実録!吉本珍悲劇・・・  の巻

街で起きた本当の出来事です。

  

これは、実際にあった話しであります。
まず、テキストだけではイメージしにくいといけないので、
今回は特別に、キャストを設定しましょう!!

今回の話しには、登場人物が5人出てきます。
主人公の商人役に、辻本さん。
商人の父おやじさん役に、井上のタツじぃ
相手側、兄貴役に、島木譲二さん
相手側、子分役に、ヒロさん
警察官役に、池のメダカさん

ここで、お分かりになったと思いますが、言うまでもなく吉本新喜劇の方々です。
この方が、より理解/イメージ出来る事でしょう。
これは、あくまで、イメージを膨らませる為で、実際は違いますよ。

ではでは、前起きが長くなっちゃいましたが、

実録!!『吉本珍悲劇』をどうぞ・・・・・ パチパチパチッ


これは、実際にあった話しを、再現させた過酷な物語である。


ある秋の日の晴れた夕方。
地元の商店街のお店に来ていた。
一人の商人が、自分の店へ荷物を運ぶ為、商店街(アーケード)の中に
車(軽自動車)を進め、店の前で止めていた。
(ちなみに、私はこの店の中で待っていたのです。)

「ふー あとは、この箱を積み込むだけや。」

そこへ、1台の軽トラックが、轟音を立て、商店街の中を暴走してきた。
まぁ、暴走できるくらいだから、人など、皆無に近かい商店街なのですが、
それは、また別の話し。

その軽トラックは、最近、この商店街の近くにOPENした、某SHOPのモノで、
中には、運転手の男と、助手席にもう一人男が座っていた。
どうやら、その男達は、店の前に止めてある商人の車を見つけて、
わざわざ商店街の中を走ってきたようだ。
なぜ、そんな手間な事をするのかは、今もって不明である。

軽トラックは、商人の車の前で、急ブレーキを踏むと、中から二人の男達が降りてきた。
その風貌たるや・・・・・  きんぴらちんぴ○そのもので、
運転手の兄ちゃんは、頭つるつるのスキンヘッド。
しかも、かなりのウェイトを持っている、階級で言うと【ヘビー級】
年こそ若いが、まさに、島木譲二。

助手席の兄ちゃんは、やや細身で、運転手の事を「兄貴」と
言ってる所からすると、どうやら、子分のようである。
話しが面倒なので、兄貴子分に決定しよう。


兄「誰じゃぁー こらーー 邪魔やんけーーー
子「邪魔じゃ言うんじゃーー  おらーー


初回コンタクトから、レッドゾーンの戦闘体勢である。
この手の人たちの会話には、『おらーー』とか、『こらーー』とか、
その上、『−−』←この音を伸ばす記号がかなり使われる。
過去、<闇夜のオットセイ>でも、運ちゃんは、おうおうを連発していたのと
遭い通じるものがあるようだ。


「あー すみません。すぐに除けますんで。」


兄「何じゃこらぁぁぁぁぁ」



1STコンタクトが1STコンタクトなら、2NDコンタクトもかなりの攻撃力である。
全く会話になってないのだ。
「除けます」の言葉の意味を理解してないとしか言いようがない。



「邪魔じゃ言うとんじゃ こらぁぁぁ

「わ・わかりました。」


子「何じゃこらぁぁぁぁぁ」


だからね。会話=キャッチボールなのね。
「除けます」に「何じゃこら」は、ぜーんぜんキャッチボールしてないのね。

言わば、キャッチボールだって言ってんのに、バット持って構えてる感じ?
いくら早く投げろよって言われても、打たれて取りに行くのは自分だし・・・
俺はキャッチボールがしたいんだよって。


「だから、今から除けますやん。」


その態度に切れたかどうかは、不明だが、子分が動いた。
商人の胸座を掴むと、やや持ち上げ気味にし、攻撃モード100%である。



子「なめとんのか! おらぁぁぁ」


もう、めっちゃ絡まれてるし・・・

「なめてませんがな。除ける言うてますやん。」

子「兄貴、なめとる。こいつ、俺らの事わかってない。あほや。」

あほは、あなたです。
わかってないのも、あなたです。
って、言うか、この時点で、俺、半分笑い転げてました
だって、いくら、相手が吠えた所で、吉本新喜劇にか見えないんだもん。
リアル吉本って、こんな感じなんだろうなぁとか思ってたり。
なので、商人も妙に落ちついちゃってるしね。

その怒声に気がついたのか、商人父が現れた。
「ど・どうしたんや?」

兄「何じゃ、じじぃーー 文句あんのか!! おらぁぁぁ」

初対面の人に、増してや、年上の方にいきなりの「じじぃ」扱い。
しかも、まだ会話噛み合ってないし。
もう、勘弁して下さい。マジで・・・
このままだと、俺、笑い死にしちゃいます。

商人が、父に事情を説明すると、父も、年の功である。

「お前ら、商店街の通行許可書持っとんのか!」

兄「持ってるわけないやろが!!  おらぁぁぁ」

あなたは、おらおら教の教祖様ですか?
あなた、必ず語尾におらぁぁぁって入りますね。何故??

