夕暮れの恐怖・・・  の巻

夏の夕暮れ。
そこには、いろんなドラマが待っている。
何もそれは、楽しいモノばかりとは限らないのだ。

  

 終わりに近づくと、だんだんと焦る人間が増えてくる。
ある者は、夏の出会いに焦るかもしれない。
ある者は、宿題に追われているかもしれない。
とにかく、夏の終わりは、少し寂しく、かなり焦ってしまう季節なのです。


夏休みも終盤を向かえ、私(小6)は、毎年の事ながら、
夏休みの宿題を、せっせと片付けていた。
ある種、缶詰状態である。
きっと、作家さんや、漫画家の人達が、ホテルに缶詰とかよく言うが、
きっとこんな感じなのだろうね。

毎年、いつも思うのだが、
「もっと早目にやっておけば・・・・・」
「毎日、コツコツとやっておくんだった。」
「あぁー 頭わりぃーなぁー」とか。
我ながら呆れるほどの、お決まりのコース。

もう、朝から、ずっと机に向かって、『夏休みの友』とにらめっこしている。
昨日は、自由研究を1日で終わらせた。
一昨日は、工作を終わらせた。(かなり無理があったが・・・)
そして、今日、明日は、この『夏休みの友』なのだ。


一人で2階にある自分の部屋にいる。
いや、閉じ込められてると言った方が、正しい表現かもしれない。(缶詰なのだから)
しかし、エアコンの無い部屋で、唯一のは、夏の風である。
夕暮れ時ともなると、窓からは、どことなく涼しい風が吹き始める。

しかし、悲劇はそんな時に襲ってきた。



バタバタバタバタ・・・・

何がどうなってなんなのかさっぱりわからない。
ただ、部屋の中に黒い何かが入ってきたのだ。
しかも、暴れまくるように飛び回ってる。

俺「な・なに〜〜〜 」

驚きと同時に、私は部屋を脱出しようと試みる。
机から離れ、ドアに向かおうとした瞬間。
(その間、奴が進入してから約10秒。)

逃げようとする私目掛けて、奴が襲ってきた!
敵機襲来なのだ!

バタバタバタバタ

俺「ぎゃぁぁぁぁぁ」(ToT)

もう、必死である。
襲ってくる瞬間に、私は奴を確認した。

奴は、コウモリだった。
真っ黒くて、キィキィって言ってる。
もう、これを書いてる時ですら、寒イボが立ってくる。
それほどの恐怖だったのだ。

俺「かぁーさーん  助けてぇぇぇ〜〜〜」

もう、泣いている。(T-T)
泣きながらの、SOSなのだ。
もう、救助信号出しまくり。なんなら狼煙でも・・・・
アメリカ人なら「HELP ME」と叫んでいただろう。
でも、私は日本人。「かぁーさぁーん」なのだ。

その声を聞きつけ、MY MOTHERが駆けつけてきた。
母「何? どうしたの?」

意外と落ち着いてるのね。

俺「コ・コ・コウモリに襲われた・・・・」
母「もう、忙しいんだから、自分で何とかしなさい。」
俺「無理・・・」(きっぱりと言い放つ)
母「もう、男の子でしょう。」
空中コンボ2発止め
              ソラ・ニー 提供

この時の私は、『女の子でもいいから何とかしてくれ!』と、言いたかった。

母は、さっさとコウモリを捕まえると、窓の外に放してやった。

母は強し。

この時、私はこいつには勝てんかも。。。。幼心にも直感していたのかもしれない。

母「さぁ、ご飯よ。あんた、宿題出来たんだろうね。」

鋭い所をついてくる。

俺「まだだよ。」
母「コウモリで遊んでないで、さっさとすませなさいよ。」

別に、遊んでたわけでなくて、襲われたんだって・・・(T-T)

しかし、窓を閉めていたのに、何故コウモリが。。。謎だぁー




2年後、再び、私は夕暮れにコウモリに襲われる。
そして、今度は、半泣きで踏み止めた。
俺も成長したなっ  ふんっ

でも、その時も、コウモリを捕まえて外に逃がしたのは、MOTHERです。

私は、コウモリ大の苦手。
あぁー キショー


夏の夕暮れ時に、ふと思い出したトラウマ体験談でした。

        




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