MTBのレースだ!の巻(その7 戦闘開始) 

2000.06.13

 「あれ」の為に、準備周到の大佐とチャボ。
開会式に一体何が起こるのか・・・・
     

      営者「只今より、開会式を行います。」
     「まずは、小田町の町長の挨拶・・」
     町長「え〜、おはようございます。・・・・・・・・」ありがたいお話が延々と続く・・・・

     まるで、小学生の朝会のようだ。
     そんな事を思っていると、どうやら開会式も終盤に差し掛かっていた。
     そして、とうとう「あれ」の時間が来たのだ。
     「あれ」とは、餅まきである。
     皆、一斉に押しかけ、そこは修羅場と化す。じつに恐ろしい光景である。
     子供だろうが、大人だろうが、じいちゃんだろうが・・・・・一種の鬼である。
     そんな中に紛れ、私とチャボも懸命に餅を取る。
     しかし、周りに圧倒され、思うように成果は出なかった。
     大佐「はぁ、今年は厳しかったな〜」
     チャボ「そうですね〜、しかも、去年より投げる数が減ってましたよ。」
     大佐「そうか、やっぱりそうだったか。わしもあまり取れなかったわけだ。」
     二人合わせて、10袋程度の餅をGETした。
     しかし、去年は買い物袋に入りきれないほどの餅をGETしたはずなのに・・・
     今年の成果はいまいち・・と言うより、全くだめである。

     大佐「チャボは、何時にスタートだ?」
     チャボ「え〜っと、10時頃ですかね。」
     大佐「そうか、じゃぁ、もう少ししたら、レース場に行かないといけないな。」
     チャボ「そうっすね。あぁ、結構、憂鬱っすね。」
     大佐「まぁ、やるだけ、やってこい!」

     そして、簡単に準備を済ませた我々は、一路レース会場へと急ぐ。
     大佐「おぉ、もう、みんな並んでるぞ。さぁ、行ってこい!そして、ぶっちぎってこい!」
     チャボ「そんな無茶な〜 」
     ぶつぶつ言いながらも、スタート地点に立つ。
     しかし、苦しいのはこれからなのだ。

     レース前に、集合地点に集まるだけで、胸は高鳴り、心臓はバクバクと音を立てる。
     全く持って、とてつもない緊張感だ。
     それが堪らなくいいと感じてしまう時もあるが、胃が収縮し、吐き気さえも催す時もあるから、不思議なものだ。

     係員「スタート1分前です。
     おぉ、見ているこっちもどきどきしてくる。
     そして、遂に火蓋が落とされる。

                        

     係員「10秒前、9・8・7・・・3・2・1、スタート!
     各車、一斉のスタートである。
     解説のアナウンサーのマイクの声も鳴り響いている。
     スタート地点から、山道への平坦な場所では・・・・
     7位に着けているではないか!!
     50数人居る中で、7位だ!
     入賞も夢ではない!私は、声の限り応援した。
     大佐「行け〜!!!!」

     全く持って、競馬場で見かける、赤鉛筆を耳に挟み、新聞片手に吠えるおっさんの如き状態である。
     (実物を見た事はないが・・・)

     私は、コースへと足を進め、応援を繰り返す。
     チャボは、ノービスクラスに出場しており、長いコース3.3kmを2周する。
     一周が長いため、なかなか帰ってこない。
     その為にコースの内部へと行き、応援するのだ。

     おぉ、トップの姿が見えてきた。
     チャボの姿は一体どこにあるのか。
     ・・・・・
     しかし、待てども帰ってくる気配など、微塵も感じられない。
     まさか、転倒・・・よくあるパターンだ。
     しかも、前日の雨である、コースは緩み、転倒しやすくなっているだろう。
     ・・・・・
     しかし、ようやく、姿が見えてきた。
     トップから数えること、20数人。
     大佐「がんばれ!!!行け〜!!!」
     でも、こけてなかったな〜???

     考えてみれば、酷な話である。
     がんばっている人に、「がんばれ!」の声援。
     これ以上、がんばれるか!!と言いたいのは、単純な考えだろうか。

     しかし、今のチャボの顔、うらめしそうだったな〜
     そんな事を思いながらも、私はゴール地点へと戻る。
     途中、昨日買った、抽選券をここ(コース上)まで、売りに来てるではないか。
     売っているのは、如何にも若そうな女の子3人組みである。
     大佐「あれ、出張ですか?売れてる?」
     あまり熱心に売られては、私の確立が減ってしまう。
     そんなせこい事を考えながらも、売れ行きを確認する。
     3人組み「ん〜、がんばって売ってます。」
     大佐「(がんばらんでええっちゅうねん。) あんまり、がんばらずに、がんばってね。」
     意味不明な言葉を残し、私はゴール地点へと向かった。

     そして、とうとう、ノービスクラスのトップが、ゴールに向けて帰ってきた。
     果てして、チャボの運命は〜!!

     焦らせて、焦らせて、ごめんなさい。
     続きは次回の講釈で・・・                             続く・・・・