2006年7月1日(土)〜7月15日(土)までのごはん。

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7月15日(

 こないだ銀行で待っている間に週刊誌を見て、それ以降ずっと頭に残っている。フォークダンスDE成子坂。
 江口にとって成子坂は、『タモリのボキャブラ天国』、それだけ。どんな顔だったか、そしてどんな芸風だったか、どんなボキャネタをしていたか、今となってはまったく思い出せない。思い出せないのに、こんなに成子坂のことを考えている。今、日本で一番成子坂について思いを巡らせている人間と言っても過言じゃないかもしれない。
 しかし今の世の中、『成子坂』と言って何人の人間に通じるか。
 江口はただ、「そーいえば昔、いたよね」と言って「ああ、そう! 懐かしー」と同じ温度で笑い返して貰えればそれでいいんだ。なのに江口の周りにいる人間は、たぶん誰も分かってくれない。分かってくれないけど、成子坂という単語はいつまでも江口の頭にこびりついている。どこかで消化させてしまわなければ、腹の奥で腐ってしまう。
 なのでここは、20年間同じ屋根の下で暮らした姉を信じてメールしてみる。
−−−−−−−−−−
 件名:思い出したこと
 本文:フォークダンスDE成子坂
−−−−−−−−−−
 即座に返事が来る。「ネタ返そうと思ったが、同じ意味を醸すネタが思いつかない。くやしい」と。
 江口の送った一言だけのメールで全てを察した姉に感謝します。なんだかんだ言って最後に勝つのは血なんだと思わされました。

7月14日(金)

 唐揚げが茶色になるのは、肉を醤油に浸けていたからだと今日になってやっと気が付いた。そうだったのか。
 さて、おまえはカゴメの回し者かと言われるかもしれないが。
 旬シリーズ夏しぼりが予約受付開始だよう。
 以前から江口は、まるごと大豆(大豆飲料。豆乳ではない)を愛飲しており、毎月の定期便にまでしている。定期便にしたことで、自動的に友の会とかなんとかに入会、時々DMが送られてくるのだけれど。今月の案内は、夏しぼり・トマトジュースの案内。
 欲しい。
 えっとね、単品だとたしか190g×30本で\4,725。高い。そのへんのトマトジュースの倍はする。でもさ、おいしそうなの。飲みたいの。DMの広告もイヤラシくってさぁ。みずみずしい真っ赤なトマトがわさわさ成っている写真と、それがどんなに美味しいかをアピールする紹介文が載っているの。ごめん、広告としてあたりまえのことなんだけどね。ともあれ、その広告にノセられそうになっている江口。
 欲しいなあ。

7月13日(木)

 結果が出たので言ってしまうが、実はこないだの『すてきページ』7周年記念の一環として、『出版社に原稿を持ち込む』というのをやってみた。
 よく『あなたの原稿お送り下さい』などと新聞に広告を出している、そこに。持ち込むと言っても実際は郵送。7年分の『きょうのごはん』を全部プリントアウトすると膨大な量になるので、とりあえず一部だけを。で、結果は「共同出版プランをおすすめ」と200万円要求された。まあ判定は予想通りであったが。
 なにより驚いたのが、その出版社の返答が立派な企画書と資料一覧と、あまつさえサンプル本までもがセットになって戻ってきたことだった。
 なに、この経費のかかった資料一式。
 はっきり言って江口は、冷やかし客みたいなものである。返事ったってペラ紙と出版費用見積もりが数枚、茶封筒で送られてくる程度だと思っていた。それが、これ。申し訳ない気持でいっぱいだ。
 あと、編集者という人種の褒め上手さにも驚いた。よくもまあ、これだけ人を褒められるものだ。けなす発言が一箇所も無かった。なんていうか、プロの技を見た気分。いろいろごめんなさい。 

7月12日(水)

