色で見る江口的評価

A.とてもいい作品 B.普通の作品 C.面白くないぞ作品  

このページで取り上げた作品 【邦:邦画 洋:洋画 ア:アニメ】

ラストマン・スタンディング【洋】  カストラート【洋】
エンパイア・レコード【洋】
天使にラブ・ソングを【洋】  天使にラブ・ソングを・・・2【洋】
夢のチョコレート工場【洋】  301 302【洋】
コックと泥棒、その妻と愛人【洋】  12人の優しい日本人【邦】


ラストマン・スタンディング
 東宝 101分

監督◇ウォルター・ヒル
出演◇ブルース・ウィリス

ストーリー◆行き先もなくさすらう一人の男がたどり着いたのは、二つのギャング組織が睨み合っているゴーストタウン。こんな街は一泊程度でとっとと出ていこうとしたが、ボスの情婦と目があってしまったことから因縁を付けられたことをキッカケに、抗争に自ら巻き込まれていく。原案は黒澤明『用心棒』。

 江口、ブルース・ウィリス好きなわけでもないのに、何故かよく観る。母曰く「は虫類顔」だ。でもよく観る。
 江口はもしかしたら、こんな西部劇ドンパチ好きなのかも知れない。悪の組織をやっつけるぞー! みたいな。ウィリスも立派に悪者だが。もう撃ちまくり。機関銃使ってるわけでもないのに連射連射。機関銃シーンなんて一回だけだ。そして撃たれる側、動く動く。ころころ転がって吹っ飛んで。一人平均5〜6発は撃ち込まれてるとみた。最近の撃ち合いは、心臓にぴしっ! で、「ううぅ・・・」、ばたり。終わり。ところで、心臓に撃っても即死にはならないと聞いたが、そう?
 で、ウィリスは契約金の多い方に付くと言うことで二つの組織を行ったり来たりしてますが、やっぱり双方から狙われ始めます。でもウィリスなので安心です。ウィリスなのでやられることはないだろうと分かります。俳優のイメージで役のイメージも決まってしまうのはナンだが、日本でも同じなのでいいじゃん、別に。
 ツッコミどころ。ウィリスは最初に目があったボスの情婦を逃がそうと奔走します。しかし大きなお世話かも知れない。たぶんボスのところで居た方が大事にしてくれる。

 

カストラート
 日本コロムビア ¥2,913 110分

監督◇ジェラール・コルビオ
出演◇スティファノ・ディオニジ

ストーリー◆カストラートとは18世紀ヨーロッパ、去勢されることでその美声を守っていた男性歌手達である。カストラートの一人、ファリネッリと、作曲家であるその兄は常に二人で暮らし、同じ女を抱き、同じ舞台にのぼっていたが、お互いの才能の差によりだんだんと違う道を行かざるを得ないことに気づかされはじめる。

 ただれてます。
 別に兄弟で肉体関係が有るというイミではなく。でもまだその方が救われる位ただれてます。多分兄弟は二人とも(兄弟として)愛し合ってるんでしょうが、屈折してます。弟を去勢したのは兄貴なんですが、そのことに対する兄貴の心中や如何に。
 で、女が一人絡んで来るんですが、この女もなかなかのタマです。普通こんな腐った兄弟受け入れられないって思うが、汚いところも全部飲み込むつもりのようです。
 ごてごてしてます。
 時代が昔のヨーロッパ、着ているモノがごてごてしてます。カストラートの衣装が凄いです。聖飢魔�Uのようです、白塗りが。観客までがヨーロッパ。くどいです。
 声。美声です。3オクターブだそうです。超音波です。「あー、人間の声って突き詰めると機械音になるのか〜」と思っていたら、本当に機械で合成した音だったらしい。興ざめ。

 

エンパイア・レコード
 ワーナー ¥16,000 90分

監督◇アラン・モイル
出演◇リブ・タイラー

ストーリー◆深夜まで営業しているエンパイア・レコード。その日初めてアルバイトの少年に閉店を任せたら彼は売上金を持ち逃げ。翌日同じくアルバイト仲間が彼を捕まえ追及するが黙秘のまま。その間に店には有名人が来たり買収騒ぎがあったりと大変なことに。友情あり恋愛ありの、青春コメディー。

