色で見る江口的評価

A.とてもいい作品 B.普通の作品 C.面白くないぞ作品  

このページで取り上げた作品 【邦:邦画 洋:洋画 ア:アニメ】
身代金【洋】  誘拐【邦】  ファーゴ【洋】
カラー・オブ・ハート【洋】  バベットの晩餐会【洋】  卒業【洋】
ガス燈【洋】  マイ・フェア・レディー【洋】  エデンの東【洋】


身代金
 
ブエナ・ビスタ ¥16,000 122分

監督◆ロン・ハワード
出演◆メル・ギブソン

ストーリー◇やり手実業家の息子が誘拐された。犯人は身代金として200万ドルを要求。初めは実業家もFBIに任せていたが、それが失敗に。誰よりも息子を愛する男はその失態に怒り、代わって大胆な行動をとる。それは身代金の200万ドルを武器に誘拐犯と真っ向から対立するというもの! テレビに出演し宣戦布告をしたその時から、物語は大きく展開する。

 もうすぐテレビでします、これ。なので一足早くココで紹介しておこうかな、と。先取り情報っぽくていいじゃないか。自己満足ぅー。
 まあ、結構面白いです。前半部分が長いじゃんって気がしなくもないけど。その分後半がみっちりだから、相殺。って殺してどうする。なんか、印象が、トム(実業家)がずっと額に汗かいていた印象しかないんだけど。でも実際汗かいてたかどうかは覚えてない。
 トムとジミー(犯人)が、どちらも余裕が無くて、どちらもキレてていいです。トムもめちゃくちゃなことやって、一見キレてますが、ジミーのキレ方はいい。窮鼠に噛まれた猫の如く。つまり、ジミーはとんでもないヤツに誘拐なんて仕掛けてしまったわけで。トムの方が一枚も二枚も上手だったわけで。でもこっちは人質持ってる=有利な立場で、でもその有利さなんて意味が無くなっていて。そしてトム。金の力に物言わせて逆にジミーを追いつめます。でもこれってハイリスクの賭で。当然世間から叩かれるわけで、息子を見殺しにするのか、って。生きてるかも知れない息子を殺すことになるかも知れないわけで。
 というわけで、被害者と犯人が両方ギリギリなので、その緊迫感がナイスな作品です。他の設定がボロかろうと、この二人のやりとり(後半ね)がいいので許そう。

 

誘拐

出演◆渡哲也

ストーリー◇最初は単なる、企業の金を狙った誘拐事件だと思われた。しかし身代金の運び手として選ばれた役員の中年男性が犯人の指示で走り続け、心臓発作で倒れてしまう。次に犯人が指定した運び手は、なんとそことは無関係の企業の役員。そしてこの男も持病の発作で倒れてしまう。それを追っていた一人の刑事が気がついた。これは誘拐事件ではない、殺人未遂事件だと。

 『身代金』と来たら、次は『誘拐』でしょ、もちろん(笑)。で、次は『大誘拐』。に、しようかと思ったけど観たのが相当昔なので、もう忘れたので止めとく。
 いや、久々に面白い邦画を観たかな、ってかんじ。もう後半のどんでん返しがサイコー。渡哲也の役がおいしすぎるけど、ま、それは渡の芸能界での立場ってもんがあるから。何回か江口は言ってるけど、アクションがすごいとかCGがすごいとか金のかけかたがすごいとか、そういう事で価値を計ってる映画って信用してないの。映画である以上、ストーリーを重視しなくてどうする、と。で、この作品。いいです。撮影にカネかかってるだろうけど、ストーリーで充分宣伝できます。「おいおいおい、うますぎるで、この展開」ってツッコミが入りそうな話ですが、上手なサスペンスです。
 で、また、謎が解けたときから、それがするする解けていく気持ちの良さもいいね。身代金運んだおっさん二人の共通点、そんなとこから意外な共通点が発覚、アッという間にこんがらがった結び目が解けちゃった感じが。いやあ、江口べた褒めじゃん、これ。そんなに面白いわけでもないのに(爆)。
 ただ、江口にとってマイナスなのは、映画観る前に犯人知ってたこと。トリックも。畜生、江口母め。

 

ファーゴ
 アスミック ¥14,800 98分

監督◆ジョエル・コーエン
出演◆フランシス・マクドーマンド

ストーリー◇借金を抱えた中古車ディーラーが、自分の妻を利用して、妻の父から身代金を奪おうと画策。二人の男を雇って誘拐劇をこころみたが、些細なミスから大きなミスが広がっていく。狂言誘拐の失敗、殺人事件、そして仲間割れ。一人の女刑事が事件を追うが、そこにはショッキングな結末が。実話を元にしたサスペンス。

