深青色?濃青色?

 フェノールフタレインの赤色もよくわからないが、さらに厄介なのが銅や鉄の化合物の色。

 教科書(数研出版)等によると、テトラアンミン銅(U)イオンの溶けた水溶液は「深青色」、 鉄(V)イオンとヘキサシアノ鉄(U)酸カリウムの沈殿(ベルリン青、紺青)は「濃青色」。

 「深」と「濃」の違いがよくわからない。検索してみると、何点かこのことについて触れているが、 「違いはない」「区別できない」がほとんど。2〜3見られたのは、「深青色」に「きれいな」や「見事な」の修飾が付いている??

 さらに変な表現が、「青白」。いったいどっちなのだろう、青と白の中間のいわゆる水色を指しているのだろうか。(「数研出版は淡青色と表記)

 下のイラストは、実験による溶液や沈殿の色を再現したもの。左から、
硫酸銅(U)水溶液の「青色」
テトラアンミン銅(U)イオンの溶けた水溶液の深青色
鉄(V)イオンとヘキサシアノ鉄(U)酸カリウムの沈殿(ベルリン青、紺青)の濃青色
水酸化銅(U)の淡青色(青白色)
である。


銅(U)イオンの テトラアンミン銅(U)イオンの溶けた水溶液 立体メガネ 立体メガネ
青色
深青色
濃青色
淡青色(青白色)

  「濃深淡」関係図
 やはり「深青色」と「濃青色」は、はっきりとは区別がつかない。 がなんとなく、の深青色がすっきりしている・・・?ある仮説が浮かんだ。

 溶液は、当然濃いものから薄いものもある。また、色の濃さも光路長(溶液中を進む光の距離)に関係する。すなわち、溶液の色は「濃い」では具合が悪い。 と言うわけで「深い」を使用しているのではないのだろうか。

 右図は、仮説「濃深淡」関係図である。RGB値で、右上が#0000ff(青)、左上が#ffffff(白)、右下並びに左下が#000000となっている。

 「深青色」は、#0000ff(青)のB値のみが小さくなり、濁りがなくすっきりした「きれいな」「見事な」深い青と考えられる。 高度の高い場所での青空の色も「深青色」であろう。

 沈殿には、光の散乱が生じる(本当かどうかはわからない)ため、やや濁る(RG値が少し大きくなる)。 B値が小さくなると同時にRG値が少し大きくなるなったのが「濃青色」であり、B値がそのままでRG値が大きくなったのが「淡青色」。

 結論:濃い溶液は「深」、沈殿は「濃」「淡」で表している。

(2009/9/22、TAKA)



ピンク?桃色?色カタログ

トップページへ