 洋画ばっかりですまん。江口は偏食なのだ。
 若者は観ろ! な、なかなかナイスなコメディー。外国人は脚が長い。
 レコード店が舞台です。全編音楽が流れまくり。ポップでキッチュでノリノリでイェーイ、な感じ。たった一日で色んな事をします。監禁もされます。失恋もします。誘惑もします。幻滅もします。丸坊主にもなります。悪者は出てきません。持ち逃げをしようとしたアルバイト君も、ちゃんと考えてのことです。第一、盗む気なら簡単に捕まりません。店を買収しようとするオーナーが出てきますが、彼も只の商売人です。ビジネスをしようとしているだけです。万引き少年が出てきます。店員のおにいちゃん達の方が上手です。ただのピエロになった万引きくんを、だれが憎むことが出来ましょう?
 でも、バカ騒ぎをするだけの明るい映画じゃありません。登場人物みんな悩んでいます。というか、悩んでいる姿を描いただけの映画かも知れません。店長も悩みます。店員も悩みます。でも友情って美しいと思っちゃいます。

 

天使にラブ・ソングを・・・
 ブエナ・ビスタ ¥2,980 100分

監督◇エミール・アルドリーノ
出演◇ウーピー・ゴールドバーグ

ストーリー◆クラブ歌手でギャングの情婦のデロリスは、ふとしたことでギャングから追われる羽目になる。身の危険を感じた彼女は修道院に身を隠すことに。しかし奔放で派手な彼女にとって、禁欲的で娯楽のない修道院が退屈でたまらない。唯一の娯楽が聖歌隊。それもへたくそで誰にもみむきされないほどの。そこでデロリスは面白半分に聖歌隊にテコ入れをしてみるのだが。

 えー、江口が大好きな映画の一つです。ウーピーが大好きです。江口は勝手に“樹木希林”と呼んでます。なんとなくイメージが。
 本当は2の方が面白いんだけどね。ま、まずは1から。
 本当に修道院って退屈かも。女ばっかりで何もなくて。でも修道女たちはそれを楽しんでるから可笑しい。ウーピーは絶対なじめないだろうな、と思ってたら案の定なじめないでやンの。聖歌隊。これはボランティアで老人ホームに慰問に行ったりする時用なんだが、笑っちゃうぐらいヘタクソで。ソプラノの隣にアルトが並んでたり、ピアノ伴奏者は補聴器が必要で指揮とタイミング合わなかったりでもうメチャクチャ。腐っても歌手のウーピーが、見ちゃいられない、と言うことで指導を始める。そしてみるみる上達していくが、「ウソや〜ん」とのツッコミは入れずに見ること。
 ギャングに狙われてるけど、それは気にしなくていいです。そこは別に見せ場でもなんでもないですから。修道院に入るためのキッカケに過ぎませんから。ね。

 

天使にラブ・ソングを・・・2
 ブエナ・ビスタ ¥2,980 108分

監督◇ビル・デューク
出演◇ウーピー・ゴールドバーグ

ストーリー◆人気クラブ歌手・デロリスの勤める店に数人の修道女たちが。彼女たちはデロリスに頼み事があり、探し回っていたのだ。頼み事とは、スラム街にあるすさんだ高校で教鞭をとって生徒達を更正して欲しいとのこと。型破りなデロリスにしか出来ないと説得され彼女は再び修道服に身を包み、その問題校へ。次々と生徒達は心を開いていくが、一人の少女だけがそうはいかなかった。

