思ひ出 Wα カブト虫<後篇> の巻

ある日、十数年ぶりにカブト虫を飼う羽目になった大佐。
そこに思い出されるエピソード
何で、28才にもなってカブト虫なのさっ
後編である。

  

前篇のあらすじ・・・オオクワガタが・・・


 んなわけで、よく小さい時には、山に取りに行ってた。
そして、カブト虫を飼っていると、よく卵を産むのである。
クワガタ虫と違って、カブト虫は比較的育てやすい。
クワガタは腐りかけの木がいるとか、面倒なのだ。
で、卵を産んだかどうかわかんないし・・・・
そんなわがままなクワガタより、私はカブト虫の方が好きだ。
その点、カブト虫は地中に産むからすぐに分かる。

しかし、いつも途中で失敗しちゃうんだよね。
あれなんでだろうね。
水槽を引っくり返したりさ、そのまま忘れ去られたり・・・失敗率は大きいんだよね。
しかも、さなぎになったらなったで、毎日、触っちゃうんだよね。
だから、今までで成功したって記憶がほとんどないの。

成虫になったとしても、背中の羽の部分が凹んでたりするしさ。
カブト虫ってさなぎから成虫になっても、しばらくは、角の部分だけさなぎ状態の時があるんだよ。
それがまた、気になるって言う物じゃない。
絶対、触っちゃうんだよね。
結果としては、角が曲がっちゃうんだけどね。
あちゃ〜 また、やっちゃったよ。って・・・

で、本題・本題。

 年の夏休み中に、高速のサービスエリアに止まった時の事である。
そこは、通常のサービスエリアに、もう一つハイウェイオアシスなる物が建てられているのだ。
そこは、この土地の特産物や、食事が出来たりして、
サービスエリア’(ダッシュ)みたいなものだ。
時間的に余裕があったので、そこへと訪れてみる。

ふと、駐車場から見える、一つの看板「オオクワガタ500円」
安いじゃん!!皆が口を揃えて言う。そりゃそうだ、黒いダイヤが500円なんて・・・・

近くで見ると、小さい字で『当たる』と書いていた・・・・
まぁ、お決まりと言えば、それまでだが、それより「やっぱりか!」の方が早かった。
そんなおいしい話があるはずがない。
いくら、ここが田舎でも、そこまでひどくはないのだ。高速まで通っているのだから。

で、話しの流れ上、そのスピードクジをする事となった。
当たれば、数万円にもなる黒いダイヤ オオクワガタである。

どす黒いギャンブラーの血が沸きあがる。

いざ、勝負!!店の兄ちゃんに500円を渡すと、クジを引く。
来い!カンチャンズッポシ!!

『スカ』

一同、ガクッ 一斉にうなだれる・・・・
まぁ、そんな甘いわけがないわな。
あんた、そんなにクジ運ないじゃん。と、自分に突っ込みながらも、スカ賞を見る。
「クワガタ、もしくは、カブト虫2匹」
ん〜 安いのか高いのか、判断に悩む所ではある。

仕方ないので、カブト虫をつがいでもらう事にした。
確か、家に水槽とかがあったよな。もう、十数年前だけど・・・・・

私は、カブト虫を家に連れて帰ると、物色しようと、物置へと向かう。
しかし、重大な事を忘れていた・・・・

物置の今の状態は、自らが片づけ(強制労働)をした為に、
何もかも捨てられていた!!

何もない!!そう言えば、先々週位に、水槽なんて使わないやって捨てたような・・・

迂闊であった。残しておくべきだった。
しかし、今から考えても仕方ない。
早速、ホームセンターへと行き、水槽を買ってくる780円である。
そして、家にあった、園芸用の腐葉土と、畑の土を混ぜ、即席のカブト虫小屋を作り上げる。
流石に、過去何度も作った事があるだけあって、手早い作業だ。
そして、カブト小屋となった水槽は、玄関の片隅にひっそりと置かれる事となったのだ。

そこを通りかかるたびに、覗かれてる運命ではあるが・・・・

その後、カブト虫がどうなったかは、また、続編を書きたいと思う。
覚えていたらの話しだが・・・・

教訓: カブト虫 500円 水槽 780円 占めて、1280円
人間記憶は大切だと思います。

        




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