 ゆうべ寝付けなくて、ネットを徘徊する。『自分の値段鑑定』やら『恋愛偏差値』やらのサイトを見つけたので遊んでみる。幾つかの心理テストに答えながら進む。それらの問題のひとつ。『バイト代やお小遣いの使い道はなんですか?』。‥‥。えっとね、ごめんね、こんなおばちゃんがテストしちゃって。
 今日は久しぶりにボンカレーを食べました。
 ボンカレーと言えば、レトルトカレーの元祖。元祖故にいちばん安っぽい。後続のレトルトカレーは、有名店の味を再現していたり具が大きかったり、と高級志向に進み、とうぜん美味しかった。江口も大人になり、レトルトカレーを食べる際はそっちの、いかにも美味しそうなのを選んで買っていた。100円もしないボンにそんな期待は持てず、そもそもレトルトを買うことも無くなり、江口はボンカレーと無縁の世界で生きていた。
 つい先日。ボンカレーおいしさ実感キャンペーンなるものの存在を知る。カレー皿が当たる。こりゃほしい。なのでパッケージのバーコードを求めるために、さっそく2箱購入。買った以上は食べる。食べました。
 ボン、普通に美味いな。
 安っぽい味にがっかりしようと、あえて昔ながらのやつ(新製品クラシックじゃなくて、箱に3重丸のある、あっち)を買ったのに。普通に美味しい。具も大きい。
 江口の中で昭和が終わった。

7月11日(火)

 本日の江口の出現場所は、丸亀市の『丸亀・天照の癒(ゆ)』。岩盤浴ができるお店です。
 事の発端はうちの店に来ていたアルバイトのMちゃん。「いいですよー」と紹介され、別のバイトちゃんにも「次の日の化粧のノリが全然違います」と後押しされたので、ものは試しと行ってみました。
 浴衣、タオル、飲み物(日本山人参茶。冷たいと感じないが、ぬるくなるとクセのある匂いに気付く)全て込みで1時間コース¥1000。手ぶらで来てとあったので遠慮無く手ぶらで行く。初めてと言うとガイドもしてもらえた。説明を受け、茶を飲み、さあスタート。
 30分でダウン。はじめてだからな。のぼせた。
 感想としては、確かに汗をたっぷりかいて、しかし湯(?)上がりはさっぱりして、施設そのもののサービスも良くて満足ではあった。何より良かったのが、中が私語厳禁で、客の大半が女性にも関わらず静かだったこと。難は1時間も何もせず寝っ転がるのが苦痛だということ。本を持ち込んでいる人もいたけどね。

7月10日(月)

 友人といっしょに、高松のゆめタウンへ行きました。月末の給料日からそんなに日も経っておらず、いい感じに懐が温もっています。
 はい、衝動買いをしてしまいました。
 友人は紅茶専門店ルピシアで夏摘みダージリンを。
 江口はおもちゃのペリカンで笑点花札を。1575円。
 麻雀(圓楽)・競馬(馬圓楽+小遊三)・泥棒顔(小遊三)・腹黒(楽太郎)でオリジナル役『三遊亭一門』で60点。そんな花札でした。

7月9日(

 江口が巡回路にしている知人(19歳)サイトの掲示板で、常連さんの「自分もサイトをオープンしました」という書き込みがあったので覗きに行く。管理者のプロフィールがあった。
 1990年生まれ。職業・学生。
 えっ、ちょっと待って。何歳? 今年が2006年だから、えーと、16歳?
 えええっ、90年生まれって、もう16歳なの??
 違う違う、江口が驚いているのはそこじゃない。あのね、江口が75年生まれ。75年から90年って、すっごい年月が経過している感覚が。年号ひとつ違うというか。
 そんなに歳が離れている子が、もう16歳??
 なんていうか、この時のショックをうまく伝えられなくてもどかしいのだけれど、自分の実生活上で16歳の子と接する感覚と、正しい数字を見せられたときの感覚が思った以上に大きくずれていたのに驚いている。
 あと、90ひく75の引き算がとっさに出来なかった自分にも焦った。動揺してたんだな。答えは15。うわぁ。

7月8日(

 ご近所フレンドのMくんは仕事柄、よくお中元・お歳暮をもらう。コーヒー詰め合わせなどをもらうと、Mくんはコーヒー嫌いなのでまるごと譲られたりする。ビールなんかもくれる。でもハム詰め合わせの時はくれない。なぜならMくん、ハム大好きだから。
 そして先日もらったお中元、なんか高価な生ハムセットだったらしい。実際、ものすごく美味しいらしい。
 いいなあ、江口だって食べたいなあと思ってねだってみる。
 「まあ、機会があればな」、とMくん。
 「機会があったら、見せてあげる」。食べさせてはくれんのか!!

