お待たせしました、ビスコーチョ・ボラーチョ編です。

〜江口とトライフルの一日、ならびにビスコーチョ・ボラーチョの一日〜


あなたのおうちに、コルク栓抜きはありますか?

 今日は12月25日。ギリギリ間に合いましたね。ファイルの公開は日付変わって26日になってますが。
 先々週から、子らが立て続けに熱を出して、ビスボチョ(略すなよ)どころじゃなかった。やっと時間がとれたので、さあやりますよビスボチョ(略してるが、入力しづらい文字列だな)。

 ではいよいよ、謎の菓子、ビスコーチョ・ボラーチョです。


 マグロンヌ(『お菓子の歴史』著者)によれば、
 シナモン風味のスポンジに、分量の半分にマラガ酒を用いたカラメルシロップを染みこませた菓子(ホイップクリームでデコレーションするのは邪道)
 だそうです。
 これだけ聞くと、シンプルな菓子ですな。

 シナモン風味のスポンジは、いつも焼くスポンジに、小さじ1杯程度のシナモンでも加えりゃいいでしょう。
 よく分からないのは、分量の半分がマラガ酒のカラメルシロップの方ですな。どうやって作れ、っちゅうねん。

 ネットでざっと調べて見つけた、カラメルシロップの作り方。ちなみに、プリンにかかっているのはカラメルソースであり、シロップとは別物と判断。スポンジに浸すからには、もっと水気の多く残るレシピじゃないとな。

 水100ccに砂糖100gを溶かして煮詰め、カラメル色になったところで熱湯100ccを注ぐ。

 よっしゃ、コレの熱湯100ccをマラガ酒に変えちゃえ。

 というわけで、まずはマラガ酒の用意からですー。

 ‥‥‥‥売ってないし!!

 そもそも近所に、そんな本格的な酒屋も無くてさ、スーパーマーケットを覗くしかできないんだけど。けど、それも時間の無さで、数件しか見られなかった。
 そりゃね、Amazonあたりで買うのは可能だ。けど送料かかるの、600円ぐらい。さすがにこんなお遊びで、そこまで経費をかけるわけにはいかず。

 ‥‥‥‥。
 ‥‥‥‥。
 ‥‥‥‥。

 ‥‥‥‥あのね、白状します。

 江口、なにを勘違いしたのか、ここのファイルを作成する瞬間まで、マラガ酒とマデラ酒を間違ってた。
 一生懸命に酒屋で、マデラ酒を捜してた。ま、マラガ酒も売ってはなかったんだけど。

 なので、

 

 「マデラが無かったからエデラを買ってきた」というボケが死にました。

 マデラが見つからなくて、代わりにコレを店頭で見つけた時さ、ああいいネタ拾えたよと思ったんだよ。甘口のワインだったら何でもいいんだろ、980円だったしさ、スペインのワインだからいいじゃん、と代用決定。ボケ死にはもう気にするな。

 さて、無事に材料が揃い、シナモンスポンジも焼き、次はカラメルシロップを作りましょう、と思ったら。

 今度はコルク抜きが無いじゃんよ!!!

 いや、無いとは思ってなかった。少なくとも、独り暮らし時代に、バンザイタイプのコルク抜きを持ってた。それが無くても、家にひとつふたつある王冠栓抜きに、コルク抜きも付いてるだろうと。
 無いな。
 ちくしょう、明日にでも100円ショップにいってやれ、とふてくされていたら、タイミング良く外出中の夫から電話。「何か、買い物の用事ある?」なんてステキなタイミング。

 というわけで、何とか当日中にコルク抜きも届いたのですが。

 100均のあほーーーーーーー!!!!

 よくビスボチョ作りを挫折しなかったな、江口。

 いろんなことを諦めて、コルク栓は中に押し込み、コルクかすを漉しながらワインを注ぎましてん。
 一応、カラメルシロップの作り方。江口が推測したレシピなので、これが正しいビスボチョ用シロップかどうかは責任持ちません。

おまけ:カラメルシロップのレシピ
砂糖100gと水100ccを火にかけ、煮詰める(※混ぜながら煮ると砂糖が結晶化します)。
別の鍋で、マラガ酒(笑)100ccを沸かしてアルコールを飛ばす。ワインは熱いままにする。
砂糖鍋の淵に焦げ目が付き始めたら、沸騰ワインを少しずつ入れて、できあがり。

      

 こんなカンジですわ。

 あとはこれを、テキトーに切って器に入れたシナモンスポンジに染みこませればできあがり。デコレーションするのは邪道らしいからな、実際はたいした問題じゃないのだが。

 

 ‥‥‥‥汚ッ!

 すんません、勿体ないからとスポンジの切れっ端も放り込んだら、トンデモナイことになりました。
 シナモンが入って茶色になったスポンジに、赤黒いシロップ。
 冷蔵庫を開けた夫が、「味噌か?」と言いました。

 正直、この時点で、最初ッから作り直しをしたくなったのですが、ここんところの卵価格の高騰がしんどい。スポンジって、卵3つ一気に消費するのな。しんどいしんどい。

 

 とりあえず、盛りつけてみた。いろいろ誤魔化されたカンジがします。誤魔化されて下さい。

 そして肝心の味ですが。

 ‥‥甘ーー。
 そりゃそうだわな、あの大量の砂糖。
 むしろスポンジとは、あの砂糖水を食するための媒体として用意されたのではないか。んもう、スポンジいらないから、砂糖水啜ってろよ。

 えっとね、おいしいのはおいしいよ。ただ、一昔前の洋菓子ってカンジがする。田舎の洋菓子屋で売ってるブランデーケーキね。すんごい日持ちのしそうなお土産菓子にありそう。
 昔からある伝統菓子だからな、どうしたってレシピは単調だろうし、今の日本みたいに「甘さ控えめ」「素材の味を大事に」なんてことにはならないんだ。
 だからたぶん、日本で売り出すとしたら、洋酒風味のしっとりバターケーキに、カラメルソースとシナモンをかけた、そんなオシャレ菓子になるんじゃないだろうか。もしくはティラミスのように、このビスボチョはあくまで土台で、その上にクリームを盛ったカップデザート系。

 ま、これが正しいビスボチョかどうかは分からないんですけどね。

    

 息子ちゃんにも食べて頂く。
 おいしいですか、江口風ビスコーチョ・ボラーチョ。

 さて、来年は何にしようかな。
 そろそろ、シュトーレンですか、って、これも何年言ってるんだか。



   

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