ネコの歩く虹の巻(その9 狼の強さ) 


放送A「これより、チャンピオンクラスのレースを始めます!」
放送B「コースは、ロングコースを5周も走ります!!」

大 佐「5周も走るの!!」
ちゃぼ「ぼくは、2周でも嫌でしたけどね。」
大 佐「いや、君はこれから、どんどんと速くなってだな。」
ちゃぼ「大佐も、速くなって・・・」
大 佐「いや、俺はもういい。」
ちゃぼ「何でですか!! ぼくだけっすか!?」
大 佐「そう。ぼくだけ。」

そして、チャンピオンクラスのレースがスタートした。
館長や、メンバー達も、一斉に歓喜の声を上げ、応援する!

目の前を高順位で通過していく、「狼」

子供「とうちゃん、がんばれーーー!!!
大佐「がんばれーー!!」

これから、5周走り続けていかなければ無いのだ。

1周目が終わり、2周目に入る時には、1位と2位の間は開き始めていた。
1位を走っているのは、チーム「山鳥」。
2位を走っているのが、チーム「WINNER」 狼だ!

周回を重ねる毎に、間は開いていく。。。
しかし、応援の熱は次第にヒートアップしていっているのは確実だ。

遠くで、父の姿を見つけては、大声で応援する子供たち。
それに答えようと、走り続ける狼(父)

そして、迎えた最終ラップ。
3位の選手が、狼を捕らえる。

最終ラップ、無事に抜き返して帰って来れるのか・・・・
固唾を飲み、じっと帰ってくる私たち。


そして・・・・


1位の選手が余裕の帰還。
間を開けて、2位の選手が見えてきた!!

・・・・・

子供「とうちゃん!!」
3人が一斉に喜ぶ。当然、私たちも嬉しい。
途中、2位の選手を抜き返し、見事、2位を奪取して帰ってきたのだ。

みんなで迎え出る。帰って来たとたんに、駆け寄る子供たち。
んー 実にいい光景だ。


そんな、光景の中、私は心配な事が一つだけあった。

大 佐「うっ」
ちゃぼ「どうかしましたか?」
大 佐「いや・・・・ 何でも無い。」