が片道3㎞ほど
エンジンオイル交換が滞りぎみで8年過ぎたころ
エンジンオイルの消費が始まり、注意していてもついうっかりしてオイル警告灯が点いて「カタカタ」音がしてしまった。

エンジン内部でどのようなことが起こったのでしょうか?
エンジン外観はきれいですが…ヘッドカバー内部は燃焼生成物で真っ黒に変色していますヘッド上部も茶色で汚れが目立ちます
             
オイルフィルターのオイルも黒い!オイルパン内部にはスラッジが溜まっています オイルストレーナはきれいです

チェーンカバーの外側 チェーンカバー内側も汚れていますチェーン部分も本来は銀色に輝きます
                   
矢印の部分はチェーンが伸び過ぎて調整の限界で当たったために削られていますカバー側の合わさるところにも削れがありそこにオイル通路があります
       
そのオイル通路は可変バルブタイミングを制御する油圧がかかるところ その損傷で可変バルブタイミングが制御できずエンジンチェックランプも点灯していました

カムシャフトを外してシリンダーヘッド部分をチェック急激な摩耗の痕跡はありません燃焼室上部はとても45,000㎞走行とは思えない汚れです

ピストン上部も燃焼生成物がこびりついていますクランクシャフトをシリンダー下部から見ると中央部が黒い?

真ん中のコンロッドを外すと軸受けのベアリングが変形でガタありコンロッドのベアリング右側が異常矢印の部分が傷だらけになっています
オイル切れになったために潤滑不良を起こし軸受けに発生した摩擦熱で内部にベアリングが変形しました クランクシャフトの中央部が黒いのは摩擦熱の跡と思われます
エンジン稼働中の「カタカタ」音はここより発生していたようです
シリンダーブロックを下から見たところ 不具合のあった2番ピストンとコンロッド ピストンリングには燃焼生成物が固まっています

矢印のピストンリングが入る溝にも燃焼生成物が固まっていますこれはすべてのピストンに見られます

オイルポンプ内部には異常は見られません吸排気バルブをはずしたシリンダーヘッド吸気バルブには煤はありましたがガタや変形はありません

排気バルブにも煤はありましたが変形やガタはありません可変バルブタイミングの稼働部分にも異常はありません

ピストンリングが正常に機能して燃焼室にエンジンオイルが入らなければオイル消費は起こりません
吸排気バルブのステムガイド部分の機密に問題がある場合でもオイル消費になる可能性がありますが今回は可能性が低いようです
このまま走行した場合、エンジン焼き付きによる停止かエンジンブロックからコンロッドが飛び出す事態で最悪の場合は車両火災の恐れがあります
決められた時期に決められたオイルの交換で上記の不具合を防ぐことができます