|バーベル|首ローラー|メトロノーム|自由の女神|振り子|乾布摩擦|カヌー| |
1 趣 旨
加齢にともない、身体が硬く、ともすれば背中の丸い姿勢の時が多くなり、呼吸も浅くなってします。改善のために色々な体操が考案され、素晴らしいものも多いのですが、肝心な動作があいまいになり本来の効果が発揮できずにいることが多いと思います。
そこで身近なうどん打ちの麺棒を使うことにより、動作を明確にするとともに、テコの原理の応用で運動量を倍化することを考えました。かなり熟達しないと棒術のような速さ凄さはでないと思いますが、毎日、少しずつ、棒と戯れることにより、しなやかで柔らかい身体が戻ります。テレビを見ながらでも、寝転んでもできますのでお試しください。老人クラブの会合や街角喫茶(ふれあいいきいきサロン)などでもぜひお取り上げください。働いている方の肩こりにも効果があります。最近では、ダイエット、セルライト解消の効果にも注目されています。
※ 使わない筋肉は衰え、関節は固まり変形します。
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2 用意するもの
麺棒が1本。短いのは使いません。腰骨から片手を上げた指先までの長さが適当です。市販のものはそのくらいです。重さは若い人は重いものでよいでしょう。太さは握りやすいものであればよいのです。水道の塩ビパイプ(長さ約90cm・口径2cm)でも代用できます。切り口や表面がなめらかでないとけがをします。塩ビパイプは軽く弾力もあるので、高齢者には優しいと思います。また、パイプの切り口は、外側だけでなく、内側も面を取ってもらうようにしてください。
※ 重さはほとんど関係なく、動きに張りを入れるのがポイント。
※ 棒の入手方法 麺棒はホームセンター、水道パイプは水道工事店へ(VP20は、4mものから切り出しますので、何本か共同購入するといいでしょう。)
麺棒は、品質の高いもので高価になります。水道パイプは安価です。この2つの種類を持ち、形によって使い分けることをお奨めします。
※ 水道パイプの場合は、パイプの中央の位置に、黄色のテープを巻いておくと、棒の動きが良く分かります。また、アクセントにもなります。(マイ・麺棒)
3 体操のポイント
リズムよりは、力を溜めることに留意してください。動作の最後で力を入れ保持するのです。形(動作)は覚えやすいよう命名しています。
順番は特に指定しておりません。全部するとかなりの運動量になりますので、くたびれてしまいます。体力や身体の堅さを考え、必要に応じて選んで行ってください。呼吸法やイメージ法も取り入れると効果があると思います。また、棒の位置をいつも注意して、動作があいまいにならないように心がけてください。
また、棒の握りかたは、小指をわずかに外すくらいで両端を持つのが標準です。小柄な人は、短い棒を持つのが良いのですが、両端ではなく少し内側に持つという方法もあります。この場合は、棒の両端が手からはずれているので扱いに注意が必要となります。
4 注 意
形によっては、テコの原理を応用していますので、不用意にすると、一瞬にして骨・筋肉などに重大な損傷を与えることも考えられます。体力に合わせてゆっくりと注意深く行ってください。(太極拳のような感じです。)
体操の前に必ず手首や腕を回したり、足の屈伸など準備運動をしてください。(身体が温まってからスタート)
また、周辺の安全を確かめ、人、家具、照明器具などに衝突しないよう空間を十分に取ってください。振り回す必要はありません。
※ 麺棒を竹踏みの竹のかわりにしないでください。転倒の恐れがあり大変危険です。
5 経 過
筆者も何度も試してみましたが、していると肩の筋肉を中心に熱くなってきます。初回はいつもは使っていない筋肉を使うので、肩や首筋のこりとなってあらわれます。しかし、繰り返すうちに、だんだんとこりは取れてきます。
面白いからと言ってし過ぎないようにしてください。なお、棒に力をこめると若い方の筋力トレーニング(ストレッチ)にもなります。
棒ですから、剣道や野球の動作をすることもできます。他にも色々な形が考えられます。
適当な名を付けみなさんに紹介してください。足の運動が今後の課題です。
6 形(動作)のあらまし(一人用) ※代表的なのを紹介します。
基本リズムは、1,2,3,4 5,6,7,8 で行います。
早くしないでください。リズムはあくまでも、動作のめやすです。
形名をもとに、適切なイメージを思いながら行ってください。
※ 指先にも気持ちを集中、無意識はいけません、延び切るイメージをもつことが大切。
(1)バーベル
重量挙げのバーベルのような動作です。棒の両端を持ち、両肩とうなじで棒支え、1,2で肩の筋肉に押し付け、3,4で持ち上げます。肩から背中にかけての筋肉が痛いかも知れません。(注:しばらくは肩こりの原因となります。)
(2)首ローラー