 ああんもう、大好きなのさ、コレが。ストーリーはどうでもいいです、荒れた学園に投じた一石が波紋を広げてみんなが影響されていく、その通りです。それ以上も以下も無い話です。じゃあ何がいいかって? 音楽です。この映画はそれだけです。
 ウーピーはその歌手経験を理由に音楽クラスを任されます。1作目で変えた聖歌隊の様に、このクラスでも聖歌隊を作ろうとします。不良学生達がそんなことやりたがるワケがありません。ウーピーは彼らを老人ホームへ連れていき、シスター達の聖歌隊を見せて、それが格好いいモノと知らしめます。それにプラス、学校の閉鎖危機が重なって、ま、どさくさに紛れさせて聖歌隊を結成させます。かなり強引です、でもいいんです。
 そんな強引でありきたりのストーリーを全て凌駕するのが音楽です。
 2作目の学生達は全てオーディションで選んだらしい。気合い入れまくってます。
 黒人少年がクラスにいます。小柄な少年です。カッコつけてるけど小心者です。聖歌隊の学内発表会で歌う歌の、ソロを任されます。
 本番。ピアノ伴奏で“オー・ハッピー・ディ”のイントロが流れ始める。少年は練習時と少しも変わらず、ぼそぼそと歌い出す。指揮をしながらウーピーははらはらするが、曲が進むに連れてみんなのコーラスも大きくなり、だんだん少年の羞恥心は消えていく。舞台から降り客席の周りで歌う少年、みんなも乗ってくる、そしてコーラスが最高潮になったとき、少年はウーピーも驚くほどの素晴らしい声を発揮する・・・!
 ココ!!! このシーン!!!! このシーンだけ見たらもう後はどうでもいい!!!!
 とにかく見れ!!! 以上っっっ! 

 

夢のチョコレート工場

ストーリー◆ワンカのお菓子工場からは子供から大人までみんな夢中になるお菓子が毎日作られている。中でもチョコレートは一番人気。だけどどうやってそんなおいしいお菓子が出来ているのかは秘密にされている。そんな時、工場が企画を。チョコレートの中に当たり券を5枚入れた、当選者は工場の見学に招待されるという。街のみんなはこぞってチョコレートを買い求めるが、主人公の少年は貧しくて買えない。しかしおじいさん達がくれた一枚のチョコレートに当たり券が!

 申し訳ない、発売元、監督、出演者一切チェックできず。多分工場主がジーン・ワイルダーだったと記憶しているが確認できず。今までの評は過去に見て感想文を残して置いたヤツから書いてるんだけど、それにはそう言う情報は書き残してなかったんで。TSUTAYA CLUBが出してた『シネマハンドブック』にも載ってなかったのさ。言い訳終わり。
 話。ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家に憧れた人は見なさい。工場の中はお菓子だらけです。当選者(みんな子供)の親たちが同伴してるんですが、童心に帰って子供達と一緒にお菓子にまみれます。やってみたいです。人工着色料の海のような、毒々しいカラーですが、絶対全身べたべたになるような糖分だらけですが、やってみたいはずです。
 この作品は、なんか昔ながらのおとぎ話のようです。これでもかという貧しい男の子(どういう訳か爺ちゃん婆ちゃん二人ずつ居る。親はどうした)が正直に、欲もかかずに、慎ましやかに生きてきて、それが理由に救われるという、今流行の『グリム童話初版は本当はどーたらこーたら』じゃないです。子供を夢だらけにしたいなら、ぜひこっちを見せなさい。
 ファミリークリスマスのお供にいいかも知れない。かなり古い作品なので今年のクリスマスにはもう無いかも知れないが。

 

301 302

ストーリー◆とあるアパートの301号室と302号室にそれぞれ暮らす2人の女性。一人は料理に専念する余りぶくぶくと太り、夫から拒絶され過食症に陥った。一方の彼女は義父との関係による人間不信から拒食症になり、がりがりに痩せ細っていた。過食症女は感情のはけ口に拒食症女の食事に干渉するようになるが、ことごとく拒絶され、しかしだんだんとエスカレートしていくのだった。

 そしてやっぱり監督名etc一切確認できず。こんないい加減なコーナーで申し訳ない。
 ハナシですが、面白いです。江口は結構アジア下町系ヒューマンドラマが好きなんだろうと思う。で、この映画の印象は、部屋のインテリアや小物なんかが結構お洒落。でも、部屋の中に生活臭がないのが怖い。もう、ことごとく人間を拒否してるんだろうなぁ、と。過食症女は料理家で、色んな料理を研究しては試食して、隣人の拒食症女に無理矢理喰わせるんだけど、アレを見てると彼女が作ってるのは料理じゃなくて、ただの物体に見えてくるから怖い。もう、目が普通じゃないんだもの。ゴミ箱に捨ててあった料理をまた皿に並べ替えて鷲掴みで食べられた日にゃ、もう姉さん卒倒。
 えー、このハナシは別にホラーじゃないんだけどね、なんかこう書くとホラーみたい。違うのよ、愛情に飢えた二人の女のドラマなのよ。

