プロローグ
by くらげ
宇宙にいきたい・・・。 この頃よくこう思う。行って何をするのだろう? 別に何もしない。夜よりもなお暗い闇の中を、ただ・・・漂うだけ。海にたゆたう水母のように。湖面に浮かぶ羽のように。ただ・・・漂う。 気がむいたら、そこらを一緒に漂っている石を投げる。それはきっと隕石となって何処かの星に墜ちるのだ。 その星に心の中で謝って、僕はまた宇宙を漂い、彷徨うのだ。 遥か遠く、無限の彼方に存在するであろう果てをめざして。 そして、悠久の時の流れの先で宇宙の果てへと辿り着いた瞬間・・・僕の意識は衰弱してこの世を去るのだ。 その後抜け殻となった僕の体は、次なる果てをめざしてまた漂う。 永遠に続く螺旋のように。 久遠の時の流れの中を。 悠久にたゆたい続けるのだ。 ふらふらと・・・ゆらゆらと・・・時が終わるその瞬間まで。 僕は漂泊の旅人・・・。 |
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