バーベルの時と同じように持ち、1,2で左手を前に引きます。3,4で右手を引きます。首筋を棒で柔らかくマッサージしてください。5,6,7,8で同じように繰り返します。
※ 塩ビパイプだと弾力があって心地よい。
(3)メトロノーム
棒の両端を持ち、頭上にあげ、身体全体を左右に傾ける。ゆっくりとしてください。
(4)自由の女神
棒の両端を持ち、左手を上側にし、そのまま上へゆっくりと突き上げます。棒の端を持ち、左手がすっきりと伸びます。右手へもスムーズに身体の前面でジェットコースターのように棒を移動してください。
(5)振り子
両手で棒を両端を持ち、身体の前に手と棒の3角形を作り、そのまま水平にゆっくりと回します。動作の最後には力を溜めてください。
(6)乾布摩擦
背中をタオルの乾布摩擦のように肩から腰にかけて棒でマッサージします。1,2で腰の方へ、3,4で肩の方へ動かしてください。左右持ち替えてください。
※ 棒の表面がなめらかでないと服を傷つけてしまいます。
(7)カヌー
オールのように構え、左右持ち替えて漕いでください。
※ ボートを漕いでいるイメージ、人数が多いときは、集団で息を合わせて漕いでも面白い。
(8)手裏剣
まず左手で棒の中央を持ち、手首を使って手首を中心に時計の針のように半回転してください。同じように右でも行ってください。
※ 保持するのが難しいときは、右手で左手をサポートしてください。
(9)ビリヤード
ビリヤードそのままです。ただし、押すとき、反対側の手で、わざと出ないようにしてみてください。狙いを定めて左右同じように。
(10)ハンドル
棒の両端を持ちながら、車のハンドルのように身体の前で回してください。さらに、棒の中央を両手で握り、回してください。(バトンのように)
(11)尺取虫
棒を前に持ち、下から上へと尺取虫のように左右の手を交互に握り替え上まで、そして後戻り。
(12)垂直バランス
手のひらに棒を立てバランスを5秒間保つ。左右の手でしてください。
※ 人、物にぶつからないよう注意してください。
(13)雑巾しぼり
両手で棒を水平に持ち、雑巾をしぼる要領でしぼってください。しぼれたら反対回転でもう一度。
(14)膝ローラー
両手で棒を持ち、膝をローラーのようにマッサージ。尻や腿の方もするとよいでしょう。
※ セルライト(脂肪細胞の塊)の予防、解消になるかも。
(15)腹ローラー
お腹の上を伸ばすようにローラーマッサージをしてください。(ひっこめ、ひっこめでしょうか?)
※ 身体全体に刺激を与えてください。血流を活性化してください。
(16)杖
棒を床に立て、それを支えに膝の屈伸。
※ ゆっくりと、慎重に。
(17)独楽 こま
棒を腰の後ろに回し、棒の両端を持って、腰を中心として左右に回転。
※ 腰に強く当てるとマッサージにもなります。
(18)背泳
両手に棒を持ったまま、背泳の要領で手を動かしてください。できるだけ高い位置ですると効果が高い。
(19)懸垂(深呼吸)
棒の両端を水平に持ち、頭上から足元へ上げたり下ろしたりします。
※ 上げたとき吸って、降ろすとき吐く。一連の体操の最後にするといいでしょう。
(20)肩たたき
棒を片手で持ち、肩を棒で叩いてください。強くするときは根本で、弱くするときは先の方ですると良いでしょう。
※ 後ろに長く棒が突き出ますので、人、物との衝突注意、
(21)啄木鳥 きつつき
棒の先で足の裏のつぼをグイグイと押してください。その他、身体の色々な部分を棒でマッサージしたり軽く叩いて刺激してください。
(22)うどん打ち
(23)おんぶ
手を伸ばし、背中で棒の両端を逆手に持ち、そのまま上下します。
(24)空中ブランコ
棒の両端を持ち、頭上に持ち上げ、身体をそらします、次はそのまま足下まで身体を傾けます。ダイナミックにすると空中ブランコのようです。
(25)棒高跳び
棒の両端を持ち、腕を伸ばし、前で水平に持つ。片足ずつ棒に当たるように、ゆっくりと足を上げる。足は伸ばしても良い。
また、左足を右手の方へ、右足を左手の方へ足をふっても良い。難度は高くなる。
(26)あっちこっち
棒の両端を持ち、水平の位置で肘を曲げて棒をシャトルのように左右に動かします。
(27)マジックハンドでタッチ
横になり、棒を片手でお腹の前に垂直に立て、上側になっている足のつま先で棒の先端にタッチ、タッチしたら元の位置へ足をもどします。
※ 棒の先端が難しい人は、棒の中ほどにタッチ。
(28)イナバウアー
背中より少し離れた位置に、棒の上部を両手で持ち、そのまま腰に当てます。それを支え(あくまでも補助)として後ろにのけぞります。棒が外れ転倒する危険性もありますので特に注意してくさい。しかし出来ると背中がすっきりとします。最初から極端なイナバウアーは無理です。
(29)クロール
水泳のクロールと同じようにします。棒の両端を持ち、クロールで泳いでください。大切なのは頭より高い位置ですることです。
以下、考案中
麺棒体操集団編 もどうぞお試しください!
