科学の色>デジタルカメラの色 手作りプリズム(アクリル製)

菫色の謎

 昨年末から分光の紫(以後菫色)についての疑問を投げかけたが、手作りプリズム(アクリル板)、本物のプリズム(これは相当の時代物)、回折格子でも確認できた。
 ところがこの菫色が、写真に写らないのだ。さらに、デジタルカメラ(OLYMPUS CAMEDIA C-720)では写っているのはRGB(赤緑青)とその混色のCY(シアン、イエロー)のみ。これではまるで昔の8色モニターである。

 最初に試みたのが、カーテンの隙間から差し込む朝日をプリズムで分光したもの。白紙上に美しいスペクトルが見られた。ところが、デジカメの写真(下写真の左)は、中間色がみごとに吹っ飛んでいる。

 スリットの幅が広すぎたと考え、スライドプロジェクタ作戦に変更。スライド部分にカミソリの刃2枚で0.5mm程度のスリットを仕込み、深夜を待った。

朝日のプリズムでの分光写真 スライドプロジェクタのプリズムでの分光写真 スライドプロジェクタのプリズムでの分光写真


 写った写真は、まさに8色モニター(上写真の真ん中)。シャッタースピードや絞りを調整したのが上写真の右。単に暗くなるだけで、微妙な色の変化は見られない。当然菫色も写っていない。 自作分光器のスペクトル写真

 プリズムを使用してるのに原因があるかもと、壊れていた自作分光器(回折格子)を修復、撮影した(右写真)が結果は変わらない。

 最近戴いたメールに「デジタルカメラ(手持ちのNIKON CP4500)でスペクトル純色(分光器の出射スリット)を撮影すると、410nm程度以下はかなり感度が低い」(Ken Ishikawa氏)、「写真撮影の場合にはフィルム感度の波長依存性などの問題も加わる」(東京書籍)等のご指摘があった。

 菫色の謎は、まだまだ続きそうだ。

(2005/1/30、TAKA)

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