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分光写真はお好き?

 1ヶ月程前、カメラメーカーのO社に問い合わせのメールを送った。内容は、
「分光写真(プリズム、回折格子)が撮れずに困っています。青色、緑色、赤色が中心で、紫領域がででにくく、中間色もほとんどでません。原色フィルターが影響しているのでしょうか。」である。

 間髪入れずにO社カスタマーサポートセンター担当K下氏から丁寧な次のような返事が来た。(要点のみ)
分光写真は、撮影される光の種類により変わる。どのような光をどのような方法で撮影したか詳細を知りたい。今までに撮影された写真があれば参考までに送ってほしい。また、撮影した画像を未加工の状態で、メールに添付してほしい。
 問い合わせが、少し説明不足だったようだ。誠実に答えようとする態度に好感が持てる。(が、画像ファイルの添付の方法の説明は大きなお世話か・・・!)

 光源としては、太陽光線、白熱灯、蛍光灯、ディスプレイ等さまざまなものを使用している。詳しくは、「色いろいろ」の新着情報のデジタルカメラの色(1)〜(3)。原色フィルターや補色フィルターの色合いの差についても知りたい。・・・・
 写真を2枚添付して返送。またまた間髪入れずに返事があった(さすがO社、好感が持てる)。内容は、詳しく検討するので、時間が欲しいとのこと。待つこと2週間、待望の返事が来た。
 弊社デジタルカメラは、一般的な写真(ポートレートや風景など)を総合的に綺麗に撮れることを優先している。その結果、紫色や、中間色(赤色と黄色との間の色など)の再現については苦手な傾向となる。この傾向は、一般的な デジタルカメラ全般にもいえる。
 分光された状態を撮ることは難しい。分光写真は、カラーフィルタの違い(原色/補色)に関わらず、一般的なデジタルカメラは苦手である。
 さらに、原色フィルターと補色フィルターの特性について、簡単な説明があった。時間をかけた割に肩すかしであった。原色フィルターと補色フィルターの特性についてはもう少し知りたかったし、画像処理エンジンの働き等の説明も戴きたかったが、このへんは企業秘密でもあろう。O社カスタマーサポートセンター担当K下さん、どうもありがとうございました。

 結論。デジカメはどうも分光写真はお好きじゃないということである。

(2005/3/13、TAKA)

菫色の謎フォトダイオードカラーフィルタースペクトルの写真色の再現、光は?|分光写真は苦手!|
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