銀河鉄道の夜

 手元に絵本「銀河鉄道の夜」(原作・宮沢賢治、影絵と文・藤城清治、講談社)がある。
ジョバンニがカンパネルラと別れる直前、
「ここは空のトンネルだよ。いまコールサックの中を走っているんだ。」「カンパネルラ、ぼくたちまた二人きりになったね。どこまでもいっしょにいこう。ぼくはもうこわくない。・・・・・・・・」


 何度も読んでいたのに気がつかなかった。コールサックの意味がよくわからず、イメージだけで読み飛ばしていた。
 昨日、テレビで「銀河鉄道の夜」の紹介があり、この部分は石炭袋となっていた。

ブラックホールだ!ブラックホールに違いない!と心の中で叫び、ほくそ笑んだ。(^_^)v

 さっそく、青空文庫で「銀河鉄道の夜」を読み返すと、絵本「銀河鉄道の夜」とは少し違って書かれていた。

「あ、あすこ石炭袋(ぶくろ)だよ。そらの孔(あな)だよ。」カムパネルラが少しそっちを避(さ)けるようにしながら天の川のひととこを指さしました。ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまいました。天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいているのです。・・・・

 「石炭袋」「そらの孔」、まさにブラックホールだ!宮沢賢治は、ブラックホールを知っていたのだ。これはすごい発見だ!・・・

と、「石炭袋」「ブラックホール」「宮沢賢治」で検索をかけると、出るわ、出るわ。結構有名な話だったようです。ただし、石炭袋(コールサック)は、ブラックホールではなく、正体は暗黒星雲とのこと。残念!

(2004/3/14、TAKA)

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