【肩関節障害】

腱板損傷・断裂

肩関節の安定性が悪いために起こる、二次的なものです。断裂の主な原因は変性とそれに伴う腱の強度低下が基礎にあり、そこに繰り返しの牽引力が働く事によって断裂が生じます。
腱板筋群の強化とバランスが重要です。一旦部分断裂以上の損傷を来した腱板は自然には修復されません。そうなるまでの時期にしっかりと原因を除去し、治療することが大切です。
野球などの投球動作を行うスポーツの他、バレーのアタック、テニスのサーブや水泳でも見られることがあります。
症状は主に挙上時の痛みです。断裂を起こしてしまった場合、手術治療が必要な事がありますが、予防がとても大切です。

説明: http://shoulder-doctor.net/s_illuness/0_d_6_p2.gif


上腕二頭筋長頭腱炎


上腕二頭筋の長頭腱という腱が肩関節近くの結節間溝と言う、骨の溝を通っています。そこを抜けると約90度向きを変えて肩甲骨に向かいます。そのため、骨との間に刺激が生じやすく、投球動作やテニスのスマッシュ、バレーのアタックなど肩の繰り返し動作で炎症を起こしやすくなります。
症状は肩の運動時痛で、主には前方に痛みが生じます。結節間溝に圧痛があることが多いです。手術治療が必要になることは余りありません。

SLAP損傷

上腕二頭筋長頭腱という腱が肩関節内を走行しており、肩甲骨関節窩の上部の関節唇と付着しています。この部分が投球などのストレスによって引っ張られ、関節唇とともに骨からはがれてしまう病態です。肩の痛みやクリック音が生じます。

説明: http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/12jouwan202.gif   説明: 肩関節


五十肩(肩関節周囲炎)

中年以降に発生する、肩関節の痛みと動きの制限を伴う病態です。肩関節とその周辺組織に炎症を来すため、炎症を起こしている部位、炎症の程度によりさまざまな症状を起こします。
症状と時期によって急性期、慢性期、回復期の3段階に分類されます。

症状は肩周辺のかなり広い範囲に痛みを感じ、安静にしていても痛みは強く、夜間に激しいのが特徴です。その痛みは肩だけでなく、時に肩から上腕にも放散します。 夜間に痛みが強くなるのは、肩が冷 えることや、寝ている時に肩に長時間圧力が加わることが原因と考えられています。
また、日常生活で衣服の着脱、帯を結ぶ動作、入浴時(体や髪を洗う動作)、トイレや、腕を上に挙げようとする動きによって痛みが出たり、強くなったりします。そのため、肩関節の動きはかなり制限されます。 説明: 肩関節