祭りと共に・・・  の巻

この雑文をじぃちゃんに奉げます。
平成13年 10月15日 1時45分 永眠

  

本祭りが始まると共に、親たちがざわめきたった。
そして、時間を置く事なく、数時間後、じぃちゃんの死が伝えられた。

病院に入院して、2年ちょっと。

94年間の人生に幕を閉じた。

親たちは、葬儀の事や、地域の事、様々な事に大忙し。
そして、孫である俺達に、
『祭りが大好きだった、じぃちゃんの為に、このまま祭りを続けてくれ』と言ってくれた。
そこには、すでに、周りとの話しを決め、祭りの参加の許可まで取ってある、すばやさがあった。
(通常、喪中の人は、祭り事の参加は控える風習がある。)

それを、容認してくれた近所、地区の人。ありがとう。
最終日には、じぃちゃんの為に、家の前で屋台を担いでくれてありがとう。

じぃちゃんは、凄く祭りが好きだった。
小さい頃は、じぃちゃんに連れられ、よく一緒に見に行った。
祭りが夜中のため、途中で疲れて眠い俺を、背負ってくれた。
手を繋いで、帰り道をずっと歩いたね。
祭りの間中、そんな思い出が走馬灯のように駆け巡る。
ありがとう、じぃちゃん。

そんな思い出を持つ、弟もこっそりと祭りの間で泣いていた。
奴もきっと同じ想いなのだろうな。

入院して2年間、ずっと祭りを楽しみにしていた。
そんなじぃちゃんらしく、本祭りと同時に帰ってきた。
きっと、最後は見たかったんだね。
きっと、いつも見ている場所に、イスを出し、見ていたかったんだね。
ちゃんと祭り見えたかなぁ。
俺達がやってる姿、見えたかなぁ。

いろんな事があったよね。

竹とんぼや、水鉄砲を作ってくれたよね。
ちゃんと覚えてる。

お米のツキ方や、その後の事を教えてくれたよね。
ちゃんと覚えてる。

畑の道具の使い方。
ちゃんと覚えてる。

小さい時、いつも膝の上に座っていたよね。
ちゃんと覚えてる。

いつも「ほーか(そうか)」と、話しを聞いてくれてたよね。
ちゃんと覚えてるよ。

いっぱいいっぱい覚えてる。
いっぱいいっぱい覚えてる分、が全然止まらないんだよ。

寡黙で、勉強熱心だったじぃちゃん。
年をとっても、辞書を引いたり、写経をしたり・・・・
いろんな面で教えてもらったような気がする。

俺はそんな想いと共に生き、また、俺の子供達にも教えて行きたい。

じぃちゃんの体は灰になったけど、想いが灰になる事はないよ。
ずっとずっと覚えてる。
俺の涙が枯れないように、じぃちゃんとの想い出も、絶対に消えはしない。

俺・・・がんばるよ。いろんな事にがんばる。

どうか天国で、俺達を見守っててください。
じぃちゃん。安らかに・・・・

                                     平成13年10月17日  ぺりかん大佐


PS:死ぬ2日前に、親父殿が火の玉を家の前で見たそうな。
   あれ、じぃちゃんだったのかなぁ・・・・

        




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