赤光

 『赤光』(しゃっこう)は、、1913年10月に刊行の斎藤茂吉の第一歌集。

八百首を越す短歌が収められ、中でも、59首の連作「死にたまふ母」は、短歌の世界に新しい叙情の境地をひらいたと評される。


  おきな草 口あかく咲く 野の道に 光ながれて 我ら行きつも

「死にたまふ母」から


おきな草(4月下旬) おきな草(5月下旬)

 おきな草は茂吉が愛した野草で、茂吉はこの句以外にも2〜3首詠んでいる。
「口あかく」と「ながれて」で『赤光』とは考えすぎであろうか。

 ※茂吉自身は、『赤光』初版跋で、「本書の「赤光」といふ名は仏説阿弥陀経から採った」と書いている。   経典に、「・・・赤色赤光(しゃくしきしゃくわう)・・・」(赤い花は赤い光を放っていて・・・)というところがある。

(2006/5/28、TAKA)

赤光(2)文学の色
トップページへ