神々と猫の住む島々
吾輩の住む瀬戸内海の小島は天国に近い。温暖な気候であるし、
漁師が多かったせいか食べ物に不自由はないし、天敵の犬もいない。
何よりも我々を追い回す子どもがいないため落ち着いて生活できる。
おまけにこの島の老人は信心深く、生き方が謙虚である。井戸を掘り
水が出れば感謝し、漁に出て大漁であれば感謝し、大木があれば敬い、
死者が出れば墓を二つも作り(両墓制)ねんごろに祀っている。
ただ気がかりなことは老人だけのため10年もすれば無人になるかも
しれない。そうなると我々もやばくなる。