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本システムの概要 |
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本システムで使用する度数は,図1に示すような状況で総売上高YTと前売締切日からの日数によって度数が変動するようになっています。
この図1に示すものは,本システムの一例(たとえば,橋の利用サービスについて)であり,その概要について次に示します。1年間の総売上目標額Zを200億円とし,4月1日の最多度数は,10×2×365=7,300度数(1回利用(3)当たりの必要度数E0を10度数とします。)とします。ただし,3月30日及び3月31日については60度数に統一します。
@の4月1日時点に本システムにおける利用サービスを開始したとき(前売りは行うものとします。),その時点の総売上高YTによる度数は,2,000度数です。したがって,200回の権利回数(4)が確保されたことになります。販売価格Kが30,000円とすると1回当たりの料金は150円となります。
ところが,Aの8月1日時点の度数が4,000度数になった場合,4月1日の開始時点より度数が多くなりますので,請求により,4,000度数から開始時点の度数を差し引いた度数がさらに追加されるものとします(5)。したがって,合計400回の権利回数が確保されたと考えることができます。販売価格Kが30,000円ですので1回当たりの料金は75円となります。
しかしながら,4月1日ではなく,Bの12月1日に本システムにおける利用サービスを開始したときは,その時点の総売上高YTによる度数は,2,200度数です。したがって,220回の権利回数が確保されたことになります。販売価格Kが30,000円とすると1回当たりの料金は約136円となります。なお,Aの4,000度数と差し引きは行いません。

図1 総売上高に対する度数(目標200億円の場合) (曽根康仁が作成)
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本システムの特長 |
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本システムの特長は,多くの利用者がより早く本システムにおける利用サービスを受けることにより,それぞれの利用者に対して利用する権利回数が度数という形で増加するということです。また供給者の利益増大(6)にもなります。
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たとえば,チケットの購入者数がより早く増加することによって,3回分の額になる利用料金を支払うだけで,5回以上の利用ができるようになります。
需要者サイドに対しては,満足感の増大を与え,供給者サイドに対しては,利益増大が期待できます。さらに,需要者サイドと供給者サイドの余剰を合成した社会的余剰の増大に貢献することになるでしょう。 |
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注
(1) |
度数による利用促進策を本稿において度数システムと呼ぶことにします。 |
(2) |
ソフトウェア,音楽データ,映像データ等,デジタル・データとして流通可能なものです。 |
(3) |
片道を1回と考えるものとします。 |
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一般の「マイレージ制度」のように得られた権利回数というポイントを種々のものに交換できる使い方も可能です。 |
(5) |
購入日を考慮した度数をさらに追加することも考えられます。 |
(6) |
たとえば,通常年一回利用する個人が3回分の額になる本システムにおける利用サービス料を支払うことにより供給者サイドの利益増大になります。 |
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