2022年3月のごはん。 3月 その8 職場が相変わらずワンオペです。そのワンオペで、2月末が総決算でした。わし、一人放置されて初めての総決算。いやさ、やることは半年前のと同じなんだけど、プレッシャーがすごい。てゆうか、ついに完全ワンオペで一年が経過してしまった。この体制でやっていける既成事実を確立させてしもた。一番の難物である総決算をクリアしてしもた。 正直なハナシ、わしは今の勤務態勢がほんまに気楽でやりやすいんやけど、わしと同じ事務課の、別部門でやってる仕事が端から見てもあっぷあっぷで。そっちもワンオペ、日常業務の基本的なことはわしも他の人も応援に入れるんだけど、こういった決算みたいな特殊業務はその人でしか分からん。年イチの仕事なんて説明のしようがないし、実際に何回か一緒にやってみないと仕事の覚えようがないのに、しかもそこの担当者もう2〜3年したら定年なのに。どうすんやろ、と思ったところで、たぶん店長はその2〜3年後にはもううちの店にいないから、そんなに悲壮感持ってない。 ま、偉い人がどうにかするやろ。 3月 その7 奥薗壽子信者になりました。 奥薗壽子(おくぞの・としこ)。料理研究家。YouTubeにもチャンネルがある。 なんか晩ごはんのレシピでもないかなー、と探していたときに、けっこうな率で検索にかかるので、ちょこちょこ動画を見ておりました。その中で、鶏胸肉を下ごしらえした状態で保存しておくテクニックを知り、これがもう便利で便利で活用しておりました。ここだけでもう、半分信者になったようなもんですが。 プリンを作るときに。 鍋でカラメルソースを作ります〜で、この、鍋にこびりついた絡めるがもったいないんで、この中に牛乳を入れてカラメルを溶かします〜ってやったときに、「好き‥‥!」って思った。「プリンって、カラメルの味で食べるんやから、牛乳の中にカラメル味が入ってもなんの問題もない」って。そうよね、うん、そうよね。 そうだよ、オシャレレシピ動画の、「その切れっ端どうするんだ」「どんだけラップ使うんだ」「んなことやってられっか」のストレスから解放された。んもう、トシコに首っ丈。トシコが言うなら、春菊のサラダも作ってみようかとも思ってる(春菊キライ)。わっさわっさ食べられるというなら、トシコを信じてみる。 でもこないだ作った、高野豆腐のグラタンは、おいしかったけどなんというか、虚無の味がした。おいしかったのは事実なんだけど、なんだろう‥‥わしはいったい、何を食べているんだろう‥‥という、なんか、時間軸がずれた世界に入り込んだかのような。何言ってるか分かんないって思ったら、実際作って食べてみて。 3月 その6 精霊の守り人はなし、つづき。 というわけで、精霊の守り人がおもろいようというはなし。そして、なにがそんなにおもろいのかということを考える。 まず、内容が『ど』スタンダード。 主人公・腕っこきの女用心棒。偶然出会った皇太子の命を助けた、皇太子が実は魔物にとりつかれてるから体裁のために父王から命を狙われていると聞かされ、流れで主人公が護ることになったけど実は皇太子にとりついてるのは水の精霊で、それを護りきらなければ干ばつで国が滅びるとなったから、皇太子も逃亡中に心が成長しーの、精霊を狙う魔物から皇太子を護るべく父王の追っ手とも共闘になりーの、ローマの休日よろしく別れがありーの、全部綺麗に丸く片付いてハッピーエンド、と。 かー、なんですか、この、近所の定食屋の定食みたいな盛り方。しかも野菜たっぷりでおかずもボリュームがあって添えてある香の物がうまい、そんなカンジ。そしてシリーズいままだ3冊目だけど、どの日替わり定食も安定の味。メインが肉でも魚でも、このぬくいみそ汁とご飯でホッとするわー。そんな気分。ええんかいな、こんな感想で。 ただひとつ残念なことがあって。 あまりにも地に足のついた、誠実なファンタジーなんで、中二が芽生えない。火花飛び散るド派手な魔法も、太刀筋に電光走る大剣もなく、精霊と交わるにも四字熟語は発しない。主人公は世界の命運は握っていないし、世界のために戦わない。 ド正統だぁー。コレを読んでるのは中二じゃなくて中学二年生だぁー。 3月 その5 『精霊の守り人』(上橋菜穂子/新潮文庫)にハマりました。めっちゃおもろいよう。いま、シリーズ3冊目まで一気に読んでるよう。 職場の人が、「江口(仮名)さん、『精霊の守り人』って知ってる?」