でも、ここに来て、会話が始めて成立した事に気付きましたよ。
さすがは、親父殿。内容はともかく、初コンタクトですよ。
しかし、「持ってるわけないだろ」って・・・・
あんたが、あかんやん。(−。−;)


子「じじぃは、やかましいんじゃ!!  こらぁぁぁ」

兄「はよ、車を除けんかい!! わしは、急いどんじゃ!! おらぁぁぁ」

だから、それなら、胸座とかさ、掴んでる場合じゃないしさ。
そんな事しても、意味無いじゃん。
あっ 言っておくけど、その商人さぁー 少林寺拳法の達人だよ・・・
危ないの君たちだよ。

子「車に乗らんかい!!  おらぁぁぁぁぁぁ」

商人の、少ない髪の毛を掴むと、車の方へ引っ張っていった。
引っ張られた商人も堪らない、残り少ない髪の毛である。痛いので、手を掴みに行く。

と、偶然にも、その払いのけようとした手が、子分の顔にあたる。

ぺしっ


子「おっ こいつ暴力使いよった!! 
  先に手出したの、お前やぞ!!」


って、言うかさぁー 髪の毛掴んだのは、暴力じゃないのかね。
法律上、髪の毛1本でも抜くと、傷害罪だよ。

ようやくの事で、車に乗り込み、エンジンをかけ、バックしようと後ろを振り向くと・・・・

あの馬鹿が、いや、失礼。
兄貴が、車の真後ろに立っていた。
しかも、俺は知らないよってな具合に、吹けもしない口笛なんて吹いたりして。
口笛吹けてないって・・・スースー言ってるし。

やっぱり、こいつの事、馬鹿って呼んでいいですか??

「そこに立ってると、バック出来ないんですけど、どいてくれませんか。」

兄「ひゅーひゅー(口笛)

仕方ないので、エンジンを止める。

「あのーー」

兄「お前と同じ事してやったんじゃ!!
  はよ、除けんかい!!」


意味わかんねー  

少しでも当たったら、『訴えてやるー』と思ってたくせに。
ダチョウクラブかっつーのよ。
そんな事はお見通しなんだよー と、ばかりに商人はため息をついた。
そりゃ、ため息もつきたくなるわなぁ

しかも、そんな事をしておいて、「早く除けろ」とのたまってしまうあたり。
急いでるんじゃなかったのかよ・・・ とも、言いたくなる。

しかし、それだけではなかった。なかったのです。


ふと、横を見ると、何やら子分が怪しい動きをしている。
胸のポケットから、タバコを取り出すと、急いで火をつけようとしていた。

その子分の顔は、何か企んでるぞ!!と言わんばかりの顔付き。
ニヤニヤと笑いながら、慌てて火をつけようとしている。
でも、慌ててるせいで、なかなか火も着き辛いようだ。

それを察知したかどうか、商人は車の窓を閉めた。
(もちろん、手でぐるぐる回す奴ね。パワーウィンドウなんかじゃないのよ。)

と、同時に、商人目掛け、たばこの煙をふぅーーー
って、窓閉まってんじゃん!! その時の子分は、めちゃ悔しがってた。

だからね、スケスケ いや、見え見えだって。

そんなやり取りをしてると、警察がやってきた。
もちろん、親父殿が呼んだのだ。

警察の姿を見るなり、急に大人しくなる兄貴子分

「何かありましたか。」
父「はい。実は、かくかくしかじか・・・」

親父殿が事情を説明をする。

「君たち、通行許可書を見せなさい。」

兄「必要なんですか?警察に言った時に、何も言われなかったんですけど。」
子「そ・そうそう。」

ねぇねぇ、君たち通行許可書の存在知りませんでした。
みたいな、その言い方はなに? 持っるかーって啖呵切ったのはなに?
誰が知らないって?? はぁ〜

「ホントに? それ持ってなかったら、ここ入っちゃダメだからね。」

子「わかりましたぁ」

ホントにわかってんのか!? また、平気な顔して、暴走しまくるんじゃないんだろうね。

「大体、状況はわかったから、もう、もめない様に。
  仲直りしてもらって、ね。それでいいでしょ??」

兄「はいっ 私は別に何も・・・」

「君たちは、今度、通行許可書を取りにいきなさいね。
   じゃぁ、仲直りの握手して。」

「それだけは。。。いや!!」

「あっそう? じゃぁ、いいや。まっ そういう事でね。」

兄「はいっ」


そう言いの越すと、警察はまた帰っていった。
こうして、事件は一件落着する。
とばっちりを食った商人。
めがねは曲がるし、髪は抜けるし、首は痛いし・・・・
でも、これ以上、奴等と関るのは、もっといやだし。


子「ちっ 余計な事しやがって!」

兄「おい! 今日はこのくらいで勘弁したるわい!」

子「ホンマやぞ!!」

マジでこいつら、馬鹿ですか!?
って、言うか、新喜劇そのものやし。(−。−;)

やれやれ、飛んだ災難でしたな。商人さん。

って、俺、ここでずっと待ってるんですけど・・・・
俺の相手って、いつしてもらえるんだろう??

まっ 面白かったからいいけどね。