恋愛日記 |
<10> 勇 「はい。もしもし・・・・」 らら「もしもし、勇くん?」 勇 「もしかして、らら?」 携帯からは、可愛らしい女の子の声が響いてくるのだった。 いつもはメールで、他愛のない事をやりとりしているのに、 いざ、電話となると、凄くドキドキする。 いっぱい話したい事があるのに、お互いにどこかぎこちなかった。 らら「勇くんの声って、意外と低いんだね。」 勇 「うん。意外とね。イメージなかった?」 らら「もっと高いかと思ってた。 私は?」 勇 「想像以上に、かわいい声だった。」 らら「あはは、どんな想像よぉ〜」 今日のぼくは、有頂天になってた。 顔はにやけてるし、どことなくハイ(HI)だし。 勇 「今度、こっちからも電話してもいいかな。」 らら「うん。いいよ。」 そんな会話が堪らなく好きだ。 二人は、メール以上に近づいてしまったのかもしれない。 そして、遂に・・・ <11> ぼくは、いつも待ち遠しい時間がある。 夜10時。それが、ぼくたちのいつもの時間。 仕事から帰り、風呂を済ませ、TVを見ながら、その時間を待つ。 頻度は落ちたが、メールは相変わらず続いている。 でも、それ以上に、電話での会話がメインとなってきていた。 距離は離れていても、携帯で繋がる恋。 恋・・・ そう、それはもう恋だった。 毎日の日課の中に、電話は組み込まれ、どちらがと言うわけでもなく 電話で話しをする。 話しの内容は、メールの時と同じ、他愛の無い事ばかり。 今日は、こんな事があったよ。とか、今日の天気はどうだったとか・・・ 二人の会話は、途絶える事がなく、全てを話している存在。 メールから、電話に変わり、更に距離を縮めていくぼくたち。 そんな月日が数ヶ月続いたのだ。 そして、ぼくは遂に決心する。 <12> 「いつか会いたいね。」それが二人の合い言葉だった。 ほとんど毎日のように繰り返される、電話。 ぼくは、今度の休みに、彼女に会いに行こう。 いつからだろうか、本気でそう思い始めていたのだ。 そして、遂にこの時が来る。 ここまで来るのに、それほどの時間はかからなかった。 思えば、メールを始めて、約1年。 とうとう、この時が来てしまった。 勇 「今度の連休で、東京まで行くよ。」 らら「ほんと!! きゃぁー うれしいー!! ねぇねぇ、いつくるの!いつ?」 そのはしゃぎ様は、電話の声でも手に取るようにわかるものだった。 勇 「2週間後の連休の時に、そっちに行くんだけど、どうかな?」 らら「どうかなもないよー もちろん、待ってるに決まってるじゃない。」 そして・・・・ |