死を超えて・・・  の巻

このエッセイを、じぃーちゃんに送ります。

2001年3月20日 9時25分 永眠

  

 日、祖父が亡くなりました。
最近、糖尿病や、肺や、心臓や・・・
まぁ、病院には通ってましたが元気だったのに。

かなり急な出来事でした。

休みの日の朝、母上から電話がありました。
すぐに、病院にきなさい。と・・・
慌てて、支度をし病院へ。

でも、その時はもうこの世とは別れを告げていました。
しずかに瞑った目。少しづつ血の気が引いていく事でしょう。

そっと、触るとまだ生きてるようだった・・・

そして、俺の目から涙がこぼれた。

看護婦さんが、準備をし、慌ただしく家に連れて帰る。
親たち兄弟は、葬儀の準備やら、連絡、接待忙しそうだ。
いろいろとあるもんだな。
なにげにそんな事を思う。

短刀を胸に、静かに横たわるじぃーちゃん。
顔は穏やかな顔だった。

そんな俺だが、実感がない。
あれ以降、涙も出ない。忙しいから?そうなのか?
でも、また会えるような気がしてる。
また、家に行ったら、いつものようにいるような気がする。
何故だろう。
俺って冷たいのか?

正直、わからない・・・・わからないのだ・・・・

次の日、本通夜。お坊さんが来て、お経をあげる。
祭壇は飾られ、綺麗になってる。
やはり、じぃーちゃんは横になってる。
起きては来ない・・・

そんなじぃーちゃんのために、お経が読まれていく。
いろんな親族や、交流のあった人が別れを告げていく。
多くの人が来た。多くの・・・

お坊さんは、最後にお釈迦様が死に際に言った言葉を教えてくれた。
全ては覚えきれなかったが、言ってる事はわかった。
「むやみに、悲しみ涙を流すな・・・私の教えは全て教えた・・・・
 また、次の世(せ)があるではないか・・・」などなど・・と。

そして、お坊さんは言いました。

「一人一人、亡くなられた故人の教えを一つだけでもいいから、
 思い出し、胸にしまいなさい。」と。

それを聞き、胸が熱くなった。すっと頬を涙が伝っていった・・・

次の日、葬式。
朝から慌ただしく、準備が進んでいく。

親族だけの納棺。
じぃーちゃんが、箱の中に運ばれていく。
そして、大事にしてた物も一緒に・・・・
釣りが好きだったじぃーちゃん。
麦藁帽子も一緒に入る。
めがねも入る・・・

みんなが涙している。
そして、俺も・・・・
実感は未だにない。
でも、悲しい・・・・涙が出る。そして、頬を伝う。

その後、葬儀は進み、親族だけは火葬場へ。
初めて来た。
それでも、淡々と物事は進んでいく。

じぃーちゃんが、灰になる間、線香の火を絶やさない。
二十分置きに、俺は線香の火をつけに行く。

そして、思う。
じぃーちゃんの教えってなんだろう。
いつもやさしかったじぃーちゃん。
家に行くと、「よぉー来たなぁー」と出迎えてくれてた。
きっと、もう会えないんだね。きっと・・・

1時間40分後、骨と灰だけになったじぃーちゃんに会った。
もう、面影もない。が、思いはある。

じぃーちゃんの分までとか、そんな大層な事は言えない。
でも・・・

俺は、俺なりに、俺のスタンスでがんばる。
仕事も・・・生活も・・・そして、このかとみっく・わーるども!

俺は心の中で、新たな思いを一つ深く刻み込んだ。
じぃーちゃんよ。安らかに・・・

そして、この雑文をじぃーちゃんに捧ぐ。          平成13年3月22日 ぺりかん大佐



ps:この雑文、かなり泣きながら書きました。
   でも、もうむやみに涙は見せません。
   だって・・・俺はぺりかん大佐だからだ!!

        




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