恋愛日記


<25>

 ぼくたちは、ブランチを楽しみ、昨日の事やいろんな事を話した。

 でも、もう直、また、離れ離れになってしまう。

 らら「1時に東京駅だったよね。」
 勇「うん。寂しいなぁ。ずっと居たいのに。」
 らら「うん。私もずっと一緒に居たい。」

 らら「また、来てくれる?」
 勇「必ず来るよ。約束する。」

 らら「今度は私が行こうかなー」
 勇「うんうん。でも、遠いよ〜」

 東京駅。。。。。

 新幹線を待つふたり。
 ホームへ滑り込むように、新幹線が到着する。

 勇「また来るからね。」
 らら「うん。」

 気のせいだろうか、ららは少し涙ぐんでいた気がする。
 ぼくは、ららを引き寄せると、ぎゅっと抱きしめた。

 そして、そっとくちづけをした。 

 プルルルルルル・・・・

 出発の合図がぼくたちを引き離す。

 勇「じゃぁ、またね。」
 らら「うん。ありがとね。」

 現実が、ぼくたちをまた遠い世界へと引き戻して行く。


 「いま別れたばかりなのに、もう会いたいよ。 らら」


<26>

 あれから、2ヶ月・・・

 ぼくたちは、また、電話とメールの日々になっていた。
 季節は、秋から冬に変わり、街はクリスマスのイルミネーションが
 鮮やかに街を行き交う人を照らしている。

 真っ暗な夜空には、星が瞬き、吐く息は白くなっていた。

 クリスマスとなれば、恋人たちにとってたは、一大イベント。
 ロマンチストな夜をふたりで楽しむだろう。
 夜景の奇麗な場所で、愛を誓い合うのかもしれない・・・

 だが、ぼくたちは遠く離れ離れ。
 クリスマスをどう祝うか。。。電話をかけるしか、手段はなかった。

 人の欲望とは、一度満たされると、更に満たしたくなる。
 一度会うと、また、会いたくなる。
 それが、お互いを想い合うなら、尚の事会いたかった。
 普通の恋人たちのように・・・

 クリスマスイブ。
 街は、クリスマスソングで溢れていた。

 そして、ぼくは、今ここにいる。

 プルルルル・・・
 ぼくは、いつもより早くららに電話した。

 らら「はいはぁーい 」
 勇「はいはぁーい」
 らら「今日は、電話早いねぇー」

 時刻は、夕方の6時を指していた。
 夕方と言っても、もう、辺りは暗くヘッドライトが眩しい。

 勇「うん。声が聞きたくなったから。今、何してる?」
 らら「おうちで、ご飯作ろうかなぁーってしてる。」

 勇「そっかー じゃぁ、どこか食べに行こうか!?」
 らら「一緒に行けたらいいのにね。」
 勇「じゃぁ、一緒に行こう!」
 らら「えっ でも、無理じゃ・・・・」

 勇「てへへ。」
 らら「ホントに! ホントに!!」
 勇「迷惑だったかなぁ〜」
 らら「バカッ うれしいに決まってるじゃない。」

 1時間半後、ぼくたちは東京駅で待ち合わせた。
 会ったとたん、ららは飛びついてきた。
 少し嬉し涙を浮かべながら・・・・

 そして、ぼくはそっと囁いた。

 勇「メリークリスマス」
 らら「ばか・・・・



 <完>