2007年12月。江口は浮かれていました。

〜江口とパネトーネの一日〜

※上の写真は今回の内容に、何ら関係ございません。

 2005年。ローストチキン。
 2006年。クリスマスプディング。
 さあ今年は何をしましょう、と考えるのと同時に、ケーキの予約をしようといろんな所からパンフレットを集めてくる。どっかのスーパーマーケットが、シュトーレンを売り出していた。ほう、シュトーレンとな。なんか目新しくていいじゃん、なのでこれにしようかと候補その1。
 候補が出たところで、これについて詳しく調べる。ってもWikipediaですけどね、江口の場合は。
 そしたら平行して、各国のクリスマスケーキ情報が。
 シュトーレンはドイツのクリスマスケーキですって。
 前回のクリスマスプディングはイギリス。
 で、イタリアはパネットーネですって。

 なんじゃ、これ。

 特に理由もなかったが、目についたので今年はこっちを作ることにしました。シュトーレンはまたそのうち。

 さて、そうと決まれば準備を整えましょう。まずはパネトーネの定義。
 正しくはパネットーネ(panettone)。発音はこの際どうでもいい。ドライフルーツを入れた、日持ちのする甘いパン、であればいいようだ。
 続いてレシピ。これまた、ネットで適当に捜す。辿り着いたのはエンドーレーコのイタリア語マニア。他にもレシピはいろいろあったけど、ここのが一番簡単そうだったのでチョイス。でもいきなり「ちょっと違うものになる」って言われてしまいました。ワオ。

 準備も整え、12月23日深夜。23時に仕事から帰ってきて、今から作ります。いつものことです。発酵を必要とするものであるとかないとか、そんなことはいつだって気にしたことなどございません。

 では材料。
 強力粉300グラム。ドライイースト6グラム。卵4個。バター65グラム。砂糖65グラム。レーズン適宜。
 適宜っていうのは、製菓用レーズン一袋を使うからです。余らせてもしょうがないしな。

 そして作り方。
 「ドライフルーツ以外の材料を全部よく混ぜて練る」。レーコさん、なんておおざっぱな。

 

 全部入れるとこんな感じ。
 江口はいつも発酵が下手なので、イーストは砂糖とぬるま湯少々で予備発酵させておきました。
 作り方は、基本は普通のパンと同じなのですが、すごい砂糖と卵とバター。甘いパンとは言ってますが、はたしてパネトーネとはどんなものなのでしょう。予測がつきません。わくわくします。あと、この卵とバターの多さは、『ドラえもん』の『ムードもりあげ楽団』の回でママが作る、「卵とバターをたっぷり使ったのよ」という手作りケーキを思い出して、作る前からなんとも幸せな気分だ。
 レシピの指示通り、よく混ぜて練る。

 

 ねちねちねちねち。
 ちなみに江口は、パン生地を練るときは床でやります。全体重かけてやるからな、流し台では力が入らない。
 なるほど、卵が多いから、黄色いですね。バターが多いから、手がベタベタします。しかし強力粉を練ると、最初はべたべたしてますが、次第にひとまとまりに‥‥。

 

 ねちねちねちねちねちょー。

 あれーー? 
 全然ひとまとまりになりませんーー。
 イースト予備発酵のぬるま湯が、過剰な水分になってしまったのか? そんなに大量の水じゃなかったはずなんだけどなあ。
 ともあれ、まとまってくれないと練りようがありません。ここはタブーですが、粉を追加します。

 ‥‥‥‥こりゃ水分関係ないな、バターの多さだな。
 なのでまとまらないのは諦めた。もっと思い切って水分量を減らしてやれば、もうちょっと上手くいくかもしれない。そうね、予め卵を溶きほぐしておいて、それを少しずつ加えていくとうまくいく、と思う。
 と、偉そうに言っているが、これはパン作りの基本の手法だ。

 ともあれ、まとまりました‥‥?

 

 細かいことは気にするな。
 そして乾燥防止にラップなどをして、1〜3時間ほど発酵させます。冬場は寒くて発酵させづらいけれど、しかし同時に強い味方もいるのです。

 

 こたつ。
 誰か入っているけど、ここはおいしいパネトーネのために場所を空けてもらいましょう。

 では1次発酵開始ー。

 

 ※※※1時間後※※※

 うまく発酵ができると、生地は倍ぐらいの大きさになります。たいてい、ボウルにみちみちぐらいになります。
 発酵できたかなー?

 

 ‥‥あれ?

 はい、もう一度、発酵前の画像。

 

 発酵後。

 

 これまで何度か、パンを焼き続けてきた江口が経験から申します。

 1次発酵で膨らまなかったパンは、失敗します!

 はい、失敗フラグ立ちました!

 しかしここまで作ってしまっては、もう引き下がれません。もうちょっと発酵時間をかけてもいいんだけど、そうすると今度は発酵が進みすぎて酸っぱくなる。これはこれで別の失敗になるので、諦めましょう。
 焼くために、型に移しましょう。

 1次発酵の終わったパン生地は、キメが細かくなっているので、手でちぎってはいけません。包丁などで型の数だけ切り分けないと、生地が荒れてしまいます。
 生地がべとべと過ぎて、包丁が入りません。切った生地が全部包丁にくっついてきます。

 なので、ええ、ちぎりましたよ。ちぎってねとねと練り直して型につめましたよ。さっきからパン焼きのタブーを犯しまくり。

 ともあれ、カップケーキの型8個に分けて、30分ほどの2次発酵、そしてあとはオーブンにお任せ。
 170度で、今回は25分焼いてみました。

 

 ※※※25分経過※※※

 

 きれいに焼けましたー☆

 最終的には、加熱による発酵のとどめがあるので、それなりには膨らみます。
 けれど、甘く見てはいけません。見た目は膨らんでいても、中身はがちがちなのです。

 みっちり重い、保存食のようなパネトーネの完成です。
 近いうちに、ゆずピールでリベンジしようと思います。その時はまた改めて御報告。

 

 

 

 そしてこれがクリスマスの食卓。
 鶏もも肉のソテーに、きのこのシチュー、えびピラフ、スパークリングワイン、ハ○ダのクリスマスケーキ。
 パネトーネは並んでいません。明日のおやつ。

 予告。
 来年はミンスミートケーキ(※)。

(※)ルピシアで売っていた、刻み肉入りケーキ。ただ『ミンスミート』もこれまた定義がいろいろで困惑している自分がいます。

 

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