2015年12月。江口は気の長い計画を実行しました。

〜江口とポップオーバーの一日〜


若草物語(1949年) 400円。

 はい、今年もやって参りました、年に一度の人気企画。人気企画と思ってるのは江口だけさあ! はいはい、クリスマスの食卓を彩ろうと思っていろいろ検索をかけているお嬢様方、すんませんね、こんなサイトで。

 というわけで、今年はポップオーバーです。
 なぜポップオーバーかというと、2015年の今年1月(2014年の12月かもしれん。てきとう)、テレビをぼんやり見ていたら、スイーツ真壁(真壁刀義)が「2015年はコレが流行する」的な発言をしつつ、紹介してたのな。
 ポップオーバー、江口知ってる。手元にございます、『シネマ厨房の鍵貸します』の2巻に収録されてたのを覚えてる。この本もなあ、昔にツタヤで見つけて、見つけたその場では買わずに翌日になって財布を握りしめて2冊まとめ買いして、姉に「またそんなモン買って」と鼻で笑われた、そんな思い出。こういうのはあくまで映画を楽しむ彩りとしての本であって、本当にこの中に掲載されているレシピを作ろうと思っちゃイケナイ、イケナイのだが、2冊分もレシピがあって1ッ個も何も作れないというのも、それはそれでサミシイ。そうかー、ポップオーバーに注目されましたかー。
 よっしゃ、じゃあ年末に確かめさせてもらおうやないけー。
 というわけで、ポップオーバーに決めまして、さあ改めてレシピを確認しようとしたら。

 おいおい、映画『若草物語』の中でコレが登場する場面って、まさにクリスマスなんですってよ。

 じゃあ江口は堂々と胸を張って、これをクリスマス企画として実行することが出来るワケなのですね!!
 毎度のことながら、誰にイイワケしてんだよ江口は。

 さて、そうなると肝心の『若草物語』の方を見なくてはなりません。なので買いました。400円でした。
 1949年の作品です。エリザベス・テイラーが子役です。昔の映画って、邦画もそうなんだけど、舞台演劇を見ているみたいで「これぞエンターテイメント!」な主張があって好き。ちゅーわけで、本物のポップオーバーも見ました。字幕では「ケーキ」って言ってますが、これがポップオーバーらしいです。「真っ黒いカップケーキ」とは一緒に見ていた夫の感想。

 唐突ですが、余談をいたします。
 今年の候補のひとつに、ヘクセンハオスもありました。ヘクセンハウス。ヘンゼルとグレーテルに出てくる、お菓子の家ですね。
 なんでか、ってーと、同じく2014年クリスマス企画終了直後に、テレビで紹介されまして。
 そのテレビが、NHKの『視点・論点』。まー、10分番組ですわ、存在すら知らなかった、知っていたとしても気が付きゃ放送が終わっていそうな、そんな番組。ほんとーにたまたまチャンネルを合わせて、やってた特集がクリスマス菓子だった。
 それも、吉田菊次郎先生によるものさあ!
 この時期、吉田先生の存在は知っていても著作をさあ買おうかどうしようか迷ってた時期で。こんな運命的な出会いをしちゃったら、膨大な著作に手を出さなきゃダメでしょうよ! とりあえず、この後2冊買った。
 と、番組をみた事と、それからしばらく後に、子らのために買った絵本『おいしいあいうえお』の中にヘクセンハウスが登場したので、隙あらば絵本にでてくる食べ物を再現して子らに見せつけてやりたいと常々企んでる江口としては、気にかけないわけにはいくまい。
 しかしまあ、なんだかんだ言ってこんな、設計からキッチリして装飾までせないかんモノを江口が手ェ出すわけないんだけどね。
 もっとも、無印良品に、既に土台は作ってあって後は組み立てるだけ、というキットが毎年販売されているのだが。うーん、でもコレで済ませちゃったら負けだろうよ、やっぱり作るなら、イチから作らんなきゃなー。
 と言ったら、夫の返事。「家を造るのに、木材から削り出す大工がどこにいる?」。ロコポロ(原田宗典的目から鱗)。

 はい、ヘクセンハウスはもう作らないよ宣言が終わりました。本題に戻って、いよいよポップオーバーを作りましょうー。

 まずはレシピ。先ほども登場しました、『シネマ厨房−』からの引用。

(マフィン型 10〜12個分)
 卵 3個
 牛乳 300cc
 無塩バター(溶かす) 大さじ2
 薄力粉 160g
 塩 小さじ1/4
 型に塗る無塩バター 適量
 
‥‥‥‥なんか水分多くね? 粉の3倍ぐらいの液体じゃね? あと、砂糖要らんのん?
 まあいいや、作り方見よう。
  1. 卵を白っぽいムース状になるまで泡立てる
  2. 別のボウルに粉・牛乳・溶かしバターを合わせて混ぜる
  3. (1)に(2)を加えて、さらに混ぜる
  4. 型に入れて、230℃のオーブンで20分、焼き色が付いたら170℃に下げてさらに15分焼く。

 ‥‥‥‥成功する気がしねえ。
 とくに(2)ですわ。 え? これって、最初に粉を水分で溶いておくのん? お好み焼きの生地みたいになるよね? そこにさらに卵を混ぜるのん? 大丈夫? ねえ、本当に大丈夫?

 とりあえず、やってみます。

(1)卵を泡立てる。
はいはい、こんなもんね。
(2)粉と水分を。
‥‥‥‥なんか思ってたとおり。
もう悪い結末しか見えない。
(3) (2)のなかに(1)を入れたら、もう粉っ気皆無の、ばしゃばしゃな卵液に。
この時点で企画を完全に放棄した。
(4)とりあえず焼いた。
これ知ってる、焼プリンだ。

 

    続きは次の更新まで待て。


 ‥‥ボンジュール。世間では春ですよ。
 ただいまの日付、2016年3月30日。
 前回の、

予告

見事に失敗
リベンジに燃える
果たして年内にできるか? 年内にはできんかった!
 
失敗画像

 この状況からどうして今まで放置していたかというと、リベンジする気満々だったから。
 コレを作ってから後に、別サイトで『失敗しないポップオーバー』的なレシピを見つけて、いろいろ改善点を考えまして。
 やっぱり水分多すぎる。あと、シュー生地みたいに蒸気で膨らませる気で焼かないとダメみたい。最初からオーブン温めて、その後も高温維持をして。
 そして、粉を篩ったり捏ねないようにしたりとかの、繊細な手順はあんまりいらないっぽい。よく考えたらそうだよな、『若草物語』で女中が朝ごはんに作っちゃうぐらいだもん、きっと手元にある材料を目分量で揃えたぐらいで出来ちゃうモノなんだろうな。

 はい、ここで改めて宣言します。

 リベンジしません!

 なぜなら、次の企画が迫ってるからです。

 次の企画とは‥‥。

 『モティチュールラドゥ』!

 何ぞそれは?

 次の記事をご覧下さい!! この項おわり!!!

 

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