科学の色

東京タワー

衛星写真(5)

衛星写真って本当?!

 グーグルマップで上空からの東京タワーを初めて見たとき、大感激したものだが、その時気がついてもおかしくなかった。



 人工衛星からの情報は様々であり、地形や雲の様子のみならず、気温や海水温等変化も得ることができる。 その昔、宇宙から見ることができる人類の構造物は万里の長城のみと言われていた。 ランドサットの撮影範囲 カメラ技術等の著しい向上は、人工衛星から人の動きをも監視できるといわれている。

 ランドサット等静止衛星は、およそ700kmの高さを飛び続け、地表付近の情報をキャッチしている。 これだけ上空から撮影すると、高い建物の傾きはほぼ一定になるはずである。例えば人工衛星の真下付近の高層ビルは、屋上のみが写り、ビルの壁面は見えるはずがない。

 下の写真を見ていただきたい。写真の幅は500m程度であるが、ビルの傾きはかなり変化している。O点付近は、全く壁面が見えないので、O点の上空のC点から撮影したと考えられる。

 OBの距離:780m、ABの距離:135m、東京タワーの高さが333mなので、撮影の高度は1924mとなる。すなわち、グーグルマップの詳細地図は、衛星写真ではなく航空写真である。


東京タワー付近の航空写真 航空写真の高度


 思いこみとは、しばしば判断や認識を誤らせる。かなりのWeb Pageで、グーグルマップやグーグルアースの説明に「衛星写真」と記述している。 よく見ると(よく見ないでも)グーグルマップの地図切り替えボタンの表示は、「航空写真」とはっきり書かれている。

 ※英語バージョンは「Satellte」と表示されている。
エッフェル塔

(2007/1/21、TAKA)


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