赤光(2)

 満開の桜が見える某喫茶店でランチを食べていると、窓の近くを横切ったツバメが窓の外のすぐ上に止まった。2mぐらいの横棒に、それも2羽(*^_^*)  こんなに近くにそれも明るいところのツバメを見るのは始めて!(^^)!。ツバメは黒いという先入観があったが、陽が当たると濃い青みを感じる。そして驚くことに口の周りが赤い(>_<)


  のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて 足乳根の母は死にたまふなり  

「死にたまふ母」から


玄鳥ふたつ 口の周りが赤いツバメ

 しっかりとツバメを見たことのない人は、「のど赤き」を口の中と勘違いするかもしれない。黄色い大きな口を開けたヒナを連想する場合もあるようだ(天声人語2012/5/14?)

 「玄鳥」は、ツバクラメ、ツバメのことである。赤と玄(クロ)は、生と死の象徴。

 杜甫の行江に「梁上燕」とあるが、茂吉はこの詩を意識しているのだろうか。「梁の燕(うつばりのつばめ)」は、子を思う親の愛情が深いことのたとえとして使われる。

(2015/4/6、TAKA)

赤光文学の色
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