麺棒体操は、ふれあいいきいきサロンや、施設の福祉活動にも応用してください。 |
(1)機関車
2人が対面で少し離れて立ち、麺棒2本の両端を両手を使って持ち、交互に押し合いましょう。
(2)雑巾しぼり
2人が対面で少し離れて立ち、1本の麺棒の両端を持ち、反対方向に雑巾をしぼるように回転させる。反対方向なので負荷がかかるので、無理にはしないようにする。
(3)ブーメラン
対面で少し離れて立ち、片方が麺棒の端を持ち、相手に手渡す。受取手は片手で棒を受け取り、身体の後ろへ回し、反対に持ち替え同じように相手に渡す。何回か繰り返す。2人から3人へと人数を増やすと面白いと思います。スラロームを入れるとさらに楽しい。
(4)フォーメーション(編隊)遊び
誰か一人の合図で、みんなで協力して棒を使って、形(×・△・□・☆等)を作る。早くて出来たチームが勝ち、形は色々考えられます。マッチ棒でシミュレーションしてください。
※ 単調な体操の練習の中に取り入れ、場を楽しく盛り上げてください。棒には名前や目印を付けておきましょう。
(5)流しそうめん
棒が水道のパイプの場合は、何人かでパイプをつなげましょう。ビー玉を端から入れ、反対から早く出たほうが勝ち。きちんと1本のパイプにしないと途中でこぼれます。こぼれたところからやり直し。
※ 音に注意をしましょう。パイプの数ををだんだん増やすと難度が高まります。
以下、考案中
<番外編>2
ハンガー体操もどうぞお試しください!
旅行先のホテルや旅館で、旅のお疲れおとしにどうぞ。 |
8 責任(十分ご理解ください。)
色々な病気の症状を改善するものではありません。あくまでも健康増進のための体操です。自己責任において行うようお願いします。棒の保管にも注意をお願します。
3Rを、福岡県民謡「炭坑節」に歌い込んで見ました。ぜひ、学校で、ご家庭で、地域でお歌いください。
もったいない節 (炭坑節の旋律で)
2009.3.7
作詞 大森 洋
ごみはないない ごみはない(ヨイヨイ)
ごみがないから 手間いらず
みんなで減らそうよ ごみの山
さぞや、地球に、やさしいかろ(サノヨイヨイ)
ごみが出た出た ごみが出た(ヨイヨイ)
資源豊かな ごみが出た
まだまだ使えるから 再使用
さぞや、地球が、うれしいかろ(サノヨイヨイ)
ごみが出た出た ごみが出た(ヨイヨイ)
資源豊かな ごみが出た
分別しようよ リサイクル
さぞや、未来は、明るいかろ(サノヨイヨイ)
※3R
Reduce リデュース:減らす
Reuse リユース:再び使う
Recycle リサイクル:再資源化
※ ご意見・ご感想をお寄せください。
【クロニクル】
2006.12.6 現在、「麺棒パズル遊び」を考えています。グループで、指定された形をつくるものです。
2006.12.28 内容を更新しました。
2007.8.18 クロールを追加しました。
2008.2.20 パワー注入を除き、背泳を追加しました。
2009.3.7 もったいない節を追加しました。