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離断性骨軟骨炎の症状は投球時の痛みであるが、初期では、練習終了後は速やかに痛みが消失するために単なる使い痛みと勘違いされることが多い。少し症状が強くなると、関節の腫れがでたり練習後にも痛みが残ったりするが、この時期にはすでに中期以降に進行していることが多い。
初期には症状が非常に軽度であるが、この時期の軽微な症状を見逃さないことが重要で、肘が完全に伸ばしにくくなる事が多いです。ごく初期であれば数ヶ月の投球禁止で治癒することもあるが、この時期には症状も軽度で、本人や周囲の人たちの病識も悪いために十分な安静が守れず、進行してしまうこともあります。手術なしで治癒することもありますが、通常は1年以上の治療(投球禁止)期間が必要であり、特に学生選手にとっては現実的でないことと、病院受診時にはすでに進行していることが多いので、手術が必要になることも多いです。
離断性骨軟骨炎は進行してしまうと投球動作に関わるスポーツが十分出来なくなるどころか、成人期以降も変形性関節症を発症し、痛みが出たり、動きが悪くなったりすることがあり、早期発見・早期治療が重要です。

                 

    

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