科学の色

ろうそく(2)

溶けたろう

透明と白、そして金属

 ろうそくは白いが、溶かすと透明になる。 右の写真は、藍のろうけつ染めをしたときのもので、当然冷えて固まると再び白くなる。

 液体が透明で固体が白いものに水と氷がある。 透明な氷を作るには、水に溶け込んでいる空気を完全に抜けばよい。(家庭で透明な氷を作るのは結構難しいようだ。一度沸騰させた水をゆっくり凍らせるとよい)

 それでは、透明なろうそくを作るにはどうすればよいか。 そもそもろうそくが白いのは、ろうに空気が溶け込んでいるためだろうか?

 無色透明な物質には、 
気体:空気、酸素、水素、窒素等
液体:水、エタノール、食塩水、溶けたろう等
固体:ガラス、ダイヤモンド、氷、酸化チタン等
がある。これらの共通点を考えている内に、ふとあることを思いついた。

 無色透明なものを砕くと白くなる!

 ガラスやダイヤモンドの粉末は、白い。 無色透明な酸化チタンの薄膜は、虹と同じように7色に輝くが、 その粉末は真っ白な顔料として使用されている。

 雲が白いのは、細かい水滴のためであり、氷が白いのは、空気が粉末の働きをしていると考えれば理解できる。

 白は、全ての波長の光が反射しているはずだが、無色透明な物質は光を透過し、全く反射は考えられない。 全てを反射するのは金属(鏡)であり、金属は白くない。

 問題は、さらに複雑になった。無色透明と白、そして金属!さらに、透明なろうそく!

(2008/4/15、TAKA)

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