はじめに
〜 どうして自転車なのか 〜
平成11年5月1日開通した「瀬戸内しまなみ海道」。広島県尾道市と愛媛県今治市を島伝いにむすぶこの海の道の最大の特徴は、自転車・歩行車道が整備されていることです。本四架橋ほかの2ルートにはないこの点は、しまなみ海道をしまなみ海道たらしめる特徴であり、これを生かさない手はないものと断言できるでしょう。 |
伯方島で生まれ育った私は、小・中学生の頃何度か大三島橋や伯方・大島大橋を渡ったことがあります。その時の記憶は、橋までの坂道が急でただただしんどかったというだけで、橋の上からの景色に感動する余裕はありませんでした。今自転車道は登りやすいよう傾斜が緩やかになっており(その分道のりは長くなってますが)、ギアの無い自転車でも比較的楽に橋までたどり着けます。私自身も99年秋のとある週末、自転車でいくつかの橋を渡ってみました。このとき渡ったのは来島海峡大橋(第一・第二)、大三島橋、多々羅大橋、生口橋の5橋ですが、このときの様子は「しまなみコラム」に掲載しているので詳細は省きます。とにかく感動しました。島育ちの私でさえも。特に開通したばかりの来島海峡大橋と多々羅大橋は巨大な橋の眺め、その橋から見た海の眺めともに実にすばらしかった。自動車では何度か通行したことがありましたが、その時とは全くと言っていいほど受けた印象が違いました。車で颯爽と海峡を横切るのも悪くはないのですが、自転車で風を感じながら、景色を楽しみながら、橋の上でしばらく休んだりしながら、ゆっくりと自転車をこいでいくのは最高に贅沢な時間の使い方といえるのではないでしょうか。今度時間ができたら、尾道から今治まで全橋を走破しようと思っています。 「すばらしい」とか「感動した」とかありふれた表現でしか伝えることのできない自分がもどかしいのですが、是非一度自転車で、もしくはご自身の足でしまなみ海道をわたってみてください。 |