7月7日(金)

 今日は小ネタ。
 厚揚げを見つけました。売り場にあるの全部買い占めて、大量に炊く。ああ、こんな人間が居るから、世間から厚揚げが無くなるんだろうな。 
 今日は七夕。そうめんを食べようと思ったら、昨日、一昨日と食べていた。しまった。
 一時期の江口は、時々夜に来る愛人のために、冷凍庫に常にご飯を一膳分は入れておくようにしていた。最近の冷凍庫。常に魚のハラワタが入っている。夏場は生ゴミが腐るからな。
 うちの店の常連客、Sちゃん(乙女)。『地獄少女』と『ZOMBIE-LOAN』の限定版を予約する。パートのおばちゃん達に「ホラー好き」の烙印を押されていた。なんて誤解を。
 人間ドックの結果、ようやく到着。オールA、一安心。それなのに「もしかして査定が面倒で、全部テキトーに書いてんじゃないか」と不安になる。中学校時、通知票の生活面、事前に自己評価をさせられたその時にオールAにしたら先生の評価もオールAで、やっぱり同じ感想を抱いた。なぜ人を信用しないか。
 今日はここまで。

7月6日(木)

 水筒はどうやって洗えばいいんだろう。専用の、細いタワシとか必要になってくるのかやっぱり。わざわざ買うのも悔しいので江口は、卵の殻を砕いたのと酢を水筒の中に入れ、それをシェイクして洗うという方法を採用している。という話を友人にしたら「あんたは婆さんか」と言われた。
 友人いわく、江口は「古い」そうな。「おばあちゃんの知恵袋」とはまた違う、「古風な女」ともまた違う、よく分からないが「『あんたはいったいいつの生まれだ』と言いたくなる」らしい。冬に大根干してる時に言われた。ゴミ箱を酢で拭いていた時に言われた。廃油を古新聞を詰めた牛乳パックに入れて捨ててた時も言われた。五木の子守歌を口ずさんでいた時にも言われた。都々逸をそらんじていた時にも言われたな、そういえば。
 おなじ友人に「よく分からない知識を持っている」とも称されたのも思い出した。知識は荷物になりません、あなたを守る懐刀、ってね(書いてていうのもなんだが、これって何のフレーズだったか)。

7月5日(水)

 どうして世間には厚揚げがないのですか。
 厚揚げを炊いたのが食べたかったの。そぼろとか一緒に入れて。ちょっと甘辛くして。食べたかったの。食べたかったのにー。どうして売ってない、厚揚げー。昨日も売ってなかった、一昨日も売ってなかった。がんもどきやおかず厚揚げ(中に野菜やらいっぱい入ってるの)ならあったが、そうじゃないの。普通の厚揚げ、中が白いの。食べたかったのにー。
 いっそのこと作ってやろうかと考えたが、作り方は知らない。実はチャレンジしたことある、つい先週。
 あれって、豆腐を水切りして、ただ揚げればいいだけのはずなんだけどね。でもその時に出来上がったものは油揚げ。薄すぎたか。
 次に買い物に行くときももう一度捜してみよう。江口の厚揚げ捜しの旅、続く。

7月4日(火)

