虹の如くの巻(その9 開会式) 
痛さに悶える大佐。
レースの開会式は、もう、始まるぞ!!

 大佐「痛いよぉ〜」

車の側に座り込み、ひたすらにマッサージを続ける。
しかし、痛いものは、痛い!!
これが、本当につっただけの痛さなのか???
かなり疑問符が頭の上から湧き出てくる。

ちゃぼ「ほんとに、大丈夫なんすか?」
大佐「大丈夫だったら、苦労はせんさっ あぁ〜 レースに間に合うかな〜」
ちゃぼ「そんなに痛いのに、まだ出るつもりなんすか?無理っすよ。」
大佐「やっぱり? でもねぇ、ここまで来ちゃったしな〜」

痛みを堪える私達に、無情にも開会式への招集を呼びかけるアナウンスが流れる。

ちゃぼ「呼んでますよ〜」
大佐「あぁ〜 じゃぁ、行くか・・・」

痛い足を引き摺りながら、再び、階段へと向かう。
階段を降りる時も痛かったが、登る時の方が、格段に痛い。
どうやら、筋の方まで痛めているようだ。
筋が伸びる方向で、痛さが伝わってくる。

大佐「ちゃぼ・・・わしはもう駄目じゃ・・・・」
ちゃぼ「だから言ったじゃないですか。今日は棄権しましょう。」
大佐「だがな〜 うっ 痛い・・・」
ちゃぼ「でしょ。登りを押さなくちゃいけないですよ。無理ですよ。明日、会社に行けなくなりますよ。」
大佐「それは、それでおいしい・・・・」

・・・・・

大佐「わかったよ。今日はもう出ない。」
ちゃぼ「出ないじゃなくて、出れないでしょ。」
大佐「うっ くっ・・・(ーー;)」

開会式を横の方で聞きながら、こんな想いは初めてだなと、他人事のように思ってしまう。
ふぅ〜 立ってるだけでも、じんじんと痛いやっ
開会式が終わると、私は本部に、棄権を宣言した。
辛いなっ 

そして、20分後、私が出場するはずだったレースがスタートする。

「あれ?大佐!!なんでここにいるの?」
チームの人々に何度聞かれた事か・・・・・うぅ(T-T)
(俺だって、好きでこうなったんじゃないやいっ)

大佐「なぁ、ちゃぼ。」
ちゃぼ「何ですか?」
大佐「俺の出るコースって、こっちが正解なの?」
ちゃぼ「でしょうね。みんな走ってますから。」
大佐「じゃぁ、俺・・・自分のコースは、全く走ってないの???」
ちゃぼ「ん〜 そういう事になりますね。」

そうなのだ、端からスタート地点が間違っていたのだ!!

オーマイガッ

人のコースを走って、怪我してりゃ世話がない。
俺は、ここに何をしに来たのだろうか・・・・
今更後悔しても、痛みは引いたりはしないのだ。あぅ(>_<)

久々に教訓:コースの下見はちゃんとしましょう。

大佐の苦悩の一日は、まだまだ、終わらない・・・・

                                                 ・・・続く