2008年12月。江口は浮かれていました。

〜江口とミンスパイの一ヶ月〜


ドライバナナ。失敗。

 2005年。ローストチキン。
 2006年。クリスマスプディング。
 2007年。パネットーネ。
 そしてその時に予告していた、ミンスパイ。

 いよいよ実行の時となりました。
 別にクリスマス以外の時に作っても誰からも怒られることはないんだけどね。
 けどまあ、この季節になると江口があれこれ企むのを楽しみになさっている読者諸兄もいらっしゃることでしょうし、と一方的に思ってみる。

 では本題に入ります。

 今期のチャレンジは、ミンスパイ。ミンスミートが入ったパイ、イギリスのクリスマス菓子です。
 ミンスミートとはミンチ肉(挽肉)のことですね。その通り、牛挽肉を長期保存させるためにドライフルーツと一緒にアルコールやスパイス、砂糖などに漬け込んだものです。しかし時代と共に挽肉はレシピから外され、ドライフルーツを漬け込んだものがミンスミートと呼ばれ、それを用いて作られたパイが現在では一般的のようです。

 でも江口は肉を使ったミンスミートが作りたいんだな!

 事の発端は、去年、紅茶専門店ルピシアで見つけたミンスミートケーキ。
 牛肉が入ってるって、なんじゃそれ。
 それがきっかけで調べたら、ああなるほど面白そうじゃん、ということになった。

 しかし!
 現在では肉がレシピから外されたものが一般的。
 ええ、肉入りミンスミートのレシピがどこを探しても見つからないのですよ!

 ようやく見つけたのが、ココ
 ですがこの方、本格的すぎまして。出来上がり量が9キロとか15キロとか言ってる。そんなに要らない。この方のレシピを参考に、例えば分量を10分の1に減らせばいいかなー、と考えたりもした。

 めんどくさくなった。

 なので江口は考えました。

 ミンスミートとは、肉を保存するためのもの。ミンスミートとは甘いもの。

 つまり、肉のジャムを作ればいいんだ、と。

 そうと決まれば、もう後はテキトーだ。いいんだ、こんなのは家庭の味だ。テキトーでいいんだ、テキトーで。なんてスバラシイ。テキトー。英語で言うとTEKITO!

 はい、材料から揃えましょうー。

  

 【材料】

 さあ、もう一度おさらい。これから作るのは肉のジャム。保存料として、大量の脂。大量の砂糖。大量のアルコール。これだけ入れてりゃ腐らないだろう、そのつもりでスタートしましょう。

 その前に下準備、と。
 ドライフルーツは全部細かく刻む。こいつらは初めから砂糖漬けなので、そのまんま用いても大丈夫だろう。江口が自分で作ったゆずピールは不安だけど。
 問題はりんご。生りんご。
 りんご酒なんかは生で使うんだから、特に手を入れなくてもいいとは思うんだけど、なんか心配になった。
 なので火を入れてみる。
 っても、電子レンジ。簡単ドライフルーツの作り方は、キッチンペーパーの上に果物を並べてレンジでチンして水分を飛ばすんだって。なのでそれでやってみる。

 ちなみにバナナは、このやり方で見事に失敗しました。

 で、りんごをチンして刻んでしばしラム酒に漬けてみた。
  
 しばし、っても10分ぐらい。何の足しになるのやら。
 あと、全然乾いてないしね。いっそ砂糖で煮た方が良かったかも知れない。まあいいや。

 下準備終わり。それでは鍋を用意。

 

 牛脂をだばー。

 

 肉を炒めるー。というか油で煮るー。

 

 砂糖をぶちこむー。たぶん150gぐらい。目分量。

 

 刻んだフルーツもぶちこむー。
 スパイスも入れるー。

 ここで江口は、何のスパイスを入れたか覚えていません。
 肉料理だからナツメグは要ると思うな。甘いものだからシナモンがあるとまとまると思うな。クミンって何? コリアンダーって何? 五香粉は要らないよね。バジルはいいか。チリパウダーも必要ないね。そんな感じでチョイス。

 一応味見。甘い。肉の味もフルーツの味もしない。甘い。

 で、火を止めて、具が全部浸るぐらいまでブランデーを入れて終わり。終わりにした。そういうことにした。

 あとはこれを、最初の1週間ぐらいは1日1回かき混ぜればいいみたい。タッパーかなんかに入れて冷暗所というか台所で、保存というか放置することにする。

 さあ、これでクリスマスにミンスパイだかミンスケーキだかに変身できるかどうかはまだ不明。

 続きは後日。

 →ミンスケーキの話に続く。

 

←戻る

江口梨奈のすてきページ