 主役は誰やねん。
 たぶん女刑事なんだろうけど。主演女優賞取ってるし。でも後半からしか出てこないし。初めはこの雇われ誘拐犯が主役なのかな(実際そう思うような写り方だし)と思ってたが、違うでやんの。だからなんか人間関係が中途半端な。誰の視点で描かれてるんだ、って。
 この中古車ディーラーの男(リチャード・ドレイファス)が、顔がいやです。なんかイヤラシイです。小物丸出しで。もうシワだらけの顔でニヤけられた時は殴りたくなりました。そして共犯の雇われ二人組。もうこいつらもシロウトシロウト。最初っから作戦は失敗するだろうってのが丸分かり。証拠も残しまくるし(あぶく銭で女遊びしまくって、この女達から情報流れっちまうし)。
 そして、誘拐が失敗、仲間割れ、殺人。この流れはまあ誘拐ドラマのお約束なので(そうか?)、まあツッコむトコロはないとして。その死体の処理。
 こわいよ。
 実話だってんだから、もっとこわいよ。確か『世界まる見え! テレビ特捜部』で紹介されてなかったかな、この手口。ウロ覚えだけど。
 観るなら冬がいいです。雪の中が舞台だから。寒い時期に観てください。こわいです。

 

カラー・オブ・ハート
 アミューズ 125分

監督◆ゲーリー・ロス
出演◆トビー・マグワイア

ストーリー◇明るく奔放な妹と内気でテレビオタクの兄、まったく正反対の双子の兄弟が、現実(カラー)の世界から突然テレビ(モノクロ)の世界に閉じこめられてしまう。
昔懐かしいモノクロドラマの企画として、毎回見ないと答えられない懸賞クイズがあった。兄は熱心に視聴していたが、ある日妹がデートに誘った男と一緒にテレビを見るため、二人はリモコンの取り合いをし、壊してしまう。そこに通りかかり代わりのリモコンを渡した電気屋には秘密があった。

 登場人物二人に言います、オタクにいちゃんと電気屋のオヤジ、お前ら何考えてるねん!
 モノクロ世界、昔懐かしいほのぼのファミリードラマの世界です。『奥様は魔女』でも思い出して下さい、吉本新喜劇でも可。セックス&バイオレンスが排除された世界、にいちゃんはオタク野郎で、こういう世界に逃げてたりします。で、その熱心な見方に、不思議な電気屋のおっちゃんは惚れて、「彼こそこのドラマ世界に相応しい!」と勝手に決めて勝手に世界に入れちまいます。
 でっけえおせわだ。
 当然にいちゃん、「元の世界に返してくれ」といいます、オヤジ、「何が気に入らない」。逆ギレです。なんかムカつきます。
 そしてにいちゃんは仕方なく、この世界で問題を起こさないようにします。しかーし妹、この禁欲的な世界に耐えられず、カマしてくれます。それがきっかけで、この世界にはセックス&バイオレンスが溢れていきます。
 その変化を恐ろしいと感じるモノクロ派と、新しい変化を受け入れるカラー派に別れて対立しますが、にいちゃん、お前何でカラー派にいるねん? お前もなんでドラマのシナリオを変えようとするねん? 謎。
 ま、このにいちゃんはなんか、ストーリーのなかの便利屋みたいなポジションにいます。いろいろ絡むワリに存在感無いの。どちらかといえば見ていて面白いのは、ホームドラマパパ・ジョージ。決まり文句「ハニー、アイムホーム★」といって誰もいなかったとき、この時と、ココから先の絶望がステキ。

 

バベットの晩餐会

監督◆ガブリエル・アクセス
出演◆ステファーヌ・オードラン

ストーリー◇デンマークの小さな村に、プロテスタント一宗派の創始者の意志を継いだ二人の娘が暮らしていた。二人は若い時期に知り合った男性と結ばれることもなく未婚を通していた。ある日、彼女たちのもとに、フランス革命から逃げ出した女性が助けを求めに来た。そしてこの女性・バベットは無償でこの教会の家政婦として働くことになる。

