虎の穴・・・の巻(中編) 

2000.05.21

      のダムを登ると宣告された後の、登りほど嫌なものはない。
     今までの、心地よさはどこへ行ったのだ・・・・ただ汗が流れ落ちる。
     だが、まだ前半、比較的体力も残っている。
     自分に言い聞かせながら、ダム頂上へと到達する。いい眺めだ。
     苦労してここまで来た甲斐があるってものだ。
     この為に走っているようなものだ。と、その瞬間だけ思ってしまう。
     一息入れ、早速コースへと戻る。
     快適な下りである。道も良い状態だ!
     瞬く間に、ドーパミンを製造にかかる、工場は大忙しだ。
     そして、大放出!!
     また、しばらく下りが続いた。これがサイクリングだ。と心で叫びながら、どんどんと下っていく。
     
     しかし、冷静に考えてみれば、楽ありゃ苦ありだ。角さん助さんも歌っているではないか。
     途中、またしても宣告を受ける。

     「あの山を越える!」
     全員の目が一点へと注がれる・・・・
     先ほどのダムより遥か高い位置の山ではないか!!しかも、ダム頂上より下ってきた・・・・
     まじっすか????
     全員が口を揃えて言ったのは言うまでもないだろう。
     そんな宣告を受けての2回目の休憩である。
     皆、自然と食事に集中するのも無理はないだろう・・・・・
     だって、今から過酷な試練が待っているのだから・・・(T_T)
     
     休憩中、近くの岩清水をボトル(水筒)に入れるものもいる。
     ボトルが空=死を意味するに近いからだ。綺麗な水が流れ落ちている。
     一時の休息。何物にも変え難い物である。

     

     給水所?   
 小屋から見た風景



     それからと言うものが、地獄だった・・・・漕いでも、漕いでも前に進まない。 
     流石は、WINNERの合宿だ。陳腐なコースではない。
     今までの緩やかなコースが走馬灯のように消え去る。
     自然と、皆、無口なハードボイルドへと変化していく。聞こえてくるのは激しい息使いのみである。
     完全にグロッキー状態だ・・・・

     何分、いや、何時間にも感じる時を過ごしただろう。
     「この先に小さな小屋がある。この前で休憩しよう。」 その言葉だけを生甲斐にペダルを踏む。黙々と・・・・
     頭に流れてくる音楽は何故か、「アン○ンマン」である????
     先ほどの食事の時に、あんぱんを食ったのが原因か???
     苦しい上に、頭から離れない。♪そうさっ、恐れないで、み〜んなのために〜♪
     どうにかしてくれ!!
     何回、何十回歌っただろう・・・・
     そんな押し問答をやっている内に、小屋へと着く。

     ここまで上がってきたか〜
     つくづく自分に感心をする。俺ってやるぅ〜
     しかし、体力も底を尽きそうだった・・・・・

     だが、まだまだ、登りは続くのである!!
     まじっすか〜?!?!?

     続く・・・・