って声をかけてきて「いや、タイトルは知ってるけど、読んだことはない」って答えたら、「江口さんは本読みだから、あげようかなー、って思って」と。「それは、くれる、ってこと?」「うん」「じゃあ喜んで貰う」「10冊あるんやけど」って、相手の人は、むしろ不要品を押しつけて申し訳ないよというふうな会話やったんやけど。 まあ、精霊の守り人なら有名なタイトルやし、でもわしの読書趣味の範囲外なんで、何もせんかったらまず読む機会が来ないだろうジャンルなんで、これがええ機会やと思って読み始める。 めっちゃおもろい。 めっちゃおもろいよおおおおう。 まず、日本語だ。オーケイ、分かってる、ちゃんと説明する。わし、海外作品が好きで、あんまり日本人作家の小説って読まないんだわ。たまに読むが日本人作家の小説は、どうも現代日本が舞台のサスペンスだミステリだかしか読んでない気がする。ファンタジーは全て海外作品で、つまり設定されてる世界も、その作家の世界観に則ってるわけだ。宗教的な地盤みたいな根幹的なとこから、度量衡の感覚ってな末端のとこまで含めて。そこにこの、日本人作家による異世界ファンタジー。なんつーか、第一印象が「読み易ッ」だった。児童文学だからなのかもしれんが、でも決して文章が平易ってわけでもない、なんか、馴染む。解説で恩田陸が「母国語で読めるファンタジーに出会えた」って書いてた、まさにそれ。ちょっとほんま、これまでの読書体験が変わるレベルで頭をぶん殴られた感じがする。 このハナシ、つづく。こんなんばっかし。 3月 その4 まだゲームのハナシをするけどね。 『ドラゴンボールZ カカロット』が欲しい。いや、正確には、欲しかった。 正直、こんなキャラクターゲームが面白かった試しはないんだけど。ゲーム紹介ムービーを見ても、合間合間に挟まるミニゲーム(魚釣りしたり、特訓したりしてた)と、どこでも自由に行けるマップ、ソーシャルゲームみたいな内容なんだろうな、というのがありありと。ゲームに於ける「なんでもできる」ってのは、「なんか目的を見つけないと身動きがとれん」ってのと同義。人生みたいだ。何でも人生に喩えるよ。 それでもまあ、そそられたのは、これがアニメの内容の追体験が出来る、ってとこだ。ドラゴンボールのアニメを見返したいけど、とてもじゃないがあのテレビシリーズを全部見る気力はないし、昔のアニメって今見返したらキツい。そんな中で、ゲームで遊ぶ体なら、コンパクトにアニメを見ることが出来るよなあ、ファングッズとして持っておきたいなあ、という欲が出まして。 で、体験版があったのでダウンロードした。 ‥‥わし、3Dマップも鬼門だったわ。鬼門だらけだわ。八方ふさがりだわ。そりゃ延々パズルゲームしかしなくなるわ。 というわけで、ドラゴンボールは挫折した。体験版でラディッツにも出会えず終わった。ごめんな、悟飯ちゃん。 3月 その3 UNDERTALEはなし、つづき。 さてこのゲーム。ジャンルとしてはRPGでもアクションでもない、正解はリズムゲームである。 ストーリーを進行させていくに従って、途中途中でボスとのバトルがある。このバトルが、開発者は「弾幕シューティング」と言うてるが、リズムゲームである。それも「シューティングじゃなくて、リズム」ではなく、「シューティングでもあり、リズムでもある」。相手の攻撃が弾幕として画面上に現れるが、それが毎回パターンは特定なので、「いつどのタイミングでボタンをどっち方向に入れるか」で応対するようになる。そう、弾幕シューティングであり、リズムゲームなのである。 そして江口にとって、シューティングもリズムゲームも鬼門でしかない。鬼門ダブル。鬼か。まさに鬼か。開発者は「難易度がやさしめに、楽しめる程度になっているかどうかよく確かめた。弾幕シューティングをやったことのない友人にテストプレイを頼み、初心者でもクリア可能であることを確認した」って言ってるが、嘘だ。苦行だったよ。しかも「十数ターン、攻撃を避けて耐える」をしないとゲームオーバーだ。イベントを進めるためには、弾幕をリズム良く数ターン避け続けるのが必須。泣いた。 そして何より泣いたのは。 ホラーだったことだあああああああ!!!!! しかも、いちばん正解のハッピーエンドで終わるはずのトゥルーエンドが、いちばんのホラーだったああああああああ!!! 一緒にプレイしていた娘ちゃん、トラウマになってないか心配になるレベルで怖い。