 夜遊びをしたりあれやこれやで、一昨日、昨日と日記の更新をしませんでした。こういう時、休んだ直前の日記というのが気になる。読みようによっては遺書にみえなくもない日記が残っていたりする場合が多々ある。1日の日記がなんとなくそう。自意識過剰と言われればそれまでですが。
 自意識過剰ついでに言わせて貰うと、江口は自他共に認めるナルシストである。自分大好き。朝から晩まで自分のことしか考えていません。物事の判断基準は自分が快か不快か、というだけです。
 なので、もし自分の人生の幕を閉じる瞬間、その時を演出する時間があるのだとしたら。
 そりゃあもう飾るね。そんな一世一代の大舞台、中途半端なことしてたまるかってんだ。
 というわけで、事故とかで死にたくないです。よりよい最期を迎えるためにも、毎日が平穏にすごせればよいと思っております。 

7月3日(月)

 知人が引っ越しをしまして、その新居を拝見。いまどきの家は全ての部屋にエアコンをつけるのか。そりゃね、江口は昔から、続き二間の家にしか住んだことがなくってね。エアコンは1台、間の襖を外して両方の部屋を冷やす、という使い方しかしたことがない。これが現代建築か。あと、全ての部屋にテレビ端子があるらしい。1人1台がアタリマエなんですか。
 しかし、現在の江口のアパートは人が入りません。
 どういうわけか、幾つか棟があるなか、江口のいる棟だけはいつも空き室があります。なぜでしょう、もしかして家賃が違うのか。
 階下の部屋は、法人契約で、どうやら他人同士の共同生活をしているようだ。時々、真夜中に男性が外へ出てケータイで話をしているのに遭遇する。江口の仕事帰り(深夜)にそんな状況に出くわすと、たいへん心臓に悪い。気持ちは悪いが、そうやって同居人に気を遣っているところを見ると彼らは良識のある善良な一市民であろう。寧ろ不規則な時間で出入りしていたり、夜遅くまで起きていたりする江口の方がよっぽど「得体のしれない住人」だと思われているに違いない。
 大丈夫、江口も良識ある善良な一市民ですよ。だからこの棟に入居しても大丈夫ですよー。
 いない方が気楽だけどね。

7月2日(

 ビアガーデンー。
 人生で初めてのビアガーデン。いや、同じホテルで開催しているビアガーデンに行ったことは過去に2回あるのだが、そのどちらも雨で室内ホールになってしまった。今度こそ、正真正銘の外ビアガーデン、ビア屋上。初めは江口ママンだけを誘ったのだが、姉が羨ましがり、姉ファミリーも合同となった。ひとり\3,500。まあ安くはないわな。ちなみに前売りだと\3,200だったらしい。
 まあ感想。広すぎて料理コーナーが遠かった。あと、種類が少ない、というか追加がなくて冷めたものばかりだった。日曜日の夜、というのがアウトだったのかもしれない。
 久しぶりに飲むぞー、と張り切っていったのだが、どうしたのだろう、そんなに飲めなかった。というか、最近量が減ってきた気がする。どうしたのだろう、そろそろ落ち着けという、体からのサインだろうか。

7月1日(

 御報告。朝みたら死んでました、金魚。
 という書き出しから繋げる話でもないと思うのだが、今日の江口。車を走らせながら、ふと「今の自分はとても幸福である」と再認識していた。
 何かあったわけではないのだが、というか何もなかったからなんだが、今の江口は毎日の衣食住に事欠かず、健康体で、悩み事もない。これはとても幸運で幸福なことである。日本という国に生まれたことに不満はないし日本は好きだ。今の自分の身の回りの環境は、とてもいいと思う。
 そりゃもちろん、もっと良い環境という場所もあろう、もっとすごい幸福というものもあろう。でも今のこれが、江口の身の丈にあった幸せ。江口はどうしたって器の小さい人間だから、世界平和とか大それた事は手が出ません。6畳二間の、この範囲が精一杯。朝から晩まで自分のことだけ考えて、考えることが許されて、そしてその結果が現在の状態。その状態はさっきも言ったが五体満足。
 ありがとうありがとう。身の丈に合ったラッキーとハッピーにありがとう。そう感謝しながら車を走らせ続けていたら。
 道路に落ちてたカラスの死骸に乗り上げた。
 身の丈の不幸。

 


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