ネコの歩く虹の巻(その4 レースの悲劇) 

係員「10秒前です。」
辺りは、一気に静まり返る。

固唾を飲むと言うのは、こういう事を言うのだ。

係員「5秒前・4・3・2・・・・」

パンッ!!!

スタートの合図と共に一斉に、スタートする。
スタートは、ゼッケン順。私は後ろから数えた方が早いってくらい後ろのスタートだ。
ゼッケン番号は、5月に行われた小田の結果などが反映されているらしい。
生憎、私は、小田には出場できなかったのだ・・・・
なので、後ろの方。南無。

今、思えば、すでにその時点で、勝負は難しくなっていたのかもしれない。


スタートと同時に、各車一斉に前に進み出す。
私も、スタートは肝心とばかりに、一気に踏み込む!

だが、第一の悲劇が待ち受けていた。

( ̄□ ̄;)!!

すぐ前を走っていた、選手2人が、自転車が絡まり転倒。
私は、急ブレーキを掛けた。

もう少しでも、遅かったら、彼らを踏んでいただろう。プチって。

慌てた私は、進路を変更、一気に加速を始めるが、すでに遅れてしまってる。

内心「何で、こけるんだよーー」(-_-メ) 
怒り半分、遅れてしまった事に焦る半分である。

初めの登り坂に入る前には、数人捕らえていた。
が、後ろから数えて・・・・ (聞くなっ)

登り坂に入る前に、ちゃぼ隊員の応援する声が聞こえてきた。

ちゃぼ「がんばれーーー」

同じく、チームメンバーからも、声援の声が聞こえてきた。

私は、手を振って答える。
だが、もう、かなりのパワーを消耗してきていた。


山の中のコースに入ると、もうシングルトラックになってしまう。
抜こうにも、なかなか抜けるものではない。
それで、一人、一人と追い上げを駆ける。

すると、いきなり行列が出来ているではないか・・・・

何ですか、ここは?? 行列の出来る店ですか?会社の食堂ですか??

( ̄□ ̄;)!!

なんと、あの下り坂を、押して下っているのだ・・・・

あの〜 レースなんですけど・・・・・ (T−T)

何の為に、私が試走までしたと言うのだ!!
一人が押して降りてしまったら、後続者は押すしかない。
乗って降りようものなら、前の奴のお尻にドッカーンである。

その為、ここまでも行列が出来てしまってるのだ。
こうなってしまっては、もうどうする事もできない。
TOP集団は、当然、すばやく下っている事だろう。
どんどん差が開いてくる。
私は、もう、半分以上投げ槍になってきてしまった。
が、ここで、諦めるのも腹が立つ。

でも、自分のペースより遅いペースで、登ったり下ったりすると
必要以上に体力は消耗されていく。おまけに、路面はぬかるんでいる。

大佐「(マジで、こんなペースかよ!!!)」

やる気はどんどんと下がっている中、息だけは上がってきていた・・・・