恋愛日記


<4>

 風呂から出てきた、ぼくは今日2度目のメール受信をしてみる。
 でも、結果は、同じ。

 次の日も、また、次の日も・・・

 もう、諦めていた時、1通のメールが入ってきた。

 「メールありがとう。連絡が遅れてごめんなさい。
  風邪を引いちゃって、寝込んでました。(^^;  らら」

 そして、ぼくはうれしさのあまりすぐに返信した。

 「風邪は、大丈夫ですか?メールの返事ありがとう。
  とてもうれしいです。私とメル友になってくれませんか? 勇」


 知らない者同士が、何かのきっかけでメールを始める。
 翌日、メールの返事には、「こちらこそ宜しく」と彼女の返信があった。


<5>

 ぼくたちは、毎日のように、メールを交換した。
 ぼくが、28才で、サラリーマンだと言う事。
 趣味は、音楽鑑賞、ドライブ、アウトドア、スキー

 彼女は、27才で、OL。
 同じく、音楽鑑賞などを趣味にしてる事。

 いろんな話しをした。
 田舎の事、今、何をしてるか、仕事の事・・・・
 時には、他愛も無く、TVの番組の事や、今日あった嫌な事なども。

 ぼくたちは、メールと言う見えない手紙を使って、急速に近づいていったのだ。

 時には、会社からメールを送ったりもしてた。
 ららの為に書くメール。また、ららも、ぼくの為にメールを書いてきた。
 とても楽しい一時・・・こんなに楽しいモノなのか。

 ただ・・・・・
 ぼくは四国の片田舎。彼女は、東京。
 実際には、ずっとずっと遠い距離にいるのだった。


<6>

 メールを始めて、数ヶ月が過ぎた。
 相手の事も徐々にわかってきた。
 仕事も、同じ職種だったため、会社での専門的な話しも出来るほどだ。

 ららの屈託の無い文章が、ぼくを勇気付けてくれる。

 二人の距離はどんどんと近づいてきてる。
 冗談なども言い合い、それが、文章にも表れている。

 「今度、お互いの写真を送ってみない?その方がイメージ沸くしさ。らら」
 「うん。そうだね。 じゃぁ、写真を探さなくちゃな。 勇」

 二人の写真を送ろうって話しになってきた。
 その方が、メールを書いてる時に、想像して書けるからだそうだ。
 でも・・・・実際、写真を送るとなると、凄く勇気がいる。

 これで、嫌われたらどうしよう・・・とか。

 迷っていてもしかたない。ぼくは、1枚の写真をららに送る事にした。
 期待と不安をのせて。