恋愛日記


<13>

 次の日、ぼくは早速、ホテルを予約した。
 ホテルと言っても、安いビジネスを選んだ。
 正直、東京事はよくわからない。
 それだけでも、かなり不安なのだ。

 インターネットなどで、いろいろと探し適当な所を予約した。
 あと、新幹線だけだ。続けて、それも予約する。

 2週間後の連休で、ぼくは、本当に東京へ行く。

 しかし、行くと言ってから、どうしようもない不安に襲われた。
 会って、嫌われたら・・・とか。上手に喋れるかな・・・とか。
 でも、それ以上に、ららに会いたい。

 それだけが、ぼくの心の中で、大きく渦巻いていたのだ。

 「2週間後は、夕方5:25の新幹線で、東京に着くよ。  勇」

 そして、不安を抱えたまま、布団に潜りこむのだった。


<14>

「OK!! じゃぁ、待ち合わせ場所を決めないとね。 らら」

翌日、ららからメールが入っていた。
待ち合わせ・・・ その言葉が妙に真実味を帯び、現実的なものとなってきた。

ホテルは2泊の予約を入れた。
日曜日には、また、新幹線に乗って帰らなければならない。
ぼくたちに与えられた時間は、土曜日1日と日曜日の昼過ぎまでしかないのだ。
金曜日は、到着が遅くなるため、自力でホテルまで行く事になる。

「どこか、見に行きたい所ってある? らら」

取り敢えず、本やに行き、それなりの本を探してみる。
無難な所で、『るるぶ 東京編』を買ってきた。
中を、ぺらぺらとめくるものの、いまいちよくわからない。

産まれもっての、方向音痴。
ぼく一人だと、確実に迷子の子猫ちゃんになってしまうだろう。

「じゃぁ、二人で、ディズニーランドに行こうか! 勇」

定番と言えば、定番となるコースだろうなぁ


<15>

 予定を立てるときは、とても楽しい。
 二人で迎えるであろう、楽しいひとときを想像しただけで、胸が高鳴る。

 電話では、もっぱら計画を立てる話が多くなった。
 出発した日は、夜に、東京に着く予定である。
 次の日は、ディズニーランド!!
 最終日には、お台場に行き、いろいろと楽しむ。
 そして、昼には、帰らなくてはならない。

 しかし、それとは関係なく、ぼくの心は、もう東京にあった。

 そして、明日、連休を迎える事になった日。

 ぼくは、仕事に追われていた。
 明日は、何がなんでも休まなくてはならない。
 そんな焦りが、更にぼくを襲う。

 いつもの時間に、ららから電話がかかってきた。

 ぼくは、まだ、仕事中である事を告げる。
 ちょっと不安になってるらら。ぼくも、物凄く不安だった。

 勇「大丈夫。何とか今日中にケリをつけて、明日行くからね。」
 らら「うん。 無理しないでね。」