 

コックと泥棒、その妻と愛人

ストーリー◆そのレストランのオーナーは暴力的で贅沢を好み、毎晩のように有名人を招き豪華な宴会を開いていた。その妻はオーナーの暴力におびえながらもその宴会で妻の役を演じ続ける毎日を送っていた。そんなとき、店に来た一人の知的な男と出会い、レストランの中で密会を重ねるようになるが、夫の知れるところとなり、彼の暴力から逃げようとするのだが。

 ええ、もう、タイトルしかわかんないヤツの情報を調べ終わるの待ってたら、いつまでたってもページ更新出来ないからちゃっちゃといくぜ。
 『301 302』となぜ続けて紹介してるか、ま、知ってる方はこの共通点に気が付くでしょう。なんなら『フライド・グリーン・トマト』も並べましょうか? コレも面白いですよ。江口が決して特殊趣味なのでは無く、本当に面白いんだから誤解の無いように。
 『コック・・・』は面白いですが、怖いです。心臓の弱い方は気を付けましょう。バイオレンスです。ビデオ屋によっては“ラブロマンス”の棚に並んでますが、間違えないように、バイオレンスです。ホラーでもいいです。怖いです。人間の残虐さはここまでいくのかと思うぐらい怖いです。
 しかし、殴ったり殺したりする怖さはそんなに怖くないです。一番怖かったのは、妻が愛人と密会するトイレのシーン。このトイレ、潔癖すぎるほど真っ白です。白がこんなに怖い色だとは思いませんでした。レストラン裏口の腐った肉で溢れたどす黒い空間、宴会場のゴテゴテした装飾、その中でトイレの白は異常な色彩でした。
 ところで、この作品を見た女性に聞きます。妻はラストに夫に復讐するため、ある計画を別のコックに相談しますが、そこで妻の計画を貴女はすぐに気づいたでしょうか? 話の中ではコックは気づきませんでしたが、観てて江口はすぐ気づきました。コレは演出のせい? 江口が女なせい?

 

12人の優しい日本人

監督◇中原俊
出演◇豊川悦司/相島一之

ストーリー◆一幕ものドラマとして有名な映画『12人の怒れる男』を三谷幸喜とサンシャインボーイズがアレンジした舞台の映画化。
 日本にもし陪審員制度があったらという設定。陪審員として集められた12人の男女。事件は、女が別れた夫と口論になり道路に突き飛ばしてトラックに轢殺させたというもの。彼女が故意にやったなら有罪、過失なら無罪という状態で、陪審員達は彼女に同情して、有罪と思いつつ無罪にする。しかしその状況に不満を感じた一人の男が、無罪撤回、有罪を主張する。

 本当は『ラヂオの時間』紹介したかった。けど先日(6/26)テレビでやられちゃったので悔しいからこっちを紹介、って、コレもテレビでやったんだけどね。
 『怒れる』の方を観てない方は、先に『怒れる』観て下さい、じゃないとコレはおもしろさ半減です。いわばこれは「応用」ですから、基本は押さえときましょう。
 相島さん、こんなに格好いい男とは思いませんでした。初めて観たのが三枚目役、だからコレを観たとき、「嘘やん」と思った、のが作品の第一印象。
 『怒れる』は有罪からスタートして、無罪票を少しずつ増やしていき、最終的に無罪にしていきます。『優しい』は最初無罪からスタートします。だから、オリジナルと同じように少しずつ有罪票を増やしていくのかな、と思いますが。ここから面白いのが、優しい『日本人』であること。日本人特有の優柔不断さがあって、「みんなが有罪と思うなら有罪にしよう」「理由はよく分からないけど無罪だと思う」と、有罪無罪はかなり入れ替わります。はっきりしろや、とツッコミたくなるほどに。たぶん、オリジナル通りの判決の変化なら面白くならなかったでしょう、さすが初期(笑)三谷幸喜、ということです。

 

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