思ひ出 Wα カブト虫<前篇> の巻

ある日、十数年ぶりにカブト虫を飼う羽目になった大佐。
そこに思い出されるエピソード
何で、28才にもなってカブト虫なのさっ

  

 年も、例年のように24時間テレビが始まった。徳光さんは、いつものように全国民に向けメッセージを送る。
今年のナインティー・ナイン+国分くんの「ぐるナイ」コンビは、オオクワガタを見つける事を企画し、
夜中、がんばって捕まえるように、放送をしていた。

今までも、そんな真剣に24時間テレビを見た記憶はない。
ただ、見るでもなくテレビがついているのを、眺めている。そんな記憶しかなかった。
今年も例年と変わらず、その気持ちは変わらなかった・・・・
しかし、たまたま見ていたシーンがオオクワガタだったのだ。

オオクワガタ・・・・天然物で体長7.5cmを越えると、数百万〜一千万円の値段で売買されると言う。
           通称「黒いダイヤ」 東南アジアの方では、日本人向けにオオクワガタを取る職業があるらしい。

全く持って、日本人の道楽趣味。虫に何故、数百万もかけるのか・・・・
でも、私も興味がないわけではない。
小中学の頃は、これでも友達や、父親、弟と共に、山に仕掛けを張り、取りに行ったものだ。
日のある内に、仕掛けを木に吊るす簡単な物だ。
そして狩りは、日が沈んでからか、もしくは早朝に行なわれる。
すると、数カ所仕掛けをかけた所に、数匹かかっているのだ。
だから、あんまりカブト虫を買うって言うイメージが湧かないのだ。
都会の方では、デパートで売っているものとしか、イメージが湧かないかもしれないが、
ここ愛媛では、ちょと山に入ればカブト虫やクワガタ虫などは、取れるのである。

でも、今はどうなのかな〜

私のPOINTの近くには、高速道路が走り、数は各段に減っているんだろうな。
こう言う場面で、自然が少しづつなくなっているのをしみじみと感じるのである。

 る年の頃、そうあれは中学1年の夏だったと思われる。
友達と、カブト虫を捕まえに行こうと言う事になった。昼間の奇襲攻撃である。
この奇襲攻撃とは、カブト虫や、クワガタ虫が寝静まっている頃、木の穴や、木周辺を探すと言う物だ。
数人で、山に入りカブト虫などを探す。
しかし、何故かこの日は、その姿すらを見ることは出来なかった。
そして、POINTを転々とし、ついに神社の境内へと辿りついていた。
友達の一人が一本の木に手をかけたのだ・・・・彼を少年Aとしておこう。
少年Aも焦っていたのだろう、木の穴を探る時は、細い枝や棒などを使うのだが、
その穴は普通よりちょっと大きかった。
そして、おもむろに指を入れる。

少年A「いてっ!!!」

何かに噛まれた、あるいは、刺されたようだ。
見る見るうちに、指は腫れ上がり、赤くなってきている・・・・
何に触ったのかは、今でも不明であるが、あれは一体なだったのだろう。
焦った我々は、おたおたとする。
ある者は、「罰が当たった」といい、ある者は、病院へと言う。
今考えると、罰って何の罰やねんって思うが・・・
皆、その指が大変な事になっている状況でパニックになりかけていた。
私もその内の一人だった・・・・

ふと、私は、その時境内に置かれている、清めの水が目に入った。
そして、その友を水が湧き出す、その場所へと連れて行くと、おもむろに指を洗わせた。
どれくらい経ったのだろう・・・・
水につけている指の腫れがどんどん引いていくではないか。

やっぱ、神さまの清めの水って効くんだね。

きっと、毒素が中和されていったんだろうね。不思議・不思議。
でも、あの時はほんとびびったよ。
指が腐るとか、怒られるとか・・・いろんな想像をしたもの。
まぁ、事無きを得た我々は、二度と神社の木には近づかなかったけどね。

って、そんな話をするつもりではなかったのに、ついつい長くなってしまってるよ。
と、言う事で、本題は後編で・・・・

                                           ・・・・・つづく

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