sakana.JPG (6332 バイト) プロローグ           by くらげ

 

 宇宙にいきたい・・・。

 この頃よくこう思う。行って何をするのだろう? 別に何もしない。夜よりもなお暗い闇の中を、ただ・・・漂うだけ。海にたゆたう水母のように。湖面に浮かぶ羽のように。ただ・・・漂う。

 気がむいたら、そこらを一緒に漂っている石を投げる。それはきっと隕石となって何処かの星に墜ちるのだ。

 その星に心の中で謝って、僕はまた宇宙を漂い、彷徨うのだ。

 遥か遠く、無限の彼方に存在するであろう果てをめざして。

 そして、悠久の時の流れの先で宇宙の果てへと辿り着いた瞬間・・・僕の意識は衰弱してこの世を去るのだ。

 その後抜け殻となった僕の体は、次なる果てをめざしてまた漂う。

 永遠に続く螺旋のように。

 久遠の時の流れの中を。

 悠久にたゆたい続けるのだ。

 ふらふらと・・・ゆらゆらと・・・時が終わるその瞬間まで。

 僕は漂泊の旅人・・・。

 

 

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