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銅樹、銀樹をアガーで固定!?

 金属の銅や銀が、水溶液の中でまるで樹のように成長する金属樹は、興味深いだけでなく神秘的なほど美しい。

 金属樹は、金属のイオン化傾向の大小(亜鉛>鉄>銅>銀)で生成します。イオン化傾向の大きい金属を、イオン化傾向の小さい金属の塩の水溶液に入れておくと、大きい金属はイオンに代わりに小さな金属が析出します。 例えば、銅線を硝酸銀水溶液に入れると銀樹が、また鉄線を硫酸銅水溶液に入れると銅樹ができます。これらの金属樹は、非常に美しいのだが、残念ながら固定が困難であり振動等により崩れてしまいます。

 透明度の高いアガー(多糖類の凝固剤、寒天やゼラチンとは異なる)中での金属樹を試みたので紹介します。下写真の左と中は、硫酸銅水溶液を加えたアガーに鉄くぎや針金を入れたものです。 アガーが少し濁ってしまうこと、硫酸銅水溶液が酸性のため気体が発生すること等の問題点は見られますが、立体的に固定でき観察しやすいので、今後改善していきたいと思います。

 アガー銀樹は、アガーが褐色に変色してしまったので失敗、下右写真は普通の銀樹です。
アガー中の銅樹 アガー中の銅樹 銀樹


  

(2016/11/6、TAKA)

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