 江口がココで参考にしている本の一つに、『シネマ厨房の鍵貸します』というのがある。映画紹介より、その中に出てくる料理とレシピを紹介してる本なの。で、この『バベット…』、この本以外にもいろいろな場所で紹介されてて、とても気になって他作品だったの。
 観ました。もう幸せ。
 作品の半分は料理です。そしてどれもこれもおいしそうです。おいしいはしあわせ、江口の好きな言葉。
 料理自体はそれほど目立ちません。目立つのはそれを食べてる人たちの顔。
 パン粥しか食べてないんじゃないのかっていう、これまでのまずそうなシーンが続き、バベットが晩餐会の料理をすることになり、怪しげな食材が教会に運び込まれてきます。怯えます(そりゃ、ウミガメとかウズラとかが来るもの、アレが食材になって自分たちが食べさせられるのかって考えたら当然ね)。
 だから、あんな恐ろしいモノは味わって食べてはイケナイ、お義理で胃の中に落とさなければイケナイって協定組んで、まずそうに食べはじめる。ああそれなのに。おいしいはしあわせ。
 厨房でご相伴にあずかる、ラッキーな馬車引きがいます。そしてまかないごはんを食べるバベットと手伝いの甥。この3人の食事風景も、とてもしあわせそうだ。うーん。しあわせな映画。
 ところでこの甥が、船に乗ってコックをしていたと言うが、若すぎるように見えるが。気のせいか?

 

卒業
 東北新社 3.800円 107分

監督◆マイク・ニコルズ
出演◆ダスティン・ホフマン

ストーリー◇大学を主席で卒業し、将来を有望視されていた青年は、人妻に、その家とは家族ぐるみでつきあいがあるにも関わらず、誘惑され関係を持ってしまう。両親にも言えず、苦悩していたところに彼女の娘が現れ、男は彼女を愛してしまう。表向きは両家から祝福され、このまま結ばれると思われていたが、恋人との母親とも関係を切ることは出来ていなかった。

 今更『卒業』も、なんだかなって気はしたんだけどね。メジャーすぎるの紹介したって、みんな知ってるもんなあ。まあいいや、中には江口みたいに「題名は知ってるけど見たこと無いのばっかり」って人がいるかも知れないし。もう卒業の季節だし(強引)。
 登場人物の誰も悪くないってのが、話の悲劇性を高めてますね。一見、一番悪いのは、息子ほどの年齢の男を誘惑するヒトヅマ。ま、このあからさまな誘惑に乗っちゃう男も男だけどね(まーた、見事に分かりやすい誘惑なんだな)。とっとと帰れよ、って何回ツッコんだか。で、一回やっちゃったらもう逃げれないわな、脅迫が続いくもん。
 で、このママは愛人と娘がデキちゃうところに妨害をかけます。これで悪役度UPかと思うでしょうが、違う違う、この行為のせいで、ママの方が娘よりも、悲劇のヒロインの位置に立ちます。はっきり言って、娘は脇役です。どんなにラストシーンを持って行っちゃおうと、ヒロインはママです。
 ママは、ただ純粋にホフマンが好きだったんだろうと思います。なのに男は他の女のトコへ、しかもよりによって自分の娘のトコロへ。そりゃ妨害するだろう、自分のためにも娘のためにも。それが痛々しいよ。妨害がばれて男に逃げられても、娘が残っちゃったから母親にならなきゃイケナイ。辛いね。
 この作品の有名なラストシーンは、ハッピーエンドの最高峰のように言われますが。その背後にはママの苦悩もある。「お前らだけいい目見やがって」。
 みんなツッコんでるだろうが、江口もツッコもう。「そのカッコでバスに乗って、その後どうするん?」

 

ガス燈

ストーリー◇殺害された叔母の莫大な遺産を受け継いだ声楽家の女性は、それからすぐに、同じ先生の元でレッスンを受ける音楽家の男性と恋に落ち、電撃結婚をする。しかし夫の希望で忌まわしい思い出の残る叔母の家に二人で住むことになるが、毎夜奇妙な出来事が彼女を襲い、ノイローゼになっていく。夫は狂っていく彼女をやさしくいたわるが、謎はいつまでも解決されずにいた。

