<この記事の概要>ふるさと納税はどういう理由で『お得』とされているのかを解説
ふるさと納税ってそもそも何?
数年前から、「ふるさと納税」はとっても『お得』だという話をよく聞くようになりました。
でもふるさと納税って何なのでしょうか。
ここでは根本的なその部分を確認したいと思います。
ふるさと納税は、端的に言えば、自治体に対する「寄付」です。
ですが「納税」とついているのはなぜでしょう。
それは、「寄付」した相当額が、次の年に自分が納める税金から控除される(=引かれる)という制度であるため、
実質的には自分が選んだ自治体に「納税」していると言えるからなのです。
ふるさと納税が何のために作られた制度なのかや、ふるさと納税の理念などは、
【総務省のふるさと納税ポータルサイト】に記載がありますので、そちらをご覧ください。
ふるさと納税は何がお得なの?
では、ふるさと納税はいったい何がどうなって『お得』だと言われているのでしょうか。
例えば、令和4年に今自分が住んでいないどこかの自治体に3万円のふるさと納税をしたとすると、
一般的には次のようなことが起こります。
①寄付した先の自治体から、「返礼品」が送られてくる
→ふるさと納税の話をするときに、「1万円のふるさと納税でお米が10kgもらえる」とか
「5千円のふるさと納税でクッキーが一箱もらえる」とか聞くのではないでしょうか。
そう、ふるさと納税の『お得』の大きな理由はこの返礼品をもらえるということです。
でもちょっと考えてみてください。お米10kgって、普通は1万円もしませんよね?
総務省の定めたルールでも、ふるさと納税の返礼品の上限は寄付額の30%とされています。
つまり、1万円の寄付に対して返礼品としてもらえるものは最大でも3千円相当ということになります。
これでは、まったく得をしていませんよね。
そこで重要になるのが次の「税金の控除」です。
②寄付した翌年の期日までに確定申告を行えば、その年に納めるべき税金から、ほぼ同額が控除される
→ここでいう税金とは、確定申告で確定させる所得税と、6月からの住民税のことを指します。
内訳は省略しますが、合計すると「ふるさと納税した額ー二千円」が引かれることになります。
・・・三万円寄付して、税金が二万八千円引かれるのでは、やっぱり意味がないのでは??
いえいえ違うんです。
①と②を合わせて考えてください。
③つまり、二千円で九千円相当の「返礼品」が手に入る
→②のことは、本来なら来年納めるはずだった税金を「前の年に」&「別の自治体に」納めているだけ
と言い換えることができます。制度として二千円はどうしてもかかるのですが、
結局その二千円で返礼品九千円分(最大として三万円×30%=九千円)をもらっている
ということになりますよね。
いかがですか、『お得』の理由がわかれば、何か不思議なもの、という感覚もなくなるのではないでしょうか。
かつてお世話になった故郷に恩返し、そして故郷の便りをもらう、本来ふるさと納税はそういった制度なんです。