少なくともわしは怖い。 あと、バッドエンド条件がめっちゃ厳しくて、いま苦労してバッドエンド最終盤まで行ったのに、そこで条件を潰してへたりこんでる。 いろいろ泣かされるゲームです。 3月 その2 UNDERTALEはなし、つづき。 その後も、moon欲は高まったり凪いだり、間に『ドラゴンボールZ カカロット』欲を挟んだり、と揺れ動いたりなんだりと。 そんな中、いよいよmoon欲が高くなったタイミングと、YouTubeでアンテルプレイ実況動画(よゐこに非ず)を見たタイミングが重なって。 「同じ『戦わないRPG』を遊ぶなら、移植とはいえ昔の古いゲーム、しかも何度もプレイ済みなのと、21世紀の現代のセンスで製作されたであろう未だ遊んだことのないゲームと、どっちがええか?」ということを思って、アンテル買った。言うてみたら、moon欲をアンテルで昇華させたってことやな。改めて記述してみて、なんなんだこのアサッテ結論。 そして遊んだ感想。 面白いか面白くないかで言ったら、面白くない。でも、わしの好みか好みじゃないかで言ったら、がっつり好み。ほんまどうでもいい小ネタ(会話の変化とか、イベントの差異とか)がこれでもかと仕込まれてて、このコンプリート癖のある江口がどっぷり浸かった。ストーリーはノーマルエンド・トゥルーエンド・バッドエンドの3種類なのだが、このノーマルエンドのパターンが多くて多くて。パターンったって、ほんまに会話文の小さな差異でしかないんだけど、なんでか全部拾いたくなる。なんだかんだで5周してんだから、わしこれ、言い逃れしようもなくハマってんだろうな。 重ねて言うが、ゲームとしては面白くない。 主人公の目的は「ひたすら画面右に行ってゴールを目指す」だ。唐突に始まり、目的も知らされないまま何の義務感もないまま、淡々と移動先のイベントを消化していくだけ。 これが、例えばドラクエなら、「自分は勇者で、魔王を倒さなければならない」「移動を繰り返すことで世界が広がっていく」「レベルが上がることでより強い敵を倒して爽快感が得られる」など自分が何をしているのかが明確に分かる。でもアンテルは、まず自分が誰か分からないし、なんで外に行かなくちゃならんのか分からん。そうしないとイベントが進まないから、その選択肢を選ばざるを得ないだけという。 もっとも、この「自分が誰か分からない」というのも、このゲームのキモなのではあるが、それを面白いと思えるのは前もって世界観を知っているからであって、まったくの初見でプレイしてたら「なんやこれ」ってなるぞ。 このハナシ、つづく。 3月 その1 いや、1月末頃のハナシをするけどね。 『UNDERTALE』(PS4)買っちゃった。正確に言うと、夫のクレジットカードで支払って貰った。まだその代金渡してないや。てへり。 なんでアンテル(略すなよ)なのかというと、話せば長くなることながら。 唐突ですがわたくし、『moon』(PS)が大好きで。「もう、勇者しない」というキャッチコピーの、アンチRPG。モンスターを倒して経験値を稼ぐのではなく、友達になってストーリーを進めていくという、ひねったRPGのはしりというかなんというか。わしも歴史を知ってるわけじゃないのでもう黙る。 ともあれ、そのmoonが任天堂switchに移植されたというニュースを知りまして。 欲しいやん。 昔に大好きだったゲームが、令和の今の環境で遊べるなんてステキやん?(言いながら、わし、まだPSのソフト持ってなかったっけ。もう手放したかな? PS2が家にあるんやから、遊べるで) いいなあ欲しいなあ、誕生日の自分プレゼントにでも買おうかなあ、と虎視眈々と狙っておりました。 さて、わたくしはYouTubeの、任天堂チャンネルを登録しており、そこでよゐこがソフト紹介をするコーナーが好きで。そのひとつに、インディーズゲームを紹介するものもあり、そこで妙にプッシュされてたのが、『UNDERTALE』(数回の番組中、だいたい1回の番組で2〜3本のソフトを紹介するのに、アンテルだけは番組1回まるまる使ってた)。 この時点では、ほうほうこんなゲームがあるのか、と。そしてわしも、多少は興味があったのかな、アンテルがどんなゲームなのかちょこちょこ検索したりして、ウィキペディアなんかに項目がぎっちりあるのを見て、ほほう、世間的評価は高い、人気ゲームなんやな、と、まあそんな認識で。 このハナシ、つづく。 |