 若いメイドが可愛くないっす。って、のっけからそれか!
 なんか一時期江口、昔の名作と言われたモノが観たくなって。で、コレもその一環。当然白黒です。でもゴージャスです、飾り文字とか。インテリアとか。なんかいい意味での芝居的。ま、昔の作品ってコレに限らずどれでもそうなんだけどね。
 この作品から得る教訓は、「夫婦は話し合いが大事」。妻の話はちゃんと聞いて信じてあげよう、信頼はそこからよ。などと人生訓めいたこと言ってみたり。
 で、内容ですが。わかりやすいです。出会ってすぐに結婚したがる男。そりゃもう財産目当てに決まってろうが。どの角度から見ようと、この旦那一番ワルモノ。でも目当てが単なる金じゃないとこがいい味出てますね。金が目当てなら、なーんか安っぽい動機で動く安っぽい男の犯罪記録になりますが、これは「どうしてもそれ(何かはとりあえず秘す)が欲しかった」という、上品な(変な表現でスマナイが)執着があるのよ。
 あと、これは時代が古いから仕方ないけど、妻の完全な夫依存。見苦しいね。だけど最後はいいね、その見苦しさを払拭してくれるシーン。そうだよ、ナイフは怒りをぶつけるための道具なのさ(危険発言)。
 印象的なシーンが後1つ。実はメイドも共犯だったってこと。ババアメイドが嘘を付くトコ。あのシーンが一番印象的でした。全編中で。以上。

 

マイ・フェア・レディー
 フォックス ¥5.000 171分

監督◆ジョージ・キューカー
出演◆オードリー・ヘプバーン

ストーリー◇汚い訛りで喋る花売り娘にであった言語学者は、あまりの訛のひどさと自分自身の自信から、「私が仕込めば一流のレディに生まれ変わらせる」と言う。レディになりたい娘は学者の家に行き、自ら指導を求む。そこに居合わせた同じく学者がそれを面白がり、この野蛮な娘がどう変身するか授業料を賭けて賭をする。面白いように成長する元花売り、しかし期限は限られていた。

 実は前々から思ってたんですが、オードリーって。
 いや、オードリーファンって多いから言いたくないけどさ。でも言うから、ファンのヒトはココとばしてね。
 やさぐれ役がヘン。そう、この花売り娘役。汚い・下品・乱暴・etc、そんな要素めいっぱいの役似合わないでやんの、似合わないと言うより、明らかにヘン。それでまたコレミュージカルだから、汚い格好のままうたうんだけどさ、それが浮くの。下品娘から上手な歌のギャップが凄すぎて。役柄じゃなくてオードリーって全部フィルター通っちゃう。
 オードリーの代表作ってね、なんかどれも「下品なグレードの高い女」って感じで。でも下品さも上品さもどっちも中途半端。根本的に役柄設定が違う感じがするの。ああめちゃくちゃ言ってるな、俺。
 本題。内容ね。
 言語学者の親父がいい男です。初めっから終わりまで、花売りオードリーをぞんざいに扱います。なのに、レディとして扱うもう一人の親父よりもいい男です。オードリーはそんな親父を嫌がります。みていていらいらします。何故? 何故親父よりもそんな馬の骨みたいな優男のトコ行くのさ? あの親父の何が不満なのさ?
 ちなみに言語学者もいい男ですが、オードリーパパもいい男です。いい男満載。いい映画だ。
 しかしこの時代のファッションってものすごくヘン。なんだその帽子。

 

エデンの東
 日本コロムビア ¥3.800 105分

監督◆エリア・カザン
出演◆ジェームズ・ディーン

ストーリー◇優秀な兄といつも比較され、誰からも愛されずにいた弟はいつも愛情に飢えていた。そんな彼を唯一理解してくれる兄の恋人。行動のなにもかもが裏目に出、誤解され疎まれていく彼の欲しかったものは、代理の何かではない、ただ一人、父から認められることでしかなかった。

 ジェームズ・ディーン。作品ってもコレしか知らん、俺。
 いやまあ、いい話ですよ。こんな家族愛って、日本じゃわざとらしいからな。日本の方が人情モノによわくて、それこそ家族の絆とかメインテーマの話、腐るほどあるのに、なんか根底から違うよ家族愛に対する考え方が。そんな感じ。あと、向こうの方が「愛してる」とか堂々と口に出しても違和感無い。日本じゃ家族に対して「愛してる」って表現使わないもんね。恋人に対してすら。みんなもっと言おうよ。
 コレと同じように、例えば宗教的思考が根底にある話って、どうも見てると理解度が半減っぽくて寂しい。ホントは駄作かも知れないのに大仰に感動しちゃってるのかも知れないし。考えすぎか。
 見ていて、まあ可哀想です。分かりやすい兄弟差別。デキのいい兄、出来損ないの弟。兄弟モノのセオリーですな。そして最後はハッピーエンド。それもハッピー状態のままエンディング。しあわせな映画です。でもまあ、エンディングの親子対面のシーンしか印象に残ってないのも事